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敦賀原発断層 10日に議論
12月2日 19時21分

敦賀原発断層 10日に議論
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国内で唯一、敷地に活断層がある福井県の敦賀原子力発電所で、国の原子力規制委員会は、専門家とともに2日間にわたる現地調査を終えました。規制委員会の島崎邦彦委員は「原子炉の真下を走る断層が、活断層と一緒に動く直接の証拠はないが、周辺の地層が変形しているのは確かだ」と述べて、断層が動くかどうかを、今月10日の評価会議で議論する考えを示しました。

原子力規制委員会の島崎委員と専門家の合わせて4人は、1日、引き続き敦賀原発を訪れ、4000年前に動いたとされる敷地にある活断層の浦底断層や、そこから枝分かれするように延びて2号機の真下を通っている「D-1」という断層を中心に、地面を掘って断面を見る「トレンチ調査」の現場で調べました。
国の指針では、活断層の上に原発の重要な施設を設置することを認めておらず、「D-1」断層が、浦底断層に引きずられて一緒に動くと判断されると、敦賀原発は運転が再開できなくなり、廃炉になる可能性があります。
調査を終えた規制委員会の島崎委員は「D-1断層が浦底断層と一緒に動くことを示す直接の証拠はないが、周辺の地層が変形しているのは確かだ」と述べて、D-1断層が浦底断層と動くかどうかを、今月10日の評価会議で議論する考えを示しました。また、島崎委員は、議論次第で、電力会社に追加調査を求めたり、現地調査を再び行ったりする可能性も示しました。

“調査継続の可能性も”

2日までの調査について、千葉大学大学院の宮内崇裕教授は「D-1断層の上に堆積している地層に何らかの変形が確認できた」と述べたほか、原子力規制委員会の島崎邦彦委員は「活断層の浦底断層やその周辺で何が起きているか、大筋で考えが一致した」と述べ成果を強調しました。また、島崎委員は「結論が出せることを期待している」と述べて、今月10日の評価会議で、D-1断層と活断層との関係について結論を出したいという考えを示しました。
一方で、名古屋大学の鈴木康弘教授は「浦底断層が動いたときに、周辺にどのような影響が及ぶか全体的に広く検討するため、さらに追加調査が必要だ」と話したほか、島崎委員も「追加調査の可能性はある。また、事業者が調査中で今回見られなかった地点も、必要があれば再び現地調査をする可能性もある」と述べ、評価会議の議論によっては調査が継続する可能性も示しました。

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