食物アレルギー検査 普及進まず11月30日 18時39分
食物アレルギーかどうかを詳しく調べるため、実際に食品を少しずつ食べる「食物負荷試験」という検査について、緊急時に対応できる専門のスタッフが確保できないなどの理由で、実施している医療機関が少ないことから、保護者などから体制整備を求める声が上がっています。
食物アレルギーは、卵や牛乳など特定の食品を食べると、じんましんなどの症状が出るもので、患者は、子どもを中心に全国で30万人に上るとみられています。
以前は、血液検査で陽性反応が出れば、食物アレルギーと診断され、原因とみられる食品を一切、食べないよう指導が行われていましたが、研究が進むにつれて、血液検査で陽性反応が出ても、実際食べてみると、食物アレルギーではないケースがあることが分かってきました。
このため、本当に食物アレルギーかどうかを診断するには、特定の食品を少しずつ食べて体調の変化をみる「食物負荷試験」を行う必要があるとされ、国も標準的な検査方法と位置づけて、平成18年に保険適用しました。しかし、6年たった今も、この検査を実施しているのは、全国の小児科がある病院の4分の1以下にとどまっています。
その理由について専門家は、▽医師の間で食物負荷試験の重要性が十分に認識されていないことや、▽ショック症状が出た場合など緊急時に対応できる医師や看護師を複数、確保するのが難しいことなどを指摘しています。
重い食物アレルギーの子どもを検査できる専門病院が1か所もない鳥取県の保護者たちは、ことし9月、鳥取県に対して、地元でも食物負荷試験を受けられるよう、医療体制を整えてほしいと要望しました。
現在、食物負荷試験を受けられる全国の主な病院は、専門家などで作る「食物アレルギー研究会」のホームページで紹介されています。アドレスは以下のとおりです。http://www.foodallergy.jp/
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