「今日から節電キャンペーン期間です。ドアを開いて暖房を利かせるのはお控えください」
3日午後1時、ソウル中区明洞(チュング・ミョンドン)のある衣類売場。知識経済部(知経部)やエネルギー市民連帯などが参加した「キャンペーン広報団」は冬季電力使用の自制を訴えるためにここを訪れた。
広報団の要請で売場の社員は固い表情で「分かった」と言って、1階の天井に付けられているシステム冷暖房機をオフにした。しかし、店の2階では暖房機が相変わらず熱い風を吹き出していた。取材記者が社員に「店が寒そうだ」と話しかけたら、すぐ「暖房機をフル稼働中なので、すぐ温かくなる」という答えが返ってきた。
政府は同日から来年2月2日までの3ヵ月間を「冬季エネルギー使用制限措置期間」に決めて本格的な節電キャンペーンに入った。同期間にデパート、ホテルなどの室内温度が20度以上だったり、ドアを開いたまま暖房機を利かせた場合、午後5〜7時にネオンサインを2つ以上つけた場合、最高300万ウォンの過料を払わされる。ただし、来年1月6日までは啓導期間なので、取締りよりは広報に尽力する計画だ。
使用制限措置初日、明洞一帯の売場の相当数はドアを開いて暖房機を利かせていた。昼の12時、旧中国大使館近くに集まっているネイチャーリパブリック、エチュードハウス、スキンフード、アリタウムなど化粧品売場の中で、省エネのために店のドアを閉めたところは1ヵ所もなかった。この中で1ヵ所は店の前で客呼びをする社員のため、街頭で電気温風器を稼動させていた。
外の気温は3度前後だったが、店舗内部の室内温度は21度前後だった。化粧品売場のある社員は、「店の特性から道を歩くお客を取り込むのが欠かせないが、ドアを閉めたら、営業が難しい。他の売場も全てドアを開いて営業しているので、私たちも仕方ない」と話した。
節電に協力するところが一部あったが、殆ど取材チームや節電広報団が訪問したところだった。キャンペーンが進められた明洞芸術劇場十字路周辺のウリ銀行明洞支店、新韓(シンハン)金融センターの室内温度はそれぞれ18.7度、19.5度だった。銀行にはカーディガンとタートルネックTシャツを重ね着した行員が少なくなかった。しかし、ここから600メートル離れた中区忠武路(チュンムロ)1街のスタンダードチャータード銀行第一(チェイル)支店の室内温度は21.6度だった。
本紙の取材チームが公式訪問したロッテマートソウル駅店の同日の室内温度は17.7度。しかし、取材記者の身分を言わずに立ち寄った新世界(シンセゲ)デパート本店とロッテデパートの本店は全て21.3度だった。名品館のロッテデパートのエビニュエル店の室内温度は22.7度まで上がった。啓導期間が終わった後なら、全て過料賦課対象だ。
政府が脅しをかけているが、取締りは現実的に簡単でない。当該基礎自治体が取締りに乗り出さなければならないが、労力が足りず、商人の営業を妨げるという批判を避け難い。ソウル中区役所の関係者は、「省エネが目的であるだけに、頭ごなしに過料を賦課するには無理がある」とし、「とりあえず説得し、啓導することに重点を置く計画だ」と話した。
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