中村勘三郎さん死去:子役から才能発揮 テレビでも活躍

毎日新聞 2012年12月05日 11時04分(最終更新 12月05日 11時22分)

中村勘三郎さん=2012年3月、小玉祥子撮影
中村勘三郎さん=2012年3月、小玉祥子撮影

 現代を代表する歌舞伎俳優のひとりでテレビ、映画でも活躍した中村勘三郎(なかむら・かんざぶろう、本名・波野哲明=なみの・のりあき)さんが5日午前2時33分、急性呼吸窮迫症候群のため東京都文京区の病院で死去した。57歳。通夜・葬儀の日程、喪主は未定。

 東京都生まれ。十七代目勘三郎の長男で母方の祖父は六代目尾上菊五郎。59年に五代目勘九郎を名乗り、初舞台を踏んだ。父から厳しい指導を受け、幼くして舞踊、演技に才能を発揮。名子役の誉れ高く、映画にも主演。父の親獅子で仔獅子(こじし)をつとめる「連獅子(れんじし)」でも人気を博した。

 その後は古典から新作まで自在の演技で観客を魅了。父が没した88年4月は「髪結新三(かみゆいしんざ)」に新三で主演中だったが、千秋楽まで見事な舞台を見せ、評判を取った。90年8月には東京・歌舞伎座で自身が主軸となった「納涼歌舞伎」を実施。同劇場での通年歌舞伎公演を実現させた。94年に同・渋谷の「シアターコクーン」で「コクーン歌舞伎」、2000年に同・浅草で仮設劇場「平成中村座」での公演を開始。若い世代の観客増に貢献した。05年、十八代目勘三郎を襲名した。

 体調不良で10年12月から活動を休止し、11年9月の大阪・新歌舞伎座公演で本格的に舞台復帰。同年11月から12年5月まで平成中村座でロングラン公演を行ったが、同6月に初期の食道がんであると発表。同7月末に手術。その後、肺に疾患が生じ、2度にわたって転院し、闘病を続けていた。7月18日、長野・まつもと市民芸術館における「天日坊」に千秋楽の一日のみ、急きょ木曽義仲役で出演したのが、最後の舞台となった。

 99年日本芸術院賞、04年菊池寛賞、08年紫綬褒章。

 七代目中村芝翫(しかん)の次女である妻の好江さんとの間に、歌舞伎俳優の長男勘九郎さん、次男七之助さんがいる。姉の波乃久里子さんは女優。

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