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バレエで県の文化祭芸術賞

福井県の前田美智さん

福井県越前市在住の聖使命会員で、「前田美智バレエ教室」を営む前田美智さん(44)は、昨年3月、同県武生市と今立町が合併して越前市が誕生したことを祝って行われた記念式典で創作バレエ「越前の舞」を披露したほか、同10月、「第2回和・洋の舞」と題して、日本の伝統芸能である日本舞踊と洋舞であるクラシックバレエのジョイント公演を母親で白鳩会員の中西幸路さん(69)と開催するなど、同県の文化活動に貢献したことが認められて、昨年12月、「ふくい県民文化祭芸術賞」を受賞した。「受賞は、み教えを伝えてくれた両親や、バレエ教室の生徒と保護者の皆さん、ご先祖さまのおかげ。これからも、夢のあるバレエを創って活動していきたい」と意気込みを語る前田さんを越前市の実家に訪ね、これまでの活動や教えに対する思いを聞いてみた。



前田さんが創作したバレエ「和・洋の舞」のひとこま
(前列中央が中西さんと朱加里さん)

■み教えに支えられた家族

冷たい雨が降りしきる1月16日、JR武生駅で降りると、前田さんと、妹で福井教区青年会副委員長として活躍している岡田紀江さん(34)が迎えに来てくれていた。
そして前田さんの車に3分ほど乗って前田さんの実家に到着。「遠方より、ようこそ」と深々とお辞儀をして迎えてくれたのが、日本舞踊を教えて30年の母親の中西さん。家に上がると、玄関や廊下、それぞれの部屋には『ひかりの言葉』(日訓)が掛かっている。
「私たち家族は、み教えのおかげで力強く生きてこられたのです」ときっぱりと語る中西さんに、長女の前田さんや夫で相愛会員の真一郎さん(69)も顔をほころばせた。

■文化祭芸術賞を受賞

前田さんは、平成17年10月、武生市と今立町が合併し越前市が誕生したことを祝って、バレエ「越前の舞」を創作。昨年3月、越前市文化センターで開催された同市の誕生記念式典で、バレエ教室の生徒たちが踊りを披露して、訪れた観客を魅了した。

さらに前田さんと母親の中西さんは、10月1日、同センターで、中西さんの舞踊教室30周年と、前田さんのバレエ教室15周年を祝い、親子合同で、「和・洋の舞」と題する記念公演を開催。
企画した前田さんは、中西さんと協力して振付を考え、オープニングでは、北島三郎の歌『まつり』に合わせて、舞踊教室とバレエ教室で学ぶ小学4年生から80歳までの幅広い年齢層の17人が競演。
その中には、前田さんの長女でバレエを習っている朱加里さん(10)も出演し、親子三代で演出や出演を手掛けた晴れ舞台となった。
昨年12月、前田さんは、こうした活動の実績が認められ、毎年県内の芸術活動に功績のあった人に与えられる「ふくい県民文化祭芸術賞」を受賞した。(昨年はこのほか3人が受賞)
前田さんは「み教えを実践して困難を乗り越えてきた母の応援があったればこその受賞だと思います」と喜びを語る。

■母の力強く生きる姿に励まされて

前田さんが、後者の「和・洋の舞」を企画したのは、17年1月、孫と遊んでいて背骨を骨折した中西さんに対して「また元気になって踊ってほしい」と思ったことがきっかけ。
中西さんも「日本舞踊は背筋の動きが命。骨折で二度と踊れないと思っていました」という。
しかし、前田さんに励まされ、中西さんは、リハビリを兼ねて舞踊の稽古を開始して、公演の準備を進めていったが、公演が1カ月半後に迫った8月中旬、中西さんの夫の真一郎さんに十二指腸幽門ガンが見つかった。
中西さんは「看病があり、また動揺もするのでとても公演には出演できない」と思ったが、翌9月、真一郎さんの手術は成功。中西さんは稽古を続ける一方、起床後や稽古前に神想観を実修して先祖や父母に徹底感謝の思いを捧げて公演に出演。真一郎さんも無事12月に退院した。
「教えを実践した母の生き方は本当に素晴らしく思います」(前田さん)


笑顔いっぱいの家族と
(左から2人目が前田さん、3人目が中西さん)

■母の信仰を受け継いで

そんな前田さんは、小学3年生の夏、熱心に信仰する母親の中西さんの勧めで、小学生練成会に参加して教えに触れた。
バレエを始めたのも同じころ。友人に誘われてバレエ教室に通い始めて才能が開花。そこで推薦されて小学5年生の時から、才能のある子女の集まる東京の松山バレエ学校に通うように。

「毎週末になると、1人で新幹線に乗って東京の学校に通いました。その時、母が持たせてくれた、名前と住所の書かれた『甘露の法雨』を大切に握りしめていました」

バレエに打ち込みたいと東京の高校、大学に進み、バレエ学校にも通学。卒業後は、地元でバレエ教室の講師を務め、平成4年、独立して「前田美智バレエ教室」を設立。

「バレエ教室は創立時の40人から現在160人に。み教えのおかげです」

こう語る前田さんは、バレエの練習で、生徒たちに先祖や父母への感謝の大切さを教えているほか、保護者にも感謝の大切さの説明を欠かさない。
前田さんのもとには、「人が生きて行く上で一番大切なものをバレエを通して教えてくださっていることに感謝します」などの喜びの携帯メールも寄せられるという。
前田さんは「これからも、生長の家の“感謝”の教えを忘れず、“もう一度見たい”と言われるような夢のあるバレエをつくっていきたい」と隣の中西さんを見つめながら明るく語ってくれた。