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福島しらけムード 野田首相にも安倍総裁にも 原発、復興語ったが…

12・16 衆院選公示

衆院選がスタート 聴衆に手を振る野田首相
いわき市で第一声を上げた野田首相
Photo By 共同 

 野田佳彦首相は午前9時25分ごろ、東京電力福島第1原発から約40キロ南の福島県いわき市内で「原発依存社会から決別しないといけない」と声を張り上げた。自民党の安倍晋三総裁は午前8時半、福島市中心部で「原発事故の被害回復には国が責任を取る必要がある」と強調。「卒原発」を掲げる日本未来の党の嘉田由紀子代表は飯舘村に入り「原発ゼロの社会を目指すのは飯舘から」などと訴えた。

 会津若松市を訪れた社民党の福島瑞穂党首を含め4党トップが福島県内から遊説をスタート。ただ必死のアピールも、被災地の有権者の目には“選挙用のパフォーマンス”と映ったようで、各党首の演説には拍手も、やじもほとんどなく、しらけムードが漂った。

 いわき市の仮設住宅で避難生活を送っている楢葉町の遠藤良平さん(76)は「いつもはそっぽを向いているくせに。みじめな生活をしている人のことをどれだけ考えているのか。自分のことだけなんだろう」と突き放した。そして「ここ(仮設住宅)には(党首は)来ないから話も聞けない。賠償も除染も進んでいないのに」と嘆いた。

 安倍総裁の演説が行われた広場では、「ふくしまに原発をつくったのは自民党」と書いたプラカードを掲げる女性の姿もあった。

 飯舘村は、ほとんどの住民が村外に避難しており、嘉田代表の第一声に集まった有権者は、一時帰宅でたまたま村に戻っていた村民ら約10人。福島市内に避難している美容院経営花井勝義さん(66)は「福島の人の思いをくんでいる」と公約には評価する一方で、「そんな簡単にいくのか」と漏らした。

 双葉町が役場機能を移した埼玉県加須市で避難生活を送る林日出子さん(81)は「誰が何を訴えているのか分からない」とつぶやいた。「復興には力を入れてくれないのに、選挙のときは1票欲しいからってみんな福島に来る。町にいたときは演説を聞いて投票先を決めていたけれど、ここには誰も来ないのかね」と諦めたような表情を見せた。

[ 2012年12月5日 06:00 ]

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