<第1節レポート:小車
祥>
A卓(吉武×小川×三井×大和田)
B卓(川崎×麻生×佐藤×柿元)
C卓(森永×筒井×小車×安永×塚本)
Bリーグ第1節のレポートを担当することになった小車です。よろしくお願いします。
快晴の朝、会場のドアを開けるとまず、人数の多さに驚いた。
どうしたことかと見回すと、9月28日にプロテストを受けた新鋭たちが、それぞれ緊張感を抱えながら席に着いていた。
彼らと同じ気持ちだった1年前の自分を思い出し、現在の自分と比較したり、1年前の自分と今目の前にいる新鋭達とを照らし合わせたりした。
先輩プロ達を追いかけ突き進むだけだった立場から、後輩達に追い駆けられ、良い見本を見せねばならない『先輩』という立場に自分も立たされたのだとようやく自覚した。
今期からはBリーガー。不甲斐ない戦いはできない。
人数が増えたことにより、別会場で行われることとなったBリーグの対局。
別会場は本会場よりも静かで、隣の卓の発声から点数申告までよく聞こえた。
中でも、その声が一番聞こえてきたのは柿元。
今期からBリーグに上がってきた者に、その厳しさを教えてやると言わんばかりに得点を重ねた。
柿元の勢いと、それに飲まれまいとする麻生と川崎の反撃の波に、佐藤が一人飲まれる形となってしまったようだ。
この4名、1位を獲った回数はそれぞれ1回ずつなのに、これだけのポイント差が生じるのだから驚きである。
その隣の卓では、前期Cリーグ優勝の吉武、大和田が安定した戦いを見せた。
しかし、負けん気が人一倍強いこの二人。一歩も譲らぬ戦いの末、ほぼ同得点で終わっている。
私の卓では終始息の詰まるような戦いが続いた。
各々の異なるスタイルでぶつかり合い、誰が卓内トップになるのかさえ最後まで予想もできなかった。
前期、惜しいところでAリーグ昇級を逃し、周囲も実力を認める筒井が、勝負どころで当たり牌を掴んだ。
ただそれだけのことだった。それだけで大きな差が生まれた。
恐ろしく早くて高い、塚本の親の跳満に筒井が放銃するシーンを後ろから立って見ていたが、正直お気の毒としか言い様がない牌姿と場況だった。
これが麻雀の持つ闇なのかと、ゾッとする。
あの瞬間、筒井の席に私が座っていたら、私と筒井のポイントは逆だっただろう。
一人抜け出た柿元を全員で追いかける形でのスタートとなったBリーグ。
「今期のBリーグはレベルが高い」と誰かが言った。
言った人をそう思わせた要素の中に私も入りたいし、そこで結果を残したい。
その気持ちは皆同じだろう。
まだ始まったばかりであると同時に、残り4節16回戦しかない。
闘志剥き出しのBリーガー達の、一挙手一投足から目が離せない。
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