■ 常総市お役立ちリンク集


 

2012年12月02日 00:00

公職選挙法を甘く見てはいけません。ツイッターやブログなどネット上での情報発信は細心の注意を払って下さい!しかし、萎縮してしまってもいけません。そのためのヒント集!

昨日のブログ、土曜日だというのに多くの方々に御覧頂き、ありがとうございました。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/304608367.html
公職選挙法はちょっと怖い法律なので、もう少し書かせて頂こうと思います。

IWJ代表の岩上安身氏が2012年11月29日22時過ぎにツイッターの連投で、とても重要なことを情報提供して下さっています。
インターネット上での選挙に関する発言が公職選挙法に抵触するかどうかを、総務省自治行政局選挙部選挙課に問い合わせて下さり、そのやり取りをツイッターで報告して下さっています。
これはとても重要です。
そのやり取りを一覧にさせて頂き、私の市民オンブズマン、政治団体(常総市民連合)での経験を元に私なりのコメントもつけさせて頂きましたので、ご参照頂ければと思います。
脱原発派の皆様の一助になればと思っております。

岩上安身氏 告示後に、インターネット上のブログやツイッターで候補者の話題を出すのは公職選挙法違反になるのか?
担当 公職選挙法142・143条における『文書図画』にインターネット上のものも含まれます。
『○○に投票してください』はもちろん、特定の候補者のための選挙活動と疑われるもの抵触する可能性があります。
(古性解説) 「可能性があります。」という表現は、総務省が取締機関ではないための表現で、「最終的には取締機関の判断による」と言うことになります。
兎にも角にも『○○に投票してください』とツイッターでつぶやくのは、私は非常に危険だと思っています。
 
岩上安身氏 具体的にはどういった内容が駄目なのか?
担当 『今日、○○候補者を見た』とか、『こういった政策がある』という表現ならば問題ないと思いますが、その文章が何を目的にしているのかによります。
その目的が、特定の候補者に投票させようと疑われるものは、公職選挙法の『選挙運動のため』に該当するので、違反となります。
(古性解説) 「何を目的にしているかによります。」と言われても困りますし、「問題ないと思います。」というあいまいな表現も引っかかりますよね。
最終的には取締機関の警察が判断することだということです。
 
なお、この担当者の回答の中に大きなヒントが隠れていると思います。
「その目的が・・・違反となります。」の部分の回答を裏返して考えてみて下さい。
「その目的が・・・違反とはなりません。」というようにです。
 
取締機関の警察に事情を聞かれた際に、きちんと反論できるようにしておけば大丈夫です。
その発言は「選挙運動のために行っているものではない。」ということをきちんと裁判長に対して主張でき、無罪を勝ち取れるという状況にしておけば大丈夫でしょう。
 
公職選挙法」は選挙を行う本人である議員らが作った法律なので、色々な抜け道が用意されています。
だから「ザル法」とも呼ばれています。
ザル法なので、きちんと反論できるだけのものをこちらが持っていれば、何とかなるというような感じだと思います(歯切れが悪くてすみません)。
 
私のように本名を名乗り、連絡先等も公表している者に対しては、何かあれば即座にアクション(電話が来たり、刑事が来たり)があるものです。
しかし、匿名で情報発信しているネット上での発言であれば、たとえそれが公職選挙法に違反している可能性が非常に高くても、そう簡単にアクションは警察もとれないと考えます。
というのも令状がなければプロバイダーも情報開示には応じないでしょう。
令状を取ると言うことはそう簡単なことではないと考えます。
(このようなことを書くと取締機関から「この部分を削除せよ。」と連絡が来そうですが・・・)
 
岩上安身氏 一般の人が、候補者の政策や人となりを議論するのも駄目なのか?勝手連も駄目ということか?
担当 公職選挙法では、候補者やその陣営だけでなく、第3者が葉書やビラ以外を頒布しても違法となります。
金銭の授受があるかないかも関係ありません。
(古性解説) 子供達の将来、孫たちの将来を思い、国を思い、一生懸命活動しても、法に触れるようなことをしたらアウトです。
たとえ良い行いを普段していても、法に触れることをすれば容赦は無いでしょう・・・。

でも、いいですか?
「法に触れるようなことをすれば容赦ない」というのは、逆の立場の方々に対しても言えることです。
例えば、原発推進派が法に触れるのではないかと思われる発言をツイッターやブログなどでしていたり、チラシを配っていたりしたら、それはバンバン警察に通報すべきです。
警察も通報が来れば動かざるを得ません。
もしもそれで警察が動かないのであれば、「この程度ならば大丈夫なのだな」と、その証拠をきちんと確保した上で、同じようなことをすればいいのだと思います。
向こうを取り締まらないのに、こちらだけ取り締まるというようなことは、絶対に許されないことです。
もしも万が一取り締まられたら、裁判の場で、その証拠を出し無罪を主張すれば良いということです。
(このようなことを書くと取締機関から「この部分を削除せよ。」と連絡が来そうですね・・・)
 
岩上安身氏 インターネット上の自由な議論を禁止することは、憲法に保障されている『表現の自由』に違反するのではないか?
担当 論じ合うことは問題ないが、『選挙運動のため』と疑われる葉書やビラ以外の『文書図画』の頒布(インターネット上の発言も含む)は、選挙法に抵触する可能性がある。
(古性解説) またまた微妙な話が出てきました。
「論じ合うことは問題ない。」
なるほど・・・。論じ合えば良いのか(目から鱗)。
「選挙運動のため」にネット上で発言しているのではなく、例えば脱原発派の方々同士、論じ合っているのだということになれば問題がないと言うことなのか・・・。
(いやいや、ここは非常に微妙です。取締機関が最終的には判断することになるので、心配な方は警察に問い合わせた方がいいです。)
 
なお、警察に問い合わせると、たぶんほとんどの場合「それはやめておいた方がいい」と言う話になってしまうと思います。
その場合、是非、例えば次のようなことを聞いて頂き、その質問と回答を岩上安身氏のようにネット上でどんどん公開し、その情報を国民の宝として共有していくべきだと私は考えます。
  • 公職選挙法第何条に抵触するのか。
  • その場合の罰則は何か。
  • 裁判の判例はどうなっているのか。
      
岩上安身氏 『選挙運動のため』という表現の認識は、人それぞれ違うし、誰が判断するのか?
担当 最終の判断は、取り締まり機関が判断します。
(古性解説) 私は取締機関である警察が、明確な基準を国民に示すべきだと思います。
これはOK、あれはアウトというように、今まで警察が蓄積してきたデータを国民に明示すべきだと私は考えます。
  
岩上安身氏 インターネット上の発言が『文書図画』に含まれるのはなぜか?
担当 平成17年の東京高裁の判例の中に、『コンピューターのディスプレイに表示されるものは、文書図画に当たる』というものがあります。
(古性解説) 裁判所の判例ですから、これは重いです。
「文書図画にあたらない」といくら主張しても、裁判の場ではよほどのことがないと勝ち目はありません。
ですから注意が必要なのです。
 
岩上安身氏 音声のみであれば問題ないということか?
担当 その音声ファイルのタイトルや、その中身・目的によりますので、一概には言えません。
(古性解説) 警察が明確な基準を示さないと、国民は混乱するばかりだと思います。
国民は萎縮しすぎることなく、反論できるだけのものを用意して、主張していくことが重要だと思います。
恐らく、万が一にも変な圧力・取り締まりが行われれば、多くの国民は黙っていないと私は思います。
こんなに多くの仲間がネットを通しているのだと言うことを再認識し、無茶をしすぎないように、かといって萎縮しすぎずに、これからも是非多くの国民が「論じあって」頂きたいと願っています。
 


長くなってしまいましたが、最後に、これは単なる私のつぶやきですが、・・・ひとこと。

大阪市の橋下市長のつぶやきや情報発信に注目し、「このような表現なら大丈夫なのだな」と、学べば良いと私は思っています。
橋下市長を好きか嫌いかという次元の話ではなく、どういう内容の発言であれば許されると「弁護士」は見ているのかという視点で、その発言内容をチェックし、学び、自らの情報発信に役立てて頂きたいと願っています。
橋下市長は衆議院議員の総選挙期間中もずっとツイッター等で情報発信し続けるようですので、大変恐縮な表現かもしれませんが、生きた教材となり得ると思っています。

橋下市長は弁護士ですので、自分が逮捕されるような発言はしないはずです。
また、取締機関の警察も橋下市長を逮捕するなどと言うことはよほどのことがなければできないでしょう。

これが1つのバロメータ(目安)になり得るのではないかと思っています。

posted by 古性隆 at 2012年12月02日 00:00 | 選挙・公職選挙法