流行語大賞、取ったぜぇ~。今年、話題になった言葉に贈られる「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞が3日、発表され、お笑い芸人・スギちゃんの持ちネタ「ワイルドだろぉ」に決まった。お笑い芸人のネタが年間大賞になるのは、2008年のエド・はるみの「グ~!」以来。大賞を取ると売れなくなる―というジンクスがささやかれるが、スギちゃんは「そんなの払いのけるぜぇ」と、あくまでワイルドだった。
ワイルドに両拳を突き上げた。年間大賞が発表され、舞台に上がったスギちゃんは「大賞が取れるとは思わなかった」と満面の笑み。来賓席を見ながら「(事務所の)社長が裏から手を回してくれたおかげだぜぇ」とワイルドにお礼すると、会場は爆笑に包まれた。
悲願の大賞だ。07年には事務所の先輩・小島よしおがトップ10入りを果たしたが、大賞は逃していた。お笑い芸人のネタが大賞を受賞するのは08年、エド・はるみ以来の快挙。審査員のやくみつるは「3つも政治関連の言葉がある中で、大賞に選ばれたのはキャラと言葉に力があったからです」と絶賛した。
まさに“ケガの功名”だ。スギちゃんが「R―1ぐらんぷり」で準優勝してブレークしたのは今年3月。半年以上も前だ。だが、9月。バラエティー番組収録で10メートルの台からプールに飛び込み、第12胸椎を破裂骨折。事故から早期に復帰し、露出が増えたことで言葉の鮮度を保った。事務局関係者も「あれで年間を通して流行した」と分析する。
一方では悲しいジンクスもある。大賞を受賞した芸人は過去、翌年以降の露出が減る傾向にある。それはスギちゃんも自覚している。「賞を取る前は『消えてやるぜぇ』と言ってましたが、いざとなると残りたいですねえ…」。だが「そんなの払拭するぜぇ」と、すぐに気持ちを入れ替えていた。
その秘策はある。「新ネタがあるぜぇ。もう正月特番用に収録したぜぇ」と暴露。司会者が再三、「今、ここでお願いします」とお願いしたが「いや…今、言っちゃうと年内に終わってしまう」と素の表情で返答。「社長、こんな芸人はもう現れないぜぇ。もっとスギちゃんを大事にした方がいいぜぇ」と最後はワイルドじゃないアピールをしていた。
◆新語・流行語大賞で過去トップ10入りした主な芸能人ネタ
▼「だっちゅーの」(パイレーツ・98年)
▼「おっはー」(慎吾ママ・00年)
▼「なんでだろう~」(テツandトモ・03年)
▼「って言うじゃない…○○斬り!…残念!!」(波田陽区・04年)
▼「フォーー!」(レイザーラモンHG・05年)
▼「そんなの関係ねぇ」(小島よしお・07年)
▼「どんだけぇ~」(IKKO・07年)
▼「グ~!」(エド・はるみ・08年)
▼「ととのいました」(Wコロン・10年)
▼「ラブ注入」(楽しんご・11年)
◆スギちゃん 本名・杉山英司。1973年8月24日、愛知県生まれ。39歳。95年に芸人として活動をスタート。01年にお笑いコンビ「メカドッグ」を結成。08年、コンビを解散し、ピン芸人に。今年3月に開催された日本一のピン芸人を決める「R―1ぐらんぷり」で準優勝し、人気沸騰。温泉ソムリエ、キャンプインストラクターの資格を持つ。
[2012/12/4-06:00 スポーツ報知]