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放送内容


11月5日(月)

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メインテーマサイレントプア 声なき女性の貧困


出演者

専門家ゲスト:勝部麗子さん(社会福祉士 豊中市社会福祉協議会)
ゲスト:水道橋博士さん(タレント)、室井佑月さん(作家)
リポーター:山田大樹アナウンサー


今、単身女性の3人に1人が貧困だというデータが国立社会保障・人口問題研究所より発表されました。番組では貧困に苦しむ、または「予備群」の女性たちを取材し、声をあげられない実態を伝えました。そして、日本中に広がる女性の貧困を解決する糸口として、困窮した人に寄り添う支援態勢や、働き方の一例もご紹介しました。

あなたは貧困だと思いますか?

NHKネットクラブでのアンケートでは、回答をよせてくださった1018名のうちの半数近くが、「貧困だと思う」「貧困になりそうで不安」だと答えており、自分とは無関係でないという思いを持っていることが分かりました。

【あなたは“貧困”ですか?(NHKネットクラブ)】
・そう思う・・・16パーセント
・なりそうで不安・・・30パーセント
・そう思わない・・・54パーセント

声をあげられない女性たち

現在、日本での相対性貧困率は、税金を引いた収入が年に112万円未満をさしますが、国立社会保障・人口問題研究所が導いた「母子世帯」の貧困率は、女性の中でも特に高く48パーセントにのぼっています。
番組では40歳を過ぎて働き口がなく、一度病気で働けなくなったことから借金生活に陥り、その返済に追われ、風俗店で働く女性を取材しました。子どもや友人に助けを求める術をもたないまま、毎日生きるのに精一杯で、社会から孤立しています。
また、短期の派遣の仕事で食いつないでいる30代の女性は、一見困窮している暮らしぶりには見えないものの、食費を月1万2千円に切り詰めるため、安価な冷凍食品や試食サイトの無料のサンプル食品を利用しています。お金が無くて外出ができないことや、生活用品を買えないことを周りにはひた隠しにしています。ひとたび仕事が見つからなくなり働く場が失われると、人とのつながりが失われてしまう、お金が無いことで友人とも疎遠になるという悪循環で、誰にも言えずに孤独に陥っています。

非正規化の波に苦しむ女性たち

民間のみならず、公務員の仕事にも非正規化が進行しています。
労働組合「自治労」の調べでは非正規で働く公務員の8割が女性です。
10月30日の発表では、自治体で働く職員の3分の1を非正規が占めていることが分かりました。自治体予算の削減がここ数年激しいことが理由です。
仕事の内容別に見ると、保育士では52.9パーセント、学校給食関係職員が64.1パーセント、図書館職員は実に67.8パーセントが非正規です。
番組で取材した女性は、教師の仕事に理想を抱いていましたが、授業一コマいくらの〝コマ給〟のため、夏休みの8月は給料が無く、また学校の都合で授業が無くなることもあり、不安定な生活に苦しんでいます。かといって授業の質を落とさぬよう、参考書籍などをみずから購入し、授業時間外の生徒からの相談にも応じます。「収入が低い」「雇用が不安定」「自分の仕事を適正に評価してもらってない」という、心身とものストレスを抱えて仕事をしている現状です。

自治体で働く非正規職員を支援するNPO法人

「官製ワーキングプア研究会」
理事長:白石孝さん
住所:東京都新宿区三栄町16-4 柴本マンション403
電話:03-3891-9381
ホームページ:http://kwpk.web.fc2.com/

声をあげられない女性への支援

大阪府社会福祉協議会では、借金など、困っていても声をあげにくいゆえに貧困から抜け出せない、また行政の支援を受けるすべを持たない困窮家庭を訪問し、1件につき10万円までを原則に、家賃や食費、引っ越し費用などの支援を行っています。自立のめどが立つまで寄り添いながらサポートを続ける仕組みを作り、8年間で3万件の困窮者を支えてきました。同様の取り組みは、全国でも始まろうとしています。

大阪府社会福祉協議会の支援活動に対するお問い合わせ

「社会福祉法人 大阪府社会福祉協議会 社会貢献推進室」
住所:大阪市中央区中寺1-1-54 大阪社会福祉指導センター内
電話:06-6762-9488
ファックス:06-6762-9472
ホームページ:http://www.osakafusyakyo.or.jp/

ワーカーズ・コレクティブという働き方

今、ワーカーズ・コレクティブという働き方が、働く場のない女性たちの受け皿になりうると注目されています。企業で働く場合、労働者は資本金を出資した経営者に雇われ、求められる労働力を提供することで、給料を受け取ります。それに対してワーカーズ・コレクティブは、雇い・雇われるという関係ではなく、働く人全員が、資本金を出資することで経営も担う、協同組合です。
番組では、生協の配送業務を請け負うワーカーズ・コレクティブで働くシングルマザーを取材しました。子どもがいることで休みづらい、休んだことで仕事をやめるはめになった、そうした経験をもつ女性が、自分の都合のいい時間に働き、一緒に働く仲間と助け合うことで、収入を得て、精神的にも楽になりました。自信を取り戻して次のステップへ向かうための場として、貧困脱出の選択肢のひとつとなっています。

ワーカーズ・コレクティブ ネットワーク ジャパンについてのお問い合わせ

番組で取材したのは、ワーカーズ・コレクティブ ネットワーク ジャパンです。
各都道府県に連合会があります。

「ワーカーズ・コレクティブ ネットワーク ジャパン」
住所:東京都世田谷区赤堤4-1-6赤堤館内
電話:03-3325-3720
ファックス:03-3325-7955
ホームページ:http://www.wnj.gr.jp

「神奈川ワーカーズ・コレクティブ連合会」
住所:神奈川県横浜市中区南仲通4-39 石橋ビル4F
電話:045-662-4303
ファックス:045-662-4306
ホームページ:http://www.wco-kanagawa.gr.jp

支援を求めたいときの窓口

「よりそいホットライン」
一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が、全国無料で、24時間相談を受け付けています。
電話:0120-279-338
現在、相談が殺到し、かかりづらくなっていることを、あらかじめご了承ください。

関連番組

「ハートネットTV シリーズ・貧困拡大社会~見過ごされた人たち~」
Eテレ 11月19日(月)よる8時~


視聴者のみなさまへ
番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
製品・サービスの特性や使用上の制限、契約内容・条件などについては、各自におかれまして、メーカーや販売会社に十分ご確認ください。

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