地デジバブル以降のテレビ選びとは？ 4K、8K、スマートテレビetc.

　わが家の地デジ化が完了して以降、足が遠のいている家電量販店のテレビ売り場。ご存じのとおり、ここ数年テレビがもっとも盛り上がったのが、地上アナログ放送から地上デジタル放送への完全移行のタイミングだ。その間、テレビの薄型化＆大型化とともに値段も下落。テレビの買い替えが進み、地デジバブルが起きた。

　そんな地デジバブルが弾けて以降のテレビ選びは、どうなっているのだろうか？

◆ネットやアプリが使える多機能テレビが登場

　最近、各社が力を入れているのが、いわゆる「スマートテレビ」。スマートテレビとは、一般的にネット経由の映像を視聴でき、スマートフォンのようにゲームなどのアプリを利用できるテレビを指す。テレビの大画面を利用して、ネットやアプリを楽しんだりできるのがウリで、大画面でネット放送を楽しみたい層にも受けている。このようにテレビ番組を楽しむだけでなく、ブラウザ機能やアプリ機能が加わったことで、より多機能になっている昨今のテレビだが、イマドキのテレビ選びで押さえておくべきポイントは何なのか？

「テレビを買い替える際は、とにかくサイズアップしてほしいですね。テレビの最大のエンターテインメントは何と言っても大画面です」とは、スマートテレビのトレンド・リーダーであるLGの土屋和洋氏。最近のテレビは、従来と同じスペースでもテレビの縁の部分が狭いので（狭額縁設計）、より大画面が可能になっているのだ。

「加えて、スマートテレビのように、たくさんのコンテンツを搭載したテレビの場合、ストレスなくリラックスして操作できるかも大事です。番組を見るにしろ、ネットやアプリを楽しむにしろ、簡単にいろいろなエンターテインメントを楽しめるようでなければ、その魅力は半減します」（土屋氏）

　機能が増えたスマートテレビで特徴的なのがリモコン。例えばLGの「マジックリモコン」は、従来のボタンがたくさん配置されたテレビのリモコンとは異なり、まるでWiiリモコンのように上下左右に感覚的に振ることで、テレビ画面のポインターを動かし操作できるというもの。実際に試してみたが、このマジックリモコンは操作感が抜群。単にチャンネル操作をするだけであれば、ボタンが並んだリモコンでも何ら不満はないのだろうが、パソコンやタブレット端末のように画面をスクロールしたり、アプリを操作したりするなど、多機能になったスマートテレビでは、リモコンの操作性はこれまで以上に重要になってくるのだ。

　それを裏付ける、こんなデータがある。調査マーケティング会社イードが行った「スマートテレビに関する利用体験調査」（20代～50代以上の男女240名がパナソニック、ソニー、シャープ、LGのスマートテレビを体験）でも、スマートテレビを体験した人の94.6％が、映像の美しさよりもリモコンの操作性を重視している。ちなみに同調査では、4社の中でLGのスマートテレビがもっとも評価が高く、総合評価では「全体的に満足」と回答した人が67.6％（4社中1位）、購入意向について「購入したい」と回答した人が64.6％（4社中1位）だった。

⇒「スマートテレビに関する利用体験調査」
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=327331

◆2020年頃、スーパーハイビジョン放送スタート!?

「もちろん、フルHDでテレビ自体の映像の美しさの追求が止まっているわけではありません。4Kテレビ（フルHDの4倍の高画質を追求したテレビ）や8Kテレビ（4Kテレビの4倍、フルHDの16倍の高画質を追求したテレビ）なども登場しています。8Kはスーパーハイビジョンとも呼ばれ、日本ではNHKが2020年頃を目途に試験放送を予定しているようです」（土屋氏）

　各社、独自技術でフルHDを4Kや8Kに高精細・高画質化しているが、実際のところ放送や動画のソースで、こうした高精細・高画質な映像配信が本格化するのはまだ先のことのようだ。そう考えると、イマドキのテレビは画質を気にせず、大きくて、多機能で、リモコンの操作が容易かどうかを基準に選ぶのが、賢いというわけだ。　＜取材・文／日刊SPA！取材班　撮影／山田耕司（本誌）＞