東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 11月19日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

「原発報道」中学生が討論 本紙記者 東大和でNIE講演

講演する山川剛史記者=東大和市で

写真

 新聞を教育現場で活用する取り組み(NIE)として、多摩地域で小中・高校生向けの学習塾を展開する「ING(アイ・エヌ・ジー)進学教室」(本部・青梅市、岡田弘行代表)は十八日、東大和市向原の東大和教室で、東京新聞原発取材班デスクの山川剛史記者の講演会を開いた。中学一、二年生約五十人が参加した。 (阿部博行)

 東京電力福島第一原発事故で高まる原発存廃論をめぐり、山川記者は新聞やテレビで報じられる情報を示し、受け取る情報の違いで物の見方がどう変わるか、グループ討論を通じて生徒らに考えてもらった。

 初めに「原発なしでは電気が足りない」「原発は二酸化炭素を排出せずエコ」など流布されている原発推進色の強い情報を紹介。

 生徒らは八つのグループに分かれて話し合い、各代表が発表した。原発必要論は三、不要論が二、中間的な意見は三だった。

 その後、放射能汚染で耕作できなくなった福島県の田畑の現状写真や「原発ゼロでも夏を乗り切れた」という実際の情報を示し、再度討論して発表してもらった。

 必要論や中間的な意見だった四グループは「原発なしでやっていけるなら不要。頑張って再生エネルギーなど代わりの発電を考える」「原発がなくなると原発のある地域が苦しいかと思ったけど、事故があると大変。新しい発電方法を見つける」−と不要論に変わった。最終的に不要論は六、必要論、中間は各一となった。

 東大和教室の大森崇教室長によると、講演後の生徒のアンケートで「原発に興味を持った」「違う人の意見を聞けて楽しかった」「一つの記事でも、どこに重点を置くかで内容が変わることが分かった」−などの感想が寄せられた。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo