憂楽帳:上がるのみ
毎日新聞 2012年11月28日 13時44分(最終更新 11月28日 13時48分)
福島市の社会人サッカーチーム「福島ユナイテッドFC」が28日、悲願のJFL(日本フットボールリーグ)昇格をかけた全国地域サッカーリーグ決勝大会決勝ラウンドに向け、長崎市へ出発した。2位までが自動昇格。時崎悠(ときさき・ゆう)監督(33)は言う。「手塚さん=聡(さとし)前監督=が負けるリスクを負わないサッカーのベースを築いてくれた。自分たちのスタイルで戦えば結果は出せる」
「手塚監督、時崎コーチ」体制だった過去2年。一昨年は財源不足による緊急事態宣言を出し、昨年は東京電力福島第1原発の事故が起きた。選手7人が退団し、リーグ戦のホームゲームは県内では1試合だけ。今季も5、6人から入団を断られ、秋は近場のグラウンド除染で使えなかった。だが、逆境がチームを強くしたようだ。11人が加入し、天皇杯でもJ2、J1のチームを破り来月の4回戦を控える。
「手塚さんとの2年間を無駄にしたくない」と語る時崎監督は言い切った。「上がれなかった後のことは考えない」。あるのは昇格で福島が盛り上がるイメージのみだ。【本橋由紀】