[ストーリー]
静かに、緩やかにそれは近づいていた。
やがて来る終わりが見えていた。
僕たちは決断をする。
終わりの、その先に行くために。
Team Eye maskは、一次創作を目的としたプロジェクトユニットです。 現在はHybrid Mini-novel Seriesを中心に活動をしています。
シナリオ担当のam0です。毎度おなじみ?のおまけテキストであります。
アイも変わらず自分のせいでタイトなスケジュールに相成りましたことをまずは皆様に陳謝をいたします。
さて今作での新たな挑戦は、なんと今回自分が原作担当で無いという。
オリジナルのプロットを元に膨らませて文章にしていくという新たなスタイルに挑戦した次第であります。
これがまぁ、紆余曲折毀誉褒貶七転八倒(意味不明)でした。
ところでこの「テーマ的なもの」がなかなか見えてこなかったこともあって本当にこの文章を書いていいのか?
それが紆余曲折と言うか、傍から見ると端にグダグダしているようにしか見えなかったでしょう。
で、デッドラインが見えてきた頃になって吹っ切って書けるだけ書こうと決めたわけです。
それが功を奏したのか、書いていくうちに最後の最後になって何かカタチみたいなものが見えまして、
物語のピースがひとつだけカチリとはまった感があってからはとんとん拍子だったかなぁ。
とはいえ正直な話をすると「ヒロインを撃つ」と言う行為に散々悩みました。
プロットには完全に明記されている以上そこは回避できないのですが、
そもそも例え救われないとしても生きていてくれればそれでいいのではないか?とか
あんだけ付き合ってたのに結局撃っちゃうのか、ってなるんじゃないかとか。
clubから不治の病の患者に対しての安楽死の話とかをされて、何となく頷いてはみたもののやはり書いてみると凄い抵抗感があったのも事実でして。
最終的に欺瞞というキーワードに乗せて、嘘だらけだった現実を否定する立場の彼らだからこそ選ぶべき選択肢と言うカタチでの決着の付け方になりました。
これがアンドロイドという古き関係性との決別の象徴にもなっています。
作中での隠喩や比喩を自分で語ってしまうのがどうなのかと言う気もするのですが、読者の皆様に伝わってくれることが一番だと思いますので。
四苦八苦させられたテーマですが、結局元のプロットにあった「ジーンとミーム」の単語を中心に、「欺瞞」「種の終焉と発展」「楽園と煉獄」という三軸で展開してきました。
遺した文化を引き継ぐ者としてヒトを生み出されたアンドロイドたち。
ヒトを模し、ヒトとして在り、ヒトとして振舞う。
欺瞞だらけでありながら、それが望まれて生まれた存在。
そんな事実が僅かに生き残るヒトに知られることの無いままに粛々と行われ、それが日常となっている世界。
それは見た目上の楽園でありながら、真実はヒトにとっての煉獄にも似ている。
ところがアンドロイドたちはヒトの文化だけではなくヒトの性をも受け継いでいるがゆえに、更なる発展を目指そうと母星への帰還を試みようとする。
自らをヒトと信じるアンドロイドたちによって本物のヒトは切り捨てられる。
そんな疑心暗鬼に駆られた主人公たちのせいで悲劇は起きる。
一人残された主人公は、空を目指す。
社会とは関係性の一種です。
ときに誰かとの関係が終わるとしてもそれは他の新しい関係性の始まりを意味していて、無意味に悲観する必要は多分そんなにない、ということ。
そして物事はアンドロイドにとっての楽園もそれが見えないヒトにとっては単なる廃墟同然であるように見方によって天国にも地獄にもなりうるということ。
逆に言えば見方を変えられるならどんな地獄も天国に成りうるということが伝わればいいな、と。
あと、タイトルのAURELIAですがググると出てくるのがジュリアス・シーザーの母の名前なのですが特にこれにちなんだというわけではなくAURORA(オーロラ)に近い語感ということで勝手に選んだだけでした。
で、オーロラを天の冠、すなわち天冠(本当の天冠は天女のつける冠ですが)と称してそれを頂くのは一体誰なのか?という問いからタイトルになっています。
では最後になりますが、これまた恒例のボーカル曲の歌詞をおいておきます。
例によって声を入れたバージョンでは少々異なる事も多々ありますのでその点、ご留意いただきたく。
英語苦手なんで本当に適当な英歌詞で申し訳ない……と毎回思うのですけれども。