1992年12月3日、イギリスはバークシャーのニューベリーのプログラマーが友達に新しいテクノロジーを利用した最初のメッセージを送った。そのテクノロジーはShort Messaging Service (SMS)と呼ばれた。プログラマーのNeil PapworthはSema Groupのテスト・エンジニアで、彼のパソコンからRichard JarvisというVodafoneの社員に送られたメッセージは「メリー・クリスマス」だった。Vodafoneはもともと、このツールを社内のインフォーマルな連絡用に使うつもりだったという。
しかし、結果はその想定を裏切った。最初のメッセージが送られてからSMSが本格的に離陸するまで7年ほどかかったが現在、毎年8兆ものメッセージが送信されてりう。18歳から25歳までの若者たちは毎週133通のメッセージを送信しているそうだ。
GuardianはSMSの歴史を振り返る長い特集を組んでいる。シンプルだがたいへんな役割りを果たしてきたこのサービスに敬意を表することにしよう。SMSが特にヨーロッパで普及したのにはいろいろな理由がある。デジタル化によって長距離通話の料金が低下する前は、どこか遠くに旅行したときなど、家の電話を1回だけ鳴らして、無事に目的地に着いたことを家族に知らせるテクニックがよく用いられていた。これがまずSMSのテキスト・メッセージに取って代わった。
この当時普及していたポケベルは当初数字しか表示できなかった。そこで数字でさまざまなことがらを表現する使う特有の語法が発達し、これがSMSにも取り入れられ、07734(上下逆向きから見るとHELLOに見える)などと友達に送るのが流行った。やがて1999年に双方向でSMS通信ができ、特有の丸いキーボードを備えたBlackBerryデバイスが登場した。SMSは友達同士だけでなくビジネス・パーソンにも好まれる通信手段になった。
われわれ世代の気難し屋は「テキスト・メッセージが正しい英単語の書き方を破壊した(txtspeak hz destryd th writun wurd=Textspeakhas destroyed the written word.)」と文句を言う。しかし綴りのオートコレクトとビデオチャットの普及でその心配はもうあまりないだろうと思う。いずれにしても愛している人からI luv u ;xとか、友達から80085〔BOOBS=おっぱい〕とかいうテキストをもらうとやはりうれしくなるものだ。
[画像: Andresr/Shutterstock]
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)