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政治
【主張】衆院選公示 国家再生、どの党に託す 「尖閣危機」克服策聞きたい
きょう公示される第46回衆院選は、国難というべき内外の危機を克服できる指導者や政党を見極めるきわめて重要な選択となる。
3年余にわたる民主党政権が日米関係を悪化させ、デフレを脱却できず、政策停滞をもたらした原因をまずもって考えたい。聞こえの良い公約を安易に信じてはなるまい。具体的かつ実効性ある政策かどうかを問うべきだ。
日本の立て直しは尖閣諸島を守れるかどうかに帰結しよう。実効統治を強化することなく現状のまま放置することは、中国の攻勢に屈することを意味しないか。
≪安易な脱原発に注意を≫
「原発ゼロ」の実施時期を性急に問う意見が少なくないが、尖閣の危機をいかに克服するかの議論こそが今、求められている。
統治強化策については、自民党の安倍晋三総裁や日本維新の会の石原慎太郎代表が公務員常駐や漁船が避難する船だまりの建設などを主張している。
これは、中国が1992年に領海法で尖閣諸島を自国領と明記し、政府公船による領海侵犯などを繰り返してきたことを踏まえた認識に基づく。なにもしないという事なかれ外交では尖閣の危うさが増すばかりだ。
一方、野田佳彦首相は新たな方策は示していない。統治強化策で「日中関係にどういう影響をもたらすか」ということにのみ関心を示し、中国に対応を任せているともいえる。
尖閣をめぐる危機は、国の根本法規である憲法に領土保全規定がないことにも大きな原因がある。憲法は自衛隊を正式に軍と認めず、戦争放棄や戦力不保持、交戦権の否認を打ち出した第9条によって自衛権の行使は極めて抑制的なものとされてきた。
自民党が掲げた憲法改正草案は、これらの課題に答える形で独立国としてなすべきことを盛り込んでいる。だが、野田首相はこうした本質的問題に向き合わず、「国防軍」の文言をとらえて「大陸間弾道ミサイルを飛ばすような組織にするのか」と語る。軍拡や戦争につながるような印象付けを図っているのは極めて残念だ。
野田首相は安倍氏らの主張を「排外主義」と評したが、結果は尖閣周辺での中国政府公船による領海侵入などの常態化だ。尖閣を守るうえでいずれの主張が理にかなっているかは明白だ。
国家の将来を左右する原発・エネルギー政策では、民主党が「2030年代の原発稼働ゼロ」を打ち出し、他の多くの政党も脱原発をうたっている。
だが、エネルギー小国の日本が原発を完全に手放すのは非現実的だ。「脱原発」ムードに流されて国力を低下させてはなるまい。
≪甘い公約惑わされるな≫
野田首相は、党首らの発言にブレがみられる維新の会や日本未来の党の原発政策について「訳が分からない」と批判している。だが、原発に代わる再生可能エネルギー整備の道筋を明確に描けないまま原発ゼロを目指している自らの無責任さは拭えていない。
安全性を確保しつつ、社会・経済活動を維持する電力供給には原発再稼働が欠かせない。その判断を責任をもって行える政党を見抜かなければならない。
厳しく見つめなければならない大きな課題はマニフェスト(政権公約)の真贋(しんがん)だ。民主党は前回衆院選で、無駄の削減で16・8兆円の財源をつくるとし、子ども手当など多くのばらまき政策を並べたものの、財源を確保できず多くの政策が変更を余儀なくされた。
急速な高齢化により、痛みを伴う政策を示すことは政権を担う政党ならば当然の責務だ。
民主、自民両党ともに社会保障制度の拡充策は強調しているが、高齢者などの反発を恐れ、医療費の負担増などの議論を避けている。これは問題だ。膨張する社会保障費用の抑制策を具体的に論じてほしい。
自民党は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加問題で「聖域なき関税撤廃が前提条件なら反対」との姿勢を崩していない。安倍氏は「国益が守られれば交渉していくのは当然だ」とも語っているが、参加について明確な態度表明が求められよう。
16日の投票まで、有権者は国家再生を成し遂げられる担い手を徹底的に吟味する必要がある。各党は論戦を通じ、その判断材料を示さなければならない。
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