”はたき込み”で負け‥一転、3大学認可へ。
”はたき込み”で負け‥一転、3大学認可へ。
まきこしゃん、相撲でいうところの一歩も譲らない互角の突っ張り合いまでは良かったけれど、土俵下(防衛オタクの石破等)からの突き上げもあり最後の勝負どころではなんと、バタっと土俵に手をついて、”はたき込み”で負けちゃいました(官僚のシナリオ通り=八百長相撲ということですかね)。
ん~、で、まきこしゃん、「一議員ではどうにもならないわねぇ~」「これで3大学にはいい宣伝になったんじゃないの、4、5年は大丈夫‥ね」のコメントを残して、そのお顔にはくやしさが滲んでおりました。
一方、大学側の代表者が発したコメントは「この勝負に勝った‥」でした。ま、勝った、負けたじゃないだろうと思ったりもしていますが‥。せめて、もう少し気の利いたコメントでも発したのなら納得ですが、ま、ま、庶民の血税のお世話にならないよう、とりあえず頑張って学校運営(経営)して欲しいものです。加えて、ニッポンの発展に寄与する人物の育成をお願いしますねぇ。くれぐれも、ニートや就職浪人出さないように願いますよぉ~。
以下、転載 ↓
[追加始まり]
■大学を出ても大卒の能力があるわけでもなく、名前だけの大卒者を企業は採用しない。問題なのはトップレベルの大学生の質の低下
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/190.html
投稿者 TORA 日時 2012 年 11 月 08 日 14:13:34: GZSz.C7aK2zXo
大学を出ても大卒の能力があるわけでもなく、名前だけの大卒者を企業は
採用しない。問題なのはトップレベルの大学生の質の低下であり使えない。
2012年11月8日 木曜日
◆「真紀子爆弾」が突きつけた大学倒産時代の現実 政治家を「まつり上げる」官僚機構が元凶だ 11月8日 池田信夫
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36502
田中真紀子文部科学相が3つの大学の新設を認可しなかった事件は、結果的には彼女が処分を白紙撤回して決着したようだ。大臣の唐突な行動は関係者を混乱させたが、その問題提起は重い。
「戦後たくさんの大学が創られてきたが、大学教育の質が低下している。それが就職できない理由の1つになっている」という彼女の指摘に胸を張って反論できる大学関係者はいないだろう。
学生が減るのに増え続ける大学
日本の4年制大学は現在783校。1992年には523校だったが、90年代は「団塊ジュニア」の増加で学生数が増え続けた。学生数は2000年代には減少に転じたが、小泉内閣のとき大学の設置基準を緩和したため、図1のように大学は増え続けた。
このため最近は大学の定員と学生数がほとんど同じになり、今春の入学試験では私立大学の46%が定員割れになった。大学を選ばなければ、ほぼ全員が入学できる「大学全入時代」である。
このように大学生の量が増えると同時に、質は低下した。当コラムでも指摘したように、2割以上が卒業しても就職も進学もできない「無業者」になる。若年失業率が高いことがよく問題になるが、求人倍率は1を超えており、中小企業の求人倍率は4倍以上だ。
大学生は増えたが、ホワイトカラーの需要はIT化で減っている。多くの大学生には高卒の職場しかないが、学生が中小企業をいやがるため、ミスマッチが起きているのだ。
こういう状況で大学を増やし続けると、経営の破綻する大学が出てくる。群馬県高崎市の創造学園大学は経営が悪化し、文科省は2013年3月までに解散命令を出す方針だ。多くの大学で合併も進んでおり、これから「大学倒産時代」がやってくることは間違いない。
官僚がすべて決めて審議会も政治家も追認するだけ
関係者が驚いたのは、2013年4月に開校する大学の許可を半年前になって取り消す乱暴なやり方だが、これ自体は違法ではない。
大学設置審議会は、文科相の諮問に対して答申するだけで、最終判断するのは大臣である。田中氏が最初「法にのっとって判断した」と主張し、事務方もそれを容認したのはこのためだろう。
しかし今まで大学設置審の答申をくつがえして認可されなかった前例はなく、各大学は準備を終え、受験生への説明会を行う予定だった。このため「ちゃぶ台返しだ」と大騒ぎになったわけだ。
しかし、この手続きはおかしい。文科省の 提出書類の作成の手引きによれば、図2のように大学を開設する場合はその前年の3月末に文科省に「申請」し、それを審査して10月末に認可することになっているが、新設大学の建物を半年で建てることはできないので、このスケジュールは不自然である。
実際には、大学は2年ぐらい前から文科省に根回しし、内定をもらって教員を募集する。3月末に申請する段階では、すべての教員の名簿が揃っていなければならないが、公募できないので縁故採用するしかない。
このとき文科省は、教授や事務総長などに天下りの就任を要請する。それを承諾すると申請が受理されるので、大学は準備作業を開始する。大学を生かすも殺すも官僚の裁量ひとつなので、大学側は戦々恐々だ。
大学設置審は官僚の決定を追認するだけなので、大臣は答申が出た段階では認めるしかない。実質的な決定権は官僚にあり、審議会も大臣も形だけなのだ。これが霞が関の典型的な手続きであり、これでは「政治主導」なんてできるはずもない。
政治の転換を阻む「まつりごと」の構造
このように最高責任者に実質的な決定権を与えない政治システムを、政治学者の丸山眞男はまつりごとの構造と呼んだ。やまとことばで政治を「まつりごと」と呼ぶのは、古代に祭政一致だったからではなく、天皇を「まつり上げる」ことから来ている。
この場合の政治(まつりごと)の主語は摂政・関白や征夷大将軍などの臣下であり、天皇は彼らの決めたことを追認するだけの「みこし」のような存在である。さらに臣下の意思決定もその部下(家司や執権など)に委任される入れ子構造になっている。
このような形式的な最高責任者と実質的な決定者の二重構造は、官庁だけではなく企業にも遍在している。経営者の仕事は現場の決めたことを承認して対外的な交渉を行うことだから、組織のバランスをとる調整型の人が出世し、田中氏のような人は通常はトップにはならない。
この方式は日常業務を既定方針どおり続けるときはいいのだが、トップが現場の積み上げた既成事実を拒否できないので、危機に直面したとき方向転換できない。かつて日本が勝てないと分かっている戦争に突っ込んだ原因も、この無責任の体系にあったと丸山は指摘している。
今回の騒動は、政治の転換を阻む「まつりごと」の構造を鮮やかに見せ、政治家が官僚に振り回される実態を白日のもとにさらした。こういう欠陥を残したまま「政治主導」などというスローガンを掲げても、何もできるはずがない。
大学は明らかに供給過剰なのだから、政府が補助して供給を促進する政策はやめるべきだ。今年度は国立大学法人に1兆1600億円の運営交付金、私立大学には3200億円の私学助成が出ているが、大学は「レジャーランド」になっており、企業は大学教育には何も期待していない。
日本の大学のほとんど唯一の役割は、学歴によって学生を振り分けるシグナリングであり、社会的には浪費だというのが多くの調査結果の示すところだ。また大学の私的収益率は高いので政府が補助する必要はなく、貧しい学生には奨学金を出して返済させるべきだ。
もちろん、これには官僚も大学関係者も反対するだろう。それを押し切って大学を減らそうという田中氏の着眼はいい。今回は拙速すぎたが、これぐらいの爆弾を落とさないと、政治家も役所も目が覚めない。
日本の未来を担うべき大学教育の劣化は深刻である。これを機に大学設置審の手続きと人選を見直し、トップダウンで大学を見直すべきだ。
(私のコメント)
田中真紀子文部大臣の大学新設不許可の問題は、結局は許可されるようですが、学生数が減っているにも拘らず大学の数は増え続けている。おかげで大学全入時代となり、希望すれば誰もが大学に進学できるようになりました。大学生になれたおかげで一生懸命勉強して能力の高い大学生が生まれればいいのですが、実際には逆であり、バイト生活に明け暮れる学生が多い。
社会が求めている大学生と、実際の大学生の教育内容には問題があるようですが、特に文科系の学部に問題があるようだ。受験戦争とか詰め込み教育だとか言う批判は昔の話であり、今では早稲田や慶応といった大学でもAO入試の割合が多くなり、受験勉強しなくても入学が出来る。しかし受験勉強せずにいつ学力を身に付けるのだろうか?
新卒者の就職難も新卒大学生の能力に問題があるからだろう。特に問題なのはトップクラスの大学生の質の低下であり、東大からノーベル賞学者が一人しか出ていない。社会科学系の分野では日本は一人もまだ受賞者がいない。一般的に言われている事でも、企業に東大出が増えるとその会社の業績が落ちると言われるのはなぜなのだろうか?
東京電力でも歴代の社長は東大出が多く、エリートが集まる会社ですが福島第一原発事故は東大教育のシステムに問題があったからでは無いだろうか? 東大のエネルギー工学の教授はどれだけ原子力発電所の仕組みを知っていたのだろうか? テレビに出て解説していた東大教授は最近は見かけませんが、水素爆発の危険性を一言も言わなかった。
池田氏が指摘しているように、大学の数が1992年は500校足らずから現在では800校近くに大学が増えた。それだけ大学教授も大学関係者も増えてきたわけであり、官僚の多くがそこに天下っている。いったん大学教授になれば碌に、研究論文を発表しなくても定年まで安泰であり高給が保証されるからこれほどいい職業は無いだろう。だから大学の数は学生の数に関わらず増え続ける。
田中真紀子文部大臣の投じた問題は、池田氏が言う様に法律上は何の問題も無い。しかし実情は大臣には権限が無く審議会の決定が文部省の決定になってしまう。他の省庁も同じなのでしょうが形ばかりの審議会が決定すると大臣がハンコを押して決まってしまう。審議会のメンバーの選定は官僚が行うから実質的には官僚がすべてを決めてしまう。だから原発災害にも原発関連の委員会は機能しなかった。
経済産業省の原子力保安院も東大出の技官が仕切っていたのでしょうが、彼らは現場の事が分からない。日本のエリートは現場を知らず責任も取らない事が特色であり、経済官僚も経済の現場の事が分からない。経済が停滞して税収が落ち込んでいるにも拘らず財務省官僚も日銀官僚も東大出のエリートがどうしていいかわからず増税だけしている。
池田信夫氏自身も大学教授であり、大学の当事者の一人でもあるから大学教育の現状も分かっているのでしょう。大学教授になりたければ官僚に口を聞いてもらえれば何処かの大学教授になりやすい。最近では落選した国会議員の先生が客員教授とかなれるようですが、最近ではタレントなども学生を集める為の手段として客員教授とか学長とかになっている。
大学にしてみれば、学費を払ってくれる学生が確保できればいいわけであり、どうせならAKB48のメンバーを客員教授に迎えれば男子学生が集まるだろう。お笑いタレントだって大学教授になれるのであり、大学教授には教員国家資格免許がいらない。大学がレジャーランドと言われるようになって久しくなりましたが、大学は官僚の天下り法人が出来るのとよく似ている。官僚にとっては天下り法人はこの世の天国だ。
田中真紀子大臣がやった事は極めて民主党のマニフェストに忠実であり、正しい事だ。大学生が300万人で頭打ちなのに大学が500から800に増えてしまっては赤字の大学が多くなり、幾ら補助金を配っても足らないだろう。しかし特殊法人が潰せないようにFランク大学も潰せない。昔は女子大生亡国論がありましたが、女子大生が就職して5,6年働いたら30歳になってしまって婚期が遅れて少子化の原因になるだけだ。
本来は大学は学者を養成する機関であり、今ではサラリーマン養成所になっていますが、会社経営者になるには大学を出ていたら手遅れになるだろう。ビルゲイツもスティーブジョブスも大学を中退しており、20代半ばまで大学にいたら何をするにしても手遅れになることが多い。芸能人にしてもスポーツ選手にしても10代で頭角を現していなければ一流に離れない。ビジネスでも同じだろう。
[追加終わり]■3大学新設、一転認可 田中文科相表明
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121107/edc12110717190012-n1.htm
2012.11.7 17:19
田中真紀子文部科学相が秋田公立美術大(秋田市)など3大学の新設を不認可と判断した問題で、田中文科相は7日、衆院文部科学委員会で「現行制度にのっとり適切に対応する」と述べ、一転して新設を認可する考えを表明した。3校側の強い反発のほか、身内の民主党内からも反対論が強まったことから判断を覆した。文科省は近く正式に通知する。これにより3大学の来春開学が決まった。
不認可判断は3校側や受験生に加え、文科行政にも大きな混乱を招いており、野党側は田中文科相の罷免を含めた政治責任を厳しく追及していくとみられる。
ほかの2校は、札幌保健医療大(札幌市)と岡崎女子大(愛知県岡崎市)。
委員会後、田中文科相は記者団に「3校を認可する。大学設置のあり方の見直しはかなりの方が賛成していると分かった。これが私が知りたかったことだ」と翻意の理由を語った。
田中文科相は委員会で、3大学について「不認可処分は行っておらず新基準をつくり判断する」と強調。しかし野党側が「法治国家ではない手法」などと即時撤回を求め、民主党内でも「基準を満たしている」「一刻も早く認可すべきだ」と反対論が強まった。
3校の理事長らは同日、与野党に陳情した後、文科省を訪問。対応した笠浩史文科副大臣に「1日でも1時間でも早く結論を得たい」などと訴え、今週内の正式認可を求めた。
田中文科相は2日、大学の設置認可手続きを厳格化する考えを表明。「見直しを先送りにしたままの新設は認められない」として3大学を不認可とした。
しかし公私立大の設置を審査する大学設置・学校法人審議会は認可答申したため、既に校舎の整備や学生募集の準備を進めていた大学側は法的措置の検討を表明するなど反発していた。
■田中文科相「3大学はいい宣伝になった」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121107/plc12110722030014-n1.htm
2012.11.7 22:02
「今回(の騒動が)逆にいい宣伝になって4、5年間はブームになるかもしれない」
田中真紀子文部科学相は7日、不認可としながら一転して新設を認めた秋田公立美術大(秋田市)など3大学について、首相官邸でこう語った。不適切な発言との批判が出そうだ。
3大学への認可通知は「事務的に(行う)」とし、突然の不認可判断に始まる今回の混乱について自ら大学側に説明するかは明らかにしなかった。
いったんは不認可とした判断については「私には日本の教育のあるべき姿についてイメージがあり、文科相を拝命して(役所の)中からだったらブレークスルー(突破口)をつくれると思った」と説明した。
さらに「(大学の)経営者が代わって、借金ができたりしないように応援しないといけない」とも指摘した。
■自民、田中文科相の罷免を要求 与党「学ぶ権利を脅かす」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121107/stt12110722140008-n1.htm
2012.11.7 22:14 (1/2ページ)
田中真紀子文部科学相が秋田公立美術大(秋田市)など3大学の新設を一旦不認可とした問題で、自民党の石破茂幹事長は7日、田中氏の罷免を要求した。田中氏はこの日、与党からも批判を浴びた。だが官邸サイドは混乱が拡大してもほおかぶりを続け、機能不全ぶりを露呈した。この問題は田中慶秋前法相の辞任などで弱体化している野田政権にとって一段の打撃となるのは確実だ。
「田中氏は石原慎太郎前東京都知事を『暴走老人』と言ったが、今は『暴走大臣』だ!」
7日の衆院文科委員会で自民党の下村博文元官房副長官は田中氏をこうこき下ろした。田中氏は「3校も世間も誤解している。現時点では不認可処分は行っていない」と釈明した。
下村氏が「ごまかしてもダメ。公の場で平気でウソをつくことは考えられない」と批判すると、田中氏は「事務方が真意をくみ取れずに、記者に対して不認可の処分を行うとの説明をした」と責任を押し付けるありようだった。
民主党の輿石東幹事長は6日、田中氏と会談し「3大学側が現行制度で認可に向け手続きを進めてきたことをとらえてほしい」と丁寧な対応を要請していた。にもかかわらず自らの正当性を繰り返す田中氏。
7日の民主党文科部門会議では鈴木寛座長が「子供や若者の学ぶ権利を脅かしている懸念を抱いている」などと、与党としては異例の身内批判を展開した。
事態の悪化に対し、官邸サイドの動きは鈍かった。というのも、野田佳彦首相や藤村修官房長官は1日に田中氏から不認可の事前報告を受けていたからだ。田中氏は6日の記者会見で、首相からの「そのまま進めてください」、藤村氏からの「大変結構なことだ」との発言を“暴露”した。
藤村氏は7日の会見で「権限はあくまでも大臣にあるといつも言っている」といらだちを隠せず、1日の田中氏とのやりとりについては「大きな話はしたが、中身は細かく言わない」と語るだけだった。
あまりの混乱ぶりに官邸サイドは7日、重い腰を上げ、田中氏に認可を指示した。特例公債法案など重要法案をめぐる駆け引きが激しさを増す中、これ以上、野党に攻撃材料を与えたくないためだが、これで自民党が納得するはずはない。
石破幹事長は田中氏が一転して新設を認可する考えを表明した後、記者団に対し、「これ以上閣僚を続けることがあってはならない。(首相は)罷免すべきだ。任命した首相の責任も当然厳しく問われる。『認可したからいい』とは絶対ならない」と強調した。
■真紀子大臣 早くも大学不認可撤回 文科官僚の利権を肥やすだけなのに
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-7328.html
2012/11/6 日刊ゲンダイ:「日々担々」
◆20年間で260校乱造
田中真紀子文科相が、来春開校予定の3大学を「不認可」とした騒動の余波が広がっている。
3大学が撤回を求めて7日に直訴するのを待たずに、真紀子大臣は6日の会見で、「条件によっては開校も可能」などと、これまでの「不認可」の方針を事実上撤回することを示唆する発言をした。
真紀子大臣の“ちゃぶ台返し”に世間は仰天したが、悪者は真紀子だけなのか?
大学新設は文科省の巨大利権で、官僚は甘い汁を吸ってきた。そのせいで大学が粗製乱造されてきた歴史がある。
中でも、文科省のベラボーな利権になっているのが新設校の教員人事権だという。ある大学関係者がこう明かす。
「大学を新設する際には、文科相の諮問機関『大学設置・学校法人審議会』で教員組織審査が行われます。新設校が用意した教員名簿に“お墨付き”を与えるわけですが、実際のところ、教員の人選には文科官僚が大きくかかわっているケースがほとんどです。地方の新設校には、いきなり大量の教員を確保するルートがないため、文科省の協力を仰がざるを得ない。官僚が有名大の大物教授などに接触して、教官を仲介・斡旋してもらいながら、教員リストを作っていくのです」
必然的に、教員リストは、この教授の大学関係者や教官を中心に人選される。文科省も「ここには学部長経験者を付けましょう」などと口を出す。地方の新設大学が事実上、大都市の有名大の系列校になっていくのはこのためだ。
「教員を人選した教授のフトコロには、関係先から“お礼”が入りますが、文科省は新設校だけでなく、教員を斡旋した側の大学にも恩を着せられる。どの大学を中心として新たな学校をつくるかもまた、文科省の権益なのです。結果として、文科省には大学の事務局長の天下りポストなど、さまざまな見返りがあるといわれています」(前出の関係者)
一説には、教員人事だけで数千万円のカネが動くこともザラだという。さらに校舎建設のほか、机や教材といった教育インフラの導入で巨大利権も生じる。この20年間で、大学は523校から783校に260校も増えている。文科官僚はどんなウマミを享受してきたのか。今回の騒動で文科省の官僚だけがシレッとしているのは、スジが通らないのだ。
■真紀子騒動と大学認可の件 日本の大学制度自体が欧米の基準から見ればデタラメである
http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/348.html
2012 年 11 月 06 日 一国民より
> 認可方法が諮問機関を通ればすべてが認可されると言うこと自体がおかしい。
その通り。
「大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則」には次のように書かれている[註]、すなわち
(認可の手続)
第十条
文部科学大臣は、・・申請があった場合には、開設年度、学部等開設年度、研究科等開設年度、学科開設年度、・・の前年度の三月三十一日までに当該申請に係る認可をするかどうかを決定し、当該申請をした者に対しその旨を速やかに通知するものとする。
つまり、大学の設置等の認可は文部科学大臣が行うものであり、大学設置審議会(大学設置・学校法人審議会)が行うとはどこにも書かれていない。
それ故、大学設置審議会が認めたから設置できると主張することは、違法行為を認めよと主張するに等しい。
大学設置・学校法人審議会のメンバーは下記のサイト
大学設置・学校法人審議会
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E8%A8%AD%E7%BD%AE%E3%83%BB%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%B3%95%E4%BA%BA%E5%AF%A9%E8%AD%B0%E4%BC%9A
‥にあるが、日本の主要な大学関係者は1名も居らず、名もない中小大学関係者が大多数である。このようなメンバーばかりだから、金儲けのための偏差値が40以下のゴミのような大学が作られ続けられるのだろう。
イギリス、フランス、ドイツ等欧米諸国では、公的な大学入試資格試験があり、それに合格できない者は大学に入学できない。
それに反し、そのような学力の基準無しに大学へ入学できる制度自体が、世界基準からかけ離れていて、日本の大学は一部の者の金儲けの手段になっている。
大学制度の抜本的な見直しが必要である。
[註] 大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/strsearch.cgi
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第八十八条の規定に基づき、大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則を次のように定める。
(認可の手続)
第十条
文部科学大臣は、第二条第一項及び第六項、第三条第一項(第四条及び第五条において準用する場合を含む。)及び第六項(第四条において準用する場合を含む。)、第六条第一項並びに第七条第一項及び第二項の申請があった場合には、開設年度、学部等開設年度、研究科等開設年度、学科開設年度、通信教育開設年度又は学則変更年度の前年度の三月三十一日までに当該申請に係る認可をするかどうかを決定し、当該申請をした者に対しその旨を速やかに通知するものとする。
■これでやっと田中真紀子も立派な民主党の政治家となったということだ
http://www.amakiblog.com/archives/2012/11/06/
2012年11月06日 天木直人のブログ
田中真紀子文科大臣の発言が問題になっている。
いうまでもなく3大学新設を認めないというちゃぶ台返しの事である。
どこかで聞いたような話だと思ったらあの前原国交大臣(当時)の八ッ場ダム中止発言と同じだ。
言っている事は一理あるがやり方に問題がある、などという場外の野次馬評価が出るところもそっくりだ。
見ているがいい。この問題はどんどんと大きくなり、そのうち田中大臣発言を撤回することになる。
いやその前に大臣が代って元の方針に戻ってお終いになる。
それも前原大臣の時と同じだ。
何のことはない。
これでやっと田中真紀子も立派な民主党議員となったというわけだ。
ひとつだけ違うことがある。
田中真紀子大臣は更迭して代るのではない。
田中真紀子は辞めない。
民主党政権が終わってあらたな大臣になるということである。
■求人あるも大卒20万人未就職
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121106/k10013273451000.html
11月6日 4時40分 NHK
ことしの春、大学を卒業した人のうち、36%にあたる20万人が、企業から求人が寄せられていたにもかかわらず就職していないことが分かりました。
政府は、採用意欲の強い中小企業などの情報が大企業志向の学生に伝わらない深刻な事態が続いているとして、対策を強化する方針です。
内閣府などは、若者の就職の実態を把握するため、ことしの春に大学を卒業したすべての人の卒業後の進路を、大学を通じて調査しました。
それによりますと、ことしの春に大学を卒業した人はおよそ56万人で、企業からはそれをやや上回る数の正社員の求人が寄せられていました。
しかし、実際に企業の正社員などとして就職した学生は36万人にとどまり、36%にあたる20万人は就職していないことが分かりました。
就職していない人のうち、大学院などに進学した人は8万人、アルバイトなど一時的な仕事に就いた人は2万人でした。
さらに、進学せず一時的な仕事にも就いていない人は9万人で、卒業者全体の16%に上るとしています。
今回の調査結果について、内閣府は、採用意欲の強い中小企業などの就職情報が大企業志向の強い学生に十分に伝わらず、学生と企業のニーズに深刻なミスマッチが続いているとみています。
こうした状況を重くみて、政府は、経済団体や大学などとつくる官民の協議会を6日に発足させて、対策を強化する方針です。
[関連リンク]
◇ 「プロジェクト2030 つながれない 若者たち」“働く自信がない”模索する若者たち おはよう日本 首都圏 (10月10日)
http://www.nhk.or.jp/shutoken/ohayo/report/20121010.html
◇ 「プロジェクト2030 つながれない 若者たち」就職難の裏に“変わる学生” おはよう日本 首都圏 (10月9日)
http://www.nhk.or.jp/shutoken/ohayo/report/20121009.html
■大学生の意識変化:人間関係より勉強重視 就職難を反映
http://mainichi.jp/select/news/20121023k0000m040091000c.html
2012年10月22日 毎日新聞
勉強第一で大きな買い物はせず、奨学金で学費を賄う−−。全国大学生協連がバブル崩壊後からこれまで20年間の大学生の変化を分析した。不況が続く中、まじめ化と緊縮化が進んでいるようだ。
大学生協連は1963年から、加盟大学を対象に学生生活実態調査を続けている。今回は91〜2011年の回答を研究者5人が分析した。この間大学進学率は25.5%(91年)から51%(11年)に上昇した。
大学生活の重点を「勉強第一」とする回答は、11年は27.1%で1位。91年は19.9%だった。一方「豊かな人間関係」は26%(91年)から13.4%(11年)に半減した。
収入と支出では、1カ月の仕送り額は9万450円(91年)から6万9780円(11年)に減り、家電や家具など耐久消費財支出(半年間)は6万600円(91年)から1万7000円(11年)に激減している。
日本学生支援機構の奨学金受給率は34.6%(11年)と初調査の05年から7.4ポイント増。旧文部省や同機構が実施した他の奨学金も含めた受給率調査(90年21.8%→10年50.7%)と同様、経済状況の悪化が読み取れる。
また、アルバイトで稼ぐ金額は自宅生が3万9570円(91年)から2万9500円(11年)に、下宿生が2万6550円(同)から2万1540円(同)に減った。コンビニなど時給の低いアルバイトが増えたためとみられる。
分析班座長の武内清.敬愛大特任教授(教育社会学)は「就職難を肌で感じ、失敗が許されない時代に適応しようとまじめ化が進んでいる」、小林雅之・東京大大学総合教育研究センター教授は「進学率が上がって低所得層の家庭が増え、学費負担が親から子どもにシフトしている。学生間でも格差が生まれている」と分析している。
■クローズアップ2012:「大卒」急増、求人しのぐ 4人に1人、安定職なし
http://mainichi.jp/opinion/news/20120828ddm003100091000c.html
毎日新聞 2012年08月28日 東京朝刊
文部科学省が27日発表した今年度の学校基本調査では、大学卒の4人に1人が安定した仕事に就いていないことが分かった。同省は「学生が望まぬ形で社会に出ている。改善すべき状況」とする。真面目に勉強しても「将来」が保証されない現実に、若者の苦悩は深い。「非正規」に踏み入れば「正規」への転身は容易ではなく、大学は就職活動への意識付けや離職に走らぬよう、学生啓発に懸命だ。
◇派遣三つ掛け持ちで生計−−国立卒25歳
「結婚とか出産とか全然考えられない。未来の話より今日明日の暮らし。年金払えてないし増税されるし、将来不安です」
10年に山口大人文学部を卒業した萬葉有紀さん(25)=大分県由布市出身=は今、東京都内で派遣の仕事を三つ掛け持ちする。結婚式場の配膳会社で時給1300〜1600円、単発の事務・雑務を請け負う会社で時給1000円、そして最近、デパートなどで試飲・試食カードを勧誘する時給1300円の仕事に登録した。収入は月12万〜15万円。国民年金の支払いを一時免除してもらっている。
学費の安い国立大に入り、勉強とアルバイトに明け暮れ、真面目に生きてきた。大学3年の夏、出版や印刷業界を目指し就職活動に臨んだが「国立大なら大丈夫かも」という楽観気分は消えた。
結局、就職は決まらずより良い職を求め上京したが、募集は非正規ばかり。今は仕事があるだけありがたい、一生懸命やれば理不尽に切られることはないだろうと信じている。
「ぜいたくをしたいわけじゃない。若者に働く機会をください」
◇高卒就職の仲間うらやみ−−私立卒23歳
今春、埼玉県内の私立大を卒業し、群馬県内の結婚式場で働く男性(23)は、時給850円で手取り月12万〜13万円。ずっと正社員だと思っていたが、最近給与明細に「アルバイト」と記されていることに気づいた。時々昇格をほのめかされることもあり、上司に嫌われたくなくてきちんと聞けないでいる。
就活はブライダル関連の5社しか受けず全敗。焦っていた時、友人に今の職場を紹介された。「結婚式場で働けると飛びついたが、この給料。結婚とか無理」。高卒で就職した同級生がうらやましい。「お金をかけて大学に行った意味がなかった。リーマン・ショックがなければ違ったかもしれないが」
「大卒」の持つ意味は変容した。学校基本調査によると、バブル期の90年度の大学進学率は24・6%だったが、11年度は51%。大学進学者は単純計算で10万人以上増え、大学数も507校から780校に激増した。不況や企業の厳選採用で求人は減り「大学を出れば職がある」という親世代の常識は通用しない。
法政大キャリアデザイン学部の児美川孝一郎学部長によると、就職してもリストラされたり、サービス残業や過労死ライン寸前の長時間労働が常態化している「ブラック企業」を辞め、その後非正規雇用を繰り返す人も多い。大卒でも企業が求める能力に達しない学生も少なくない。「使い捨てにされないようスキル向上を目指してほしい。労働に関わる仕組みを社会が抜本的に見直す時期だ」と児美川学部長は指摘する。【戸嶋誠司、鈴木敦子】
◇意欲アップに大学躍起
九州産業大(福岡市)のキャリア支援センターの入り口に並んだ、大小二つの模造1万円札の山。それぞれに「正社員2億3100万円」「フリーター7600万円」と掲示がある。正規・非正規雇用を生涯賃金で比較した“シューカツ教材”だ。
同センターの田中勝彦事務部長は「安定的な雇用の職に就くことを啓発するのが狙い」と説明する。九産大の就職率は約65%で全国平均よりやや高いが、危機感は強い。学校基本調査について「毎年10万人以上が安定的な雇用に就いておらず、深刻だ」と受け止めた。
就職意識の問題を指摘する声もある。東洋大就職キャリア支援部の深野弘美部長は「社会で働く意識が弱い。やりたいことが見つからない学生が多い」と話す。
個別支援に力を入れる東洋大では、非正規雇用を選ばせないために、学生の意識改革に懸命だ。雇用条件による生涯賃金の差や非正規の場合は昇進できないケースが多いことも伝える。正規採用されたものの、残業が多いとか、仕事が思ったものではなかったなどの理由で退職し、相談に訪れる卒業生も。深野部長は「もう少し粘ればと思う理由で辞めるケースもあり、繰り返さぬように指導している」という。
一方で、大学と学生が危機感を共有し、悪条件を克服しつつある大学もある。
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市にある石巻専修大。例年90%台の就職率を保ってきたが、震災直後の昨春、約80%に落ち込んだ。地元企業の採用枠が激減する中、“原則正規雇用”を貫いた。専修大(東京)を支援拠点とし、就職活動のバスツアーを行うなど首都圏での就職支援に力を入れ、学生も就職先の希望を地元から首都圏まで広げた結果、今春は90・7%まで回復した。石巻専修大は「非正規雇用には就かせないよう指導している」という。
◇
総務省の07年就業構造基本調査によると、正規からの転職先は正規が63・4%、非正規が36・6%だが、非正規からの転職先では正規が26・5%、非正規が73・5%。非正規から正規採用へのキャリアアップがいかに難しいかを示す。
就職情報大手「マイナビ」の栗田卓也HRリサーチセンター長は「正社員の方が、研修を受けたり、職務経験も豊富と判断され、一般的に転職には有利」と話す。12万8000人余りの「不安定層」の中で約2万2000人が「非正規」であることについて「大企業が契約社員を正社員枠に切り替えている中で、この人数は多い印象だ。実態の分析が必要だろう」としている。
■大学までは順調なのに働くことにつまずく “大卒無業者”になる人の共通点
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/174.html
2012 年 11 月 02 日 MR
【第126回】 2012年11月2日 池上正樹 [ジャーナリスト]
大学までは順調なのに働くことにつまずく
“大卒無業者”になる人の共通点
大学までは問題なく卒業したけれど、社会に出たとたん、人間関係や組織への適応などが上手くいかなくなり、仕事に就けずに無職になる。そんな“大卒無業者”の状況に追い込まれる人たちの存在が、顕在化するようになったという。
大卒でも就職・進学できない若者は
約8万6000人に
「全国の地域若者サポートステーション(厚労省が委託する就労支援事業:通称サポステ)に来る人たちの傾向を見ると、大卒の肩書を持った人たちは、(医療的背景があるケースを除いても)20~30%くらい。僕らの所に働くことにつまずいた大卒者が来ること自体、予想されていなかったと思うんですね」
そう説明するのは、10月31日に『大卒だって無職になる “はたらく”につまずく若者たち』(エンターブレイン)を上梓した、若者の就労支援団体『NPO法人「育て上げ」ネット』(東京都立川市)の工藤啓理事長。
同ネットに、大卒の肩書きを持った無業者が相談に訪れた数は、1000人を超えるという。当連載にも、以前記事で紹介した1年に300社落ち続けた男性を始め、メールで寄せられた体験談の中には、大卒や大学院を修了したような高学歴の人たちが数多く見受けられた。
「結局、働くというところまで見てもらえないで、面接で落ちるんですよ。名もない大学卒だと、紙の段階でふるいにかけられる。人物本位とうたっていながら、人物に会うまでに戦力になるかどうかのハードルがあって、そこを超えられずに働く場まで行けない人たちが結構いるんです」(工藤さん)
同書によれば、警察庁は、2011年には、大学生ら150人が、就職活動の悩みを理由に自殺したと発表。また、文部科学省の学校基本調査速報は、大卒者で就職も進学も“できなかった”若者は約8万6000人に上ると推計しているという。
国立大卒業後4年間引きこもりながら
接客業の職場に就いた男性
本書では、大卒の学歴を持ちながらも無職の状態となり、何とかしなければならないと、同ネットの活動にアクセスしてきて、再び就職していった6人の事例が紹介されている。
有名国立大学を順調に卒業したHさんは、卒業後、就職することなく、4年間、ほとんどの時間を自宅で引きこもった。親と子の会話も、一言か二言くらいしかない毎日が続く。
そんなアウトリーチを希望する母親からの依頼を受けた同ネットのスタッフは、H君が「家に来てくれるなら、説明は聞いてみたい」と話していると聞いて、自宅を訪問しようとすると、訪問時間の前に、本人のほうから自ら事務所にやって来た。
しかし、スタッフが話しかけても、まったく反応なし。その後も、面接には来るものの、そのたびに遅刻続きだった。
ある日のこと、スタッフが話しかけ続けていると、Hさんはこう口を開いた。
「いまの産業構造のゆがみについて、どう思いますか?」
きょとんと沈黙したスタッフに、Hさんは立場が逆転したかのように、日本の現状を話し続けた。
以来、面接のたびに遅刻はするものの、毎回、“どこにも進まない話”が繰り返された。
そこで、スタッフがこう口をはさむ。
「でも、僕が知っている町工場のおじさんは、こんなことを言ってましたよ」
こうした現場の肉声を語ったことをきっかけに、少しずつ会話が成立するようになったという。
その後、Hさんは、同ネットの集団プログラムに参加するようになった。そして、自ら動きだし、ハローワークに行って、なんと接客業の職場に就職してしまったそうだ。
この間、Hさんは、大学時代からどのような就職活動をしたのか、まったく語らなかった。彼がなぜ引きこもったのか、いまもわからない。
自分たちが“引きこもり”状態になることに、他人が納得できる理由などないし、それは誰にもわからないことだ。
必死でやっても“仕事ができない”
そんな男性も司法書士事務所へ就職
やはり有名国立大を卒業したWさんは、勤めていた外資系医療メーカーの営業職を退職。半年後に、同ネットを訪ねてきた。
「僕は、大学までの勉強も、仕事も、必死でやってきたんです。なのに、どうしてダメなんだろう」
Wさんは、人混みが苦手で、満員電車に乗ると、めまいがした。しかし、一度も遅刻しなかった。お洒落で、受け答えもハッキリできる。それでも「仕事ができない」「怠けている」と評価されて、どうしたらいいのかわかなくなってしまったという。
そこで、Wさんは同ネットの集団プログラムに参加。スタッフは、Wさんが見かけの印象とは随分違うことに気づかされた。
頼まれたことを次々に忘れる。2つ以上のことが同時にできない。自分では優先順位が決められず、思いつきで仕事を進めてしまう。その結果、中途半端なものがどんどん積み残され、その分量と時間を見て、パニックを起こしてしまうのだ。
スタッフの勧めで適性検査を受けてみると、空間認知が苦手なことが客観的にわかった。
やりたいことの見つからなかったWさんは、スタッフと職業選択についての話し合いを始め、得意なところを1つ1つ整理しいった結果、司法書士の事務所で働くことが決まった。
「仕事の向き不向きではなく、個人の特性を把握できさえすれば、仕事のマッチングはできてしまうんです。集団の中で、何回かできないことを確認していかないと、次に進んでいきません」
ガツガツした就活の波に乗れない
真面目で友人の少ない若者が陥りやすい
大卒で無職になる人たちには、どのような共通項があるのか。工藤氏は、大きなパターンとして、こう挙げる。
「1つは、大学時代、就活の波に乗れなかった人たち。よくあるのは、幕張などで5000人くらいが集まる就活フェアです。駅で見た瞬間、皆が黒いスーツ、黒い髪の集団がいて、面接のブースでは、皆が一斉に手を挙げて、ガツガツ自己アピール。そういう異様な空気に乗っかれなくて、もうダメだと思って自ら降りてしまう。あるいは、何十社受けても決まらない人、内定決まっても“第23希望だから行かない”などという人がいます」
接客業に就いたHさんは、やったことがないから自分には向いていないと思い込んでいたタイプだったようだ。やってみたら楽しくて弾けてしまうことは、よくあることだという。
若い人たちの接客などの様子を見ていて、プロとしていかがなものかと思うときでも、この子はそっち系かなという背景がわかると、つい優しく接してしまうことがある。
では、性格的な特徴については、どのような共通項があるのか。
「真面目なタイプで、友人が少ないですね。結果として、情報が少なくなる。だから“皆で一緒に乗り切ろう”感もない。真面目であるがゆえにテクニカルなことを嫌う。就活自体、手段であって目的ではないというように割り切れないので、決まるための方法から、引けちゃうのです」(工藤氏)
親の世代からみれば、何で就職が決まらないのだろうと思えるような、いわゆる“いい子”が多いという。ただ1つ、時代が違うということを除けば…。
「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)のように、他者がいないと自分は見えない。真面目に自分のことを考えて突き詰めていくと、主観になっていく。客観的な助言をもらえるよう、他者に見てもらえる環境をつくることが大事なのではないでしょうか」(工藤氏)
同書は、過去の体験を聞き出すよりも、自分たちの未来がどうすれば社会とつながっていけるのか、皆で一緒になって考えていくことの大切さを改めて教えてくれる。
■意欲奪う「ブラック企業」 第3部 シューカツ受難
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/414.html
2012 年 11 月 06 日 [日経新聞11月5日朝刊P.1]
[働けない 若者の危機]意欲奪う「ブラック企業」 第3部 シューカツ受難(4)
インターネットの検索画面に意中の企業名と「ブラック」の文字を打ち込み、実行キーを押す。
流通大手に内定した東京都の私立女子大4年の林美穂(仮名、22)。受験する会社に「ブラック企業」の評判がないかネットで調べるのが、就職活動中の日課だった。
相談件数が増加
ブラック企業といっても暴力団の支配下にあるような存在ではない。残業やパワハラが多いなど労働環境が悪い企業を指す若者用語だ。これをどう避けるかは就活中の学生にとって最大の関心事の一つとなっている。
「A社で過労死が出た」「B社では給料がきちんと支払われない」。ネット上には出所不明の情報がまん延する。林は「本当のところはわからないが、ネットで指摘された企業は受けるのをやめた」と振り返る。
特定非営利活動法人(NPO法人)の労働相談センター(東京)に寄せられる相談件数は、リーマン・ショック後の2009年の年約5千件から毎年約1千件ずつ増加している。内容別では「解雇・会社都合の退職」に代わって「いじめ・嫌がらせなど」が増えてきた。副理事長の須田光照は「より陰湿な職場が増えている」と指摘する。
OA機器販売の営業だった山本裕(仮名、24)は今秋、約1年半勤めた会社を退職した。入社直後から厳しいノルマを課され、顧客獲得も上司の手柄になった。入社時に約70人いた同期は半分以下に。「正社員で採用されたので続けようと思ったが限界だった」
若者が「ブラック」と位置付ける企業の存在は、たとえ全体の一部でも、就活のあり方をゆがめ、若者の労働環境をさらに厳しくする。
問題の一つは学生が疑心暗鬼にかられることだ。ネットで誤った企業イメージがひとり歩きすると、企業選択が保守的になる。学生は大手や有名企業の方が比較的リスクが少ないと考え、人手不足の中堅・中小企業や新興企業が優秀な人材を確保するのが難しくなってしまう。
若者の労働相談を受けるNPO法人、POSSE事務局長の川村遼平(25)は「社会が育ててきた若者が心身ともに傷つくのは大きな損失」と言う。つらい経験をしたため、次の職場探しに踏み切れない事例もある。社会の担い手になるはずの若者が、社会保障の対象になりかねない。
「離職率開示を」
事態を重く見て、若者に自衛を促す取り組みが始まった。10月30日、大阪・梅田の大阪新卒応援ハローワーク。「会社都合の解雇は違法な場合が多いが、ほとんどは泣き寝入りしている。自分の身は自分で守ってほしい」。労働基準法の基礎講座に約20人が耳を傾けた。大阪府茨木市の大学3年、西畑尚人(20)は「就活前に学べて良かった」と言う。
企業にもできることはある。10月初旬に都内で開かれた合同説明会の会場で、業務請負の日本アイデックスのブースに他社より長い学生の列ができた。「3年後の離職率」など募集に都合がよいとは限らない情報も目立つように掲示し、支持を集めた。日本大准教授の安藤至大は「企業の実態を把握しやすくする仕組みが必要」と、離職率や平均勤続年数などの公開義務付けを主張する。
ブラック企業が広がると若者の創意工夫の機会を奪い、企業の成長を鈍らせることにもつながる。社会全体の問題として目をそらさず、対策に取り組む時期に来ている。
=敬称略
■ブラック企業は今すぐ辞めないと、人生でこんなに大損失を!?・・ つけ込まれるタイプとは?
http://biz-journal.jp/2012/11/post_960_3.html
2012 年 11 月 06 日 墨染
本サイトに掲載された『現役ブラック企業社長が、社員を安くこき使う華麗な手口を暴露!』という記事が話題になっている。非常に興味深い半面、「この程度の経営者なら世の中にいくらでもいるのだろう」とも思うが、自分のわずかな経験を書いてみたい。
●ブラックなコンビニでアルバイトをすることに
随分昔の話になるが、アルバイトで、しかもごく短期だが、ブラックと言って差し支えのないお店で働いたことがある。そのお店はコンビニエンスストアのフランチャイズ店だったが、初日からアルバイトの先輩におかしなことを言われた。「ウチのお店って1週間でやめる人とか普通にいるんですよね。なので、できれば長期で働けるように頑張ってください」
この時点で嫌な予感がしたのだが、予感は的中した。まず始業前と休憩中、そして就業後、全部あわせると一回の勤務で30分以上の時間外業務が、すでに仕事の流れに組み込まれている。「サービス残業って、正社員がやるもんじゃなかったんだ……」と驚いたことを覚えている。
当然人が居着かず、常に少ない人数で仕事をやっているので、まったく仕事が終わらない(ひどい場合は私1人しかいないシフトも)。店内も掃除は行き届かず、品出しもちゃんとできていなくてボロボロだ。場所が良いので客は来るが、そのお店の価値はそれだけだった。
「人が少ないんだから仕方ない」と経営者もあきらめているのかと思いきや、そういうわけでもなく、バイト歴1年以上でそのお店では「ベテラン」の人でも、細かな部分で厳しく叱責されていた。よっぽど暇なのか、友達がいないのか、長時間の叱責は毎度のことだった。バイトの質が低いと口癖のように言っていたが、この環境で質の高い人材が残ると思っているのが不思議でしょうがなかった。そしてレジで1円でも誤差が出ると、全額バイトの負担となっていた。
そんな状況なので、いつもピリピリしているアルバイト店員もいた。新人に当たり散らすバイトリーダーのせいで、自分が在籍している短いあいだに、入ってすぐに辞める人が数人いた。
●ブラック企業で思考停止する人たち
周りの人に「なんで辞めないんですか?」と聞いても、あまり明確な答えは得られなかった。「辞めると生活できないでしょ」とも言われたが、社員ならまだしも、バイトにもかかわらずほかで働くという選択肢が頭にないようだった。「休憩時間や時間外に働かされてもおかしいと思わないのか?」と聞くと、「仕事が終わらないから仕方ない」と言う。「いや、それは違うでしょう」と言いかけてやめた。
ブラック企業で辞めずに働く人の思考停止状態というのは、こういうものなんだなと、ある意味で勉強になった(当時はまだ、ブラック企業という言葉はなかったが)。残っている人は「2000円くらいの時給を払ってもいいのでは」と思うほどバリバリ働いている人ばかりだったが(どう考えても、1人で2人分以上働いていたので)、明らかに心を病んでいそうな人もいた。
自分は現在、個人事業主として独立して働いているくらいなので、理不尽を通り越して違法な環境で黙々と働くほど従順でもお人よしでもない。そのアルバイトも、働き始めてから1カ月後には「辞める」と経営者に伝えた。議論するのも面倒なので、体調が悪いとか資格の勉強が忙しくなったとか、何か適当な理由を伝えたと思う。
★その時に経営者からは、松下幸之助の本に書いてあるような立派な人生訓と一緒に、「自分に甘えるな」といった意味不明な説教を受けたことは覚えている。「違法状態で働かせて文句を言わないバイトに甘えてるのは、お前だろう」と言おうと思ったが、給料を払わないなどと言われたら面倒なので、適当に流した。
今思い返しても笑える話だが、このなんとも恥ずかしい経営者は、冒頭の記事の経営者とはさぞかし話が合うに違いない。これが自分の唯一のブラック企業(?)での勤務経験だ。
うつ病になって自殺する社員が出るような真っ黒な会社と比べれば、自分のバイト先は薄いグレー程度の企業かもしれないが、
★ブラック企業で働く人にファイナンシャルプランナー(FP)としてアドバイスしたいのは、「すぐに辞めろ!」ということだ。ブラック企業で働き、精神的に追い詰められて一度うつ病になってしまうと、その後の人生でさまざまな不利益が発生するからだ。
★例えば、生命保険や医療保険ではうつ病の履歴があると、加入はかなり厳しくなる。保険料が割高になったり、保障額が少なくなったり、あるいは入れなくなってしまうことも珍しくない。そして何より、住宅ローンが組めなくなる可能性もある。住宅ローンを組むときには団信(団体信用生命保険)という生命保険に入らないといけないが、うつ病を患っていると入れない。つまり、結果として住宅ローンを組めないので、家を買えないということになる(「フラット35」は団信が任意だが、団信なしのローンは当然危険だ)。
身近にうつの人がいないとわからないかもしれないが、うつになった友人から詳しく話を聞くと、「体力の消耗は寝ていれば回復するけど、うつで精神的に消耗すると、何もしなくてもどんどん悪化する」のだという。話を聞いていてつらかったのは「昔は嫌なことがあっても全然気にしない性格だったのに、今はちょっとしたことでもすごいショックを受けるというか、精神的なダメージに極端に弱くなったような気がする」というものだ。
●健康でいることが、一番お金がかからない
FPとしてお客様へ伝えるアドバイスは、将来にわたって元気で健康に働く、つまり安定して収入を得ることが大前提となる。その逆に、極端なことを言ってしまうと、亡くなってしまえば生活費もかからず、残された家族には保険金や遺族年金も出る。一方、病気で働けない、つまり生きているのにお金がない状況は一番厳しい状況だ。
ブラック企業で働き、精神的に追い詰められているのであれば、うつ病になる前に辞めたほうがお金もかからず、次の職場でもすぐに働ける分、一番マシな選択肢だ。
人間には現状維持バイアスといって、環境を変化させることに強い抵抗・不安を感じてしまう傾向がある。
「次の職場は、もっとひどいかもしれない」
「この不況のご時世に自分から辞めた経歴なんて、転職活動では不利になってしま う」
「今の職場はブラックだけど、少なくとも食えるだけの給料はもらえている」
と、どんなにひどい職場でも、今の環境を肯定してしまう状態だ。
このような抵抗・不安を感じること自体は決しておかしくはないが、「今も地獄、環境を変えるのも不安」と板ばさみ状態で逃げ場がなければ、さらに精神的に追い詰められてしまうに違いない。うつ病が増えている背景は、このような現状維持バイアスが不況によってさらに強められているのが原因ではないかと思う。
●現状維持バイアスから抜け出すためにやるべきこと
では現状維持バイアスを弱め、精神的に楽になるにはどうしたらよいのか? FP的なアドバイスをすると、「環境を変えても生きていけるんだ」と楽観的に思える具体的な根拠を探してみることだ。
例えば、転職をしてうまくいっている人の話を聞く。これは自分と似た環境にいる人ほど参考になる。逆に失敗した人の話を聞いてみるのもいい。失敗してもこの程度か、と安心できる材料となるだろう。生活コストを低く抑えたり、不用意な借金をしないことも「最悪フリーターでも食っていける」と楽観的になれる根拠として、現状維持バイアスを弱める。いざというときに頼れる家族や友人、パートナーと仲良くしておくのもセーフティネットになるだろう。もちろん、可能であればしっかり貯金をしておけば、心の安定度はまったく異なる。
世の中には世帯年収が1000万円近くでも破綻する家庭はある、と聞いたら驚くだろうか。収入が高いため、家計にブレーキをかけていないとそのような事態が起こる。それなりの家を買って、それなりの車に乗って、子供には可愛い服を着せて、学校は私立で、お小遣いは月に7〜8万円は使って、と極端な贅沢をしなくても、生活レベルが全体的に上がってしまうと、ちょっと収入が下がっただけで支払いができなくなってしまう。所得が多くても破綻する理由はここにある。
逆に言えば、収入が低めでも支出を低く抑えておけば家計は安定する。この状態で運良く収入が増えれば、貯金を急激に増やせるので、家計の安定度はさらに上がる。
生活コストを下げて健康的に暮らす、そして環境が変わっても生きていけることをより具体的に確認しておく。こういった対策を事前に打っておけば、間違ってブラック企業に入ってしまっても、あるいはまっとうだった勤め先が業績悪化でブラック企業に変わってしまっても、安心して辞めることができるだろう。そして、ブラック企業を辞める人が増えれば、世の中からブラック企業は減っていく。
酷なことを言うようだが、ブラック企業で我慢して働くのもまた、ブラック企業が存在するひとつの原因になっているということを忘れないでほしい。
(中嶋よしふみ/シェアーズカフェ・店長 ファイナンシャルプランナー)