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News Item 1338513221262st...
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//     かわら版・ジャパンユニオン 2012/6/1 第293号
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<INDEX>---------------------------------------------------------

 1.今号のきめゼリフ
 2.こんな時どうする
 3.二週間・Newsスッぱ切り
 4.Focus of News
 5.ほっかほか・ほーこく
 6.「No.ゼロ」のぶつぶつつぶやきスペース
 

<今号のきめゼリフ>----------------------------------------------
 
 −本日復職−

 都内のコンピューター関連企業で30年働いてきた50代の男性が2月中旬、
 突然、人事部長から退職を迫られた。予算が厳しいため会社を辞めてほ
 しい、と。会社の経営は黒字なのに。会社に残らせてもらうよう懇願し
 たが、「辞めてもらう以外に選択肢はない」とけんもほろろ。その日は
 妻の誕生日。目の前は真っ暗だったが、妻への花束を買って家路につい
 た。妻は帰宅した夫の異変にすぐに気付いた。娘はまだ小学生。めでた
 いはずの食卓は一家が路頭に迷う恐怖と不安でかつてなく暗かった。

 その後の人事部長とのやり取りでも事態は好転しなかった。4月からは
 自宅待機を強いられ、6月末での退職が決まった。夫妻は労働基準監督
 署に駆け込んだ。が、窓口の相談員から返ってきた言葉は「会社と闘っ
 ても無駄。あきらめた方がよい」だった。でも、あきらめきれない。こ
 んな不当なクビ切りが許されるのか。30年の人生が否定された気がした。

 インターネットで検索して、全国一般東京東部労働組合に相談に訪れた。
 労組に個人で加入し、会社と闘う。夫妻にはとても高いハードルに見え
 た。が、闘わなければ活路は開けないのも明らかだった。腹をくくった。
 職場復帰の要求書と団体交渉の申入書を会社に送信するファックスのス
 タートボタンは、男性自身が押した。

 5月中旬、夫妻は労組スタッフとともに人事部長と交渉の席に臨んだ。
 結果、人事部長は6月1日付での男性の原職復帰を認めた。

 復職直前、男性の妻から労組宛に手紙が届いた。
 「スカイツリーのオープン、金環日食と感動的な出来事が続いておりま
 す。この度は大変お世話になりました。この3カ月の経験はある意味貴
 重で、信念や不屈の精神の大切さ、家族や友の温もりの有り難さをあら
 ためて感じる一方で、理不尽、不誠実は通らない、その事もあらためて
 知るに至りました。人ひとりを等閑にする、それは本当に許されない理
 不尽なことです。6月1日付の復職、いま心静かに待っています」


<こんな時どうする>----------------------------------------------

 「時給制だから残業代なし!?」

 <質問>
 私は今、短期契約社員として大手企業に勤めています。
 業務は主にデータ入力です。週に3時間ほど残業しており、土日出勤も
 有りです。8時間以上の労働には正社員やアルバイト関係無しに所定時
 間外労働として割増賃金の支給が義務づけられていると聞きました。
 また、残業時間には所定時間外割増賃金とは別途に割増賃金の支給があ
 るはずだとも聞きました。
 
 ですが、勤務先の会社からは、「所定時間外労働に対する賃金等は(私
 と勤務先の会社が交わした)労働契約書の通りです」としか聞いていま
 せん。その労働契約書には『所定時間外、休日又は深夜労働に対して支
 払う割増賃金率は時給制契約社員就業規則の定めによる。』としか記さ
 れておらず、また時給制契約社員就業規則を知る術がありません。

 このような場合、所定時間外労働と残業、休日出勤に対する割増賃金は
 支給されないのでしょうか?


 <回答>
 メール拝見しました。
 時給制契約社員であっても一日8時間か週40時間を超えた実労働時間
 (休憩時間を除く)に対して、2割5分増しの時間外割増賃金は絶対に
 支払わなくてはなりません。
 休日の労働に対しても、3割5分の割り増し賃金を支払わなければなり
 ません。
 
 労働相談センター


<二週間・Newsスッぱ切り>------------------------------------
   
 5/13 ・<沖縄県民大会>3000人「基地はいらない」訴え行進/宜野
      湾市
 5/14 ・<大阪市交通局>「地下鉄運転士も給与削減」妥協案提示へ
 5/15 ・沖縄復帰40年記念式典 仲井眞知事 県外移設を訴える/沖縄
 5/16 ・NHK労組、東電社外取締役へのNHK数土経済委員長の就
      任に反対を表明「公共放送の自主自立を疑わせる要因になり
      かねない」
 5/17 ・国家公務員給与引き下げ「人事院勧告に基づかないのは憲法
      違反」 国交労連(全労連系)が提訴/東京地裁
 5/18 ・橋下市長またも調査。大阪職員に入れ墨110人。何の為の
      調査か/大阪
 5/21 ・大飯原発再稼動反対54%。全国定例世論調査/朝日新聞
 5/22 ・<タクシー>賃金未払いで「国際自動車」運転手15人が提
      訴/東京地裁
     ・<大阪市>職員「わたり」廃止提示へ 給与体系を抜本見直
      し
 5/23 ・障害者の法定雇用1.8%から2%に引き上げへ 労政審答申、来
      年4月から適用/厚労省
     ・松山市職員自殺:時間外勤務357時間認定 市長「責任な
      い」、しかし2時間半後に文書で訂正/愛媛
     ・大阪市、現業職員8千人の給与を最大180万円減 年間36
      億円削減目指す
     ・職員の政治活動制限、罰則付きに 大阪市が独自条例提案へ
     ・<大阪市>技能職員給与、最大25%の削減案提示
 5/24 ・厚木基地での米軍機発着訓練 神奈川県黒岩知事が中止求め
      る
     ・社民党福島党首「橋下市長の入れ墨調査」で「弁護士として
      の人権感覚がない」と批判
     ・韓国、アメリカとの地位協定の一部である「米軍兵の犯罪で
      25時間以内に起訴されなければ無罪となる」の部分を米韓協
      議の上廃棄/韓国
 5/25 ・数土氏NHK経営委員長を辞任。多くの批判の中、東京電力
      役員への道へ
     ・「給与削減特例法は違憲」国家公務員らが提訴/東京地裁
     ・横浜アスベスト訴訟:原告が全面敗訴、国に「違法ない」/
      横浜地裁
     ・<次長課長>河本準一さん母の生活保護、「返納したい」
 5/26 ・親族の扶養義務、運用厳格化へ…河本さん謝罪
 5/28 ・中国の深セン市の企業労組で民主化改革=労組委員長を自由
      選挙/中国
 5/29 ・パート労働法一部改正 第8条の無期雇用の条件を削除、正社
      員との差別禁止/厚労省
 5/30 ・入れ墨調査、職員15人が回答拒否。大阪市は懲戒処分へ。人
      権侵害が加速
     ・徳島大:教職員給与引き下げ 労組反発「根拠なく不当」/
      徳島


<Focus of News>-------------------------------------------------

 =生活保護はもっと気楽に貰って良い= 
  − 中嶋 よしふみ−
 【アゴラ 5月26日 17時31分配信】

 ここ数日、芸能人の母親が生活保護を貰っているという話題で持ちきり
 だ。
 生活保護費が3兆円を突破したとしてNHKでも特集が組まれるほど、
 受給者の増加は問題になっている。

 これだけ税収が減っている時期に受給者増加が問題であることは間違い
 ないだろう。しかし受給者増加は問題の「原因」なのか? そうではな
 く、あきらかに「結果」だ。因果を逆に捉えると、問題の本質を見誤る。
 受給者増加の原因は明らかで、不景気と高齢化だ。
 いち芸人の母親の問題に青筋を立てて怒っている方々に一つ思い出して
 貰いたいことがいくつかある。ほんの数年前だが、2007年におにぎ
 りが食べたいと書き残して餓死をしてしまった男性が居た。その後、い
 わゆる「水際作戦」によって、始めから生活保護を受け取らせないよう、
 一部の自治体が行っていた措置が問題視されるようになった。

 具体的には申請に来た人に対して、就職活動を頑張れと言って追い返し、
 申請書すら渡さない、といったやり方だ(上記の餓死した男性のケース
 では、病気で働けない状況にもかかわらず、「もう働けるでしょう」と
 実質的に援助を打ち切られたようだ)。

 おそらく今の「時代の空気」からすると、上記の対応は当然のものと見
 えるかもしれない。だが、当時餓死者が出ていたことによって、この対
 応は非人道的だとして大変な非難を浴びた。

 これはテレビでも何度か放送されたテーマで、申請者が窓口で追い返さ
 れる映像や、その後弁護士を伴って再度申請に赴き、申請書を渡そうと
 しない窓口の担当者に対して弁護士が、
 「あなたは一体何の権利があって申請書すら渡さないのか? 何の法律
 に基づいて行動しているのか? 本当に渡さないのなら今から厚生労働
 省の担当者に電話してこの対応は適切なものか確認するがよろしいか?」

 ・・・と非常に強い口調で担当者を非難する映像まで流れていた(細か
 い文言は記憶が正確ではないが、概ねこのようなやり取りだったと記憶
 している)。

 実際に弁護士が電話をしている映像も流れて、「その後この申請者は無
 事生活保護をもらえる事になった」といったようなテロップが流れたの
 も記憶している。マスコミの公務員叩きの流れの一環だったので、「悪
 い公務員vs正義の弁護士+生活保護申請をする弱者」という、テレビ的
 にはある意味で大変わかりやすい構図の映像だった。

 当時この映像を見て、弁護士まで引っ張り出して生活保護費を貰おうと
 するなんてとんでもないやつだ、と思った視聴者はほとんど居ないだろ
 う。あまりに強烈な映像だったため、当時友人にこんな映像がテレビで
 流れていたという話をして「強きに弱く、弱きをくじく、とんでもない
 やり方だ」と伝えた事を覚えている。

 ほんの数年で極論から極論へ、ここまで状況がひっくり返るとはなんと
 も凄い時代になったと思うが、受給者増加の問題は上に書いたとおり、
 不正受給よりも不景気と高齢化、そして運営方法による部分が大きい。
 運営方法に関しては繰り返し指摘されているが、フードスタンプなど用
 途を絞った形で生活の援助をする事や、住まいに関しても専用のマンシ
 ョンやアパートを準備するなど、同じだけの支援をより少ない費用で提
 供するにはどうしたら良いのか?という効率性の視点を導入すべきだ。
 貰ったお金をパチンコやお酒にお金を使う程度の事は個人的には許され
 ていいと思うが、納得しない人も多いだろう。これはお金をそのまま渡
 すから起きる事であり、悪いのはパチンコに行く人ではなく、パチンコ
 にいける状態でお金を渡してしまう「制度の問題」であることも理解す
 べきだ。

 子供手当てでパチンコに行っている親は酷い、といった批判もあったが、
 国から貰うお金は何か特別なものなのだろうか。このままでは年金でパ
 チンコに行くのはダメとか公務員が税金から貰う給料でパチンコに行く
 のはダメとか、どんどん息苦しくておかしな方向に空気が変わってしま
 いそうだ。

 今回の芸人の騒動は、他にも支えないといけない人はいたとか、将来売
 れなくなった時の事が心配で援助の額を少なめにしていたとか、個別性
 が強すぎて少なくともメディアが大騒ぎするような問題とは思えない。
 福祉事務所と話合いまでしていたというのだから、問題にすべきは受給
 基準のあいまいさという制度の問題・欠陥の部分だろう。

 生活保護受給者、自殺率2・2倍…厚労省調査
 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=43795

 上記のような調査結果もあり、何か生活保護受給者が恵まれているかの
 ような誤った認識を持つのはあまりに違和感がある。

 最後のセーフティネットである生活保護はもっと気楽に貰えるようにな
 っていいはずだ。ここまでセーフティネットを貰いにくくして、どうし
 ようというのだろうか。親族が支えるべきだ!と簡単に言うが、世の中
 の多くの人は自分が収入に困ったら月に10万円以上もポンと援助して
 くれる人は居るのだろうか? もし将来自分が貰うことになったら、と
 いったことを考えると、とてもではないが受給者を責める気にはならな
 い。

 自分が普段お客様として相手をする方々は、平均的な日本人よりも、ど
 ちらかというと収入が高い方が多い。わざわざお金を払ってFPに相談を
 しようという人なのだから当たり前かもしれないが、それでもテキスト
 の項目には失業保険や生活保護に関する項目も入れてある。いつどんな
 状況になるかは、誰にもわからないからだ。

 本当に困っている人が貰えなくなったら、とか本当に困っている人だけ
 に支給すべきだ、といった言い方が今回頻繁になされているが、その
 「本当に困っている人」の基準があいまいな事、周囲の親族に課せられ
 た扶養義務に明確な基準が無い事(作れない事?)も問題の根っこであ
 り、芸人の母親の受給は枝葉の問題でしかない事は、もっと理解される
 べきだ。

 【中嶋よしふみ】
 シェアーズカフェ・店長
 ファイナンシャルプランナー


<ほっかほか・ほーこく>------------------------------------------

 =NPO法人労働相談センター 4月の相談統計 3ヵ月連続で700件
  超の相談数=

 NPO法人労働相談センターに寄せられた4月の相談の統計がまとまり
 ました。
 まず相談数ですが、759件となり、2月から3ヵ月連続で700件を
 超えました。このまま推移した場合、過去最高の相談件数だった昨年の
 相談総数(7,624件)を上回ることが予想されます。

 相談の内容については、「いじめ関連」の相談件数が第一位となりまし
 た。
 また、「辞めたくても辞めさせてくれない」相談も1月から4ヵ月連続
 で増加し、職場環境の荒廃、その職場から抜け出すことも難しい、とい
 う前近代的な状況に労働者が置かれている現状がうかがえます。

 詳細はブログ「労働相談センター・スタッフ日記」を(グラフも)
 http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/27d025d6e0fcfc1608dd966b5006a5ee


<「No.ゼロ」のぶつぶつつぶやきスペース>-------------------------
 
 ●金環日食を見ました。肉眼で。太陽ってけっこう明るいんだな、と思
 いました。●日食が始まると、辺りが暗くなってきました。夕方の暗さ
 とも違う、明け方の暗さとも違う、神秘的な、「独特な色のある暗さ」
 でした。●飼っている犬がなんだか落ち着かずに、震えてました。動物
 も何か感じていたのかと。(存)


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