流山のパート社員殺人:地裁判決 遺族のすすり泣く声 被告に懲役15年の実刑 /千葉
毎日新聞 2012年11月22日 地方版
流山市で15年前、当時24歳の会社員、田島由美さんが自宅で殺害され、親族が誤認逮捕された事件の裁判員裁判。千葉地裁は21日、強盗殺人罪などに問われた当時17歳の男(33)に、当時の少年法の有期刑の上限である懲役15年の実刑判決を言い渡し、事件は一区切りを迎えた。
公判には被害者参加制度を利用し、誤認逮捕された遺族らも出廷した。この日、斉藤啓昭裁判長が「遺族の悲しみは深く、15年余りが経過した今日においてなお絶望感、喪失感にさいなまれている」と読み上げると、ついたての奥から遺族のすすり泣く声が漏れ、法廷に静かに響いた。赤いジャージー姿の男はうつむき加減のまま顔を紅潮させ、判決言い渡し後は深々と頭を下げて退廷した。
裁判員を務めた20代の男性は、閉廷後の記者会見で「遺族の話を聞き、苦しみや痛みを感じた」と話す一方、量刑を決めるにあたって「(遺族の)誤認逮捕は考えないようにした」と述べ、法律と感情の間で苦悩した様子をうかがわせた。補充裁判員を務めた30代女性は「家族を亡くしたつらさ、悲しみは消えるものではない。(男には)自責の念を持って、反省してほしい」と話した。【松崎真理、黒川晋史】