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【ゴルフ】

藤田 3連覇で遅咲き賞金王 次はマスターズ

2012年12月3日 紙面から

最終日、18番で優勝パットを沈めた藤田寛之は、ウイニングボールをギャラリースタンドへ投げ込む=東京よみうりCCで

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◇日本シリーズJTカップ<最終日>

▽2日、東京都・東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)▽曇り、気温7・6度、風速1・6メートル▽賞金総額1億3000万円、優勝4000万円▽26選手▽観客1万1585人

 史上最も遅咲きの賞金王が誕生した。藤田寛之(43)=葛城GC=が、5バーディー、2ボギーの67で回り、2位と5打差をつける通算18アンダーで史上初の3連覇を達成、自身初の賞金王を獲得した。43歳での初戴冠は史上最年長で、来年のマスターズ出場資格である年末の世界ランキング50位以内も確実。プロ21年目で日本最強に上り詰めたベテランが、満を持して2011年以来となる2度目のオーガスタに挑む。

 まさに有終の美。最終18番、わずか50センチのウイニングパット。沈めた瞬間、藤田に万雷の拍手が降り注ぐ。「この大会のコピーは『王者の中の王者』。僕がそれにふさわしいか分かりませんが、今年はそう言わせてください。王者の中の王者です」。初日から首位を守る完全優勝。賞金王も決めた。文句なし。43歳のチャンピオンが、堂々と胸を張った。

 影すら踏ませなかった。6打差で迎えた最終日。いきなり2番でバーディーを奪うと6、7番も連続バーディー。9番では4メートルのフックラインを沈めてガッツポーズ。盤石のゴルフに同組の谷口も「隙がない」と脱帽するしかなかった。

 世界を経て変わった。2010年の全米オープン。41歳で挑んだメジャーで衝撃を受けた。「あまりにレベルが違った」。一流との差。一瞬、たじろいだが、すぐに「やっつけてやろうと思った」。以降、練習量は激増。数百万円を投じて練習機器もそろえた。休日もゴルフ場にこもり、師匠の芹沢信雄が「体を壊すぞ」と心配するほど練習した。そのおかげで、技術と体力は不惑でも衰えず。43歳での初賞金王は史上最年長。40代での年間4勝は杉原輝雄、青木功、尾崎将司に次ぎ史上4人目の快挙だ。

 これで来年のマスターズ出場資格である年内の世界ランク50位以内は確実。初出場した昨年は予選落ち。リベンジへ、実はひそかに進めていた準備がある。「夏からフェードを打っていないんです。オーガスタに合わないから」

 右に曲がるフェードの球筋は、左に曲がるホールが多いマスターズでは不利。世界を見据えて球筋を変え、それでもなお勝った。「実は意外と大胆なんですよ。次のマスターズで、どれだけうまくなっているか試したい」。日本の王者として挑む夢舞台。最強の43歳が今度は世界を驚かせる。 (寺西雅広)

 

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