両チームとも、勝てばACL出場の可能性が見えてくることもあり、集中力の高い立ち上がりだった。しかし15分過ぎからゲームが動きだし、しだいに浦和ペースになっていった。
グランパスと技術的な差はないのに、浦和のパスが良く回る。これはパスコースの数の違いだと思う。どんなに素晴らしいパサーがいても、パスコースがなければパスは出せない。相手のマークにつかまらない位置に何人の選手がポジションを取れるかで、攻撃の優劣が決まると言ってもいいだろう。
浦和は、まるで最初から味方の位置を知っているかのようにテンポよくパスを回した。グランパスは後半になって、やや流れを押し戻した。小川や藤本が絡んで2手、3手先をイメージしたようなコンビネーションも見られた。ただ今季は、多くの故障者が出たこともあってか、流れるようなパスワークがなかなか見られなかった。
ボールのないところでの動きの質、つまり「いつ」「どこに」走るのかということを徹底し、チームとして連動することができれば、グランパスの攻撃は輝きを増すはずだ。
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