「日本のネット世論は、反中が圧倒的に多いでしょ。でも中国のネットは半分半分で自分の国に厳しい。(政府系メディアが大半だから)自分の国を批判したい場合はネットにいくしかない。だから中国のネットのほうが面白いかもしれません。かなり多様だから」
例えば、反日デモをしている人のカメラをみたら「実はキヤノンでしたー」といった突っ込みが中国のネットで大流行している。
「でも日本のマスコミはそれを伝えませんね。『愛国無罪』ばかり。その背景事情とか反対意見をちゃんと報じるのがジャーナリズムの役割じゃないですか。中国イコール政府ではなく、中国人一人ずつの考え方を抜きに中国は語れません。民間レベルではこんなに交流してるのに、何で上の人たちがナショナリズムにこだわるんだろうなって・・・・・・マジで悔しいです」
あれこれ話して、ふと気づいたら2時間の予定をとうに過ぎていた。店を出る際「若い女性を遅くまで引き留めてしまって」と謝ると、彼女は首を振ってこう言った。
「ジャーナリストになる以上、私は自分が女性であることを忘れるつもりですから」
その心意気がいい。彼女こそ「太陽に向かってまっすぐ」咲く向日葵だと思った。
「週刊現代」2012年9月22・29日号より
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- 第十四回 赤い針箱の行方 (2012.11.28)
- 十三回 Back to '91 (2012.11.25)
- 第十二回 北陵クリニック残影 (2012.11.17)
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賢者の知恵M7以上 首都直下型地震で、東京はこうなる (2012.12.14)
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わき道をゆく~魚住昭の誌上デモ 第五回 中国人留学生の憂鬱 (2012.12.03)
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賢者の知恵創刊28周年企画 重大事件、事故、天災「九死に一生」生存者たちの秘話15 part1 (2012.12.03)