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 なぜそんなに日本が好きなの?

「住みやすい。人が親切でファッションとか化粧品もすごく良くてハマっちゃう。それに、いろんな人がいていろんなことをやるでしょ。変な服を着て変なことしても注目されない。自由なんです。だから人生面白い。日本人(の生き方)って真っ直ぐじゃなくて」

 ン?中国人は真っ直ぐなの?

「特に若者は向日葵のように太陽に向かってまっすぐ行くんです。皆が皆、自分が思う明るい未来へ。日本はそんな一律でなく、価値観が多様でしょ。そこが魅力なんです。例えば中国では女性が30歳前後で独身だと、すごく変な目で見られるけど日本にはそれがない」

 そんな彼女でもひどく辛い思いをしたことがある。今年5月、教授に連れられて日本文化チャンネル桜(右派系媒体)の討論会を見学に行ったときのことだ。

 テーマは「日本のメディア・ジャーナリズムの今」。左派4人と右派4人の論客が議論すると思っていたら、反中国的な主張ばかり聴かされ「マジにしんどかった」。

 教授は「中国人でなく地球人として日本の右翼の発言を聴いてください。これは君がジャーナリストになる第一歩です」と言っていた。

 だから冷静になろうとしたが、議論の中身はジャーナリズムの問題を離れ、右派から「中国けしからん」という意見が続出した。

 なかでもチベットの人権問題を人道的見地から論じるのではなく「チベット問題を維持することで中国を混乱させたい」と言い切ったときに房さんはカッときた。

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