- [PR]
事件
【トンネル内崩落】そのとき50台が走行、惨事なぜ3台だけ…
24時間に及ぶ救助作業も実らなかった。山梨県の中央自動車道笹子(ささご)トンネルで起きた天井板事故は3日、9人が遺体で見つかった。「助けられなかった」。消防隊員はうめいた。天井板約330枚(約360トン以上)ものコンクリートのがれきが突如、3台の車を襲う。当時、トンネル内には約50台の車が走行していたと推定される。なぜ3台だけが被害に遭ったのか。うち1台はあと30メートル走っていれば、惨事から逃れられていた可能性がある。奇跡的に女性1人が生還したが、何が明暗を分けたのか。
中日本高速道路によると、行楽日和の日曜日朝だったが、渋滞はしていなかった。事故直前の2日午前7時台の1時間、現場付近の交通量は約750台。それぞれの車が規制速度70キロで走っていた場合、トンネル内を約50台の車が通過していた計算だ。一方、山梨方面には間一髪で難を逃れた約30台の車が乗り捨てられていた。
東山梨消防本部によると、約4・7キロの笹子トンネルで、東京方面の出口まで約1・7キロの地点から約130メートルにわたって天井板が崩落した。山梨ナンバーの乗用車は崩落した天井板の出口側から約30メートル地点で、山梨県在住の70代男女と60代女性とみられる焼死体が見つかった。3人もあと30メートル先に進んでいれば、下敷きを回避できたことになる。
3台の車は崩落した天井板に押し潰される形で見つかった。多摩ナンバーのレンタカーのワゴン車は崩落した天井板が直撃、炎上した。東京や神奈川の同年代の男女3人ずつを乗せ、帰途についていたとみられる。車は原形をとどめないほど潰れている。
このニュースの写真
- [PR]
- [PR]