中国共産党大会:管理強化か グーグル、アクセス数激減
毎日新聞 2012年11月10日 21時53分
【北京・工藤哲】香港の人権団体「中国人権民主化運動情報センター」によると、共産党大会の開幕前後に爆弾事件などが5件相次いだ。当局はこうした動きやビラ散布、インターネットの政府批判にも神経をとがらせている模様だ。
センターによると、▽河南(かなん)省で4日、陳情者とみられる30歳の障害者が自爆、本人は死亡し9人が負傷▽陝西(せんせい)省で4日、カラオケ店に置かれた爆弾が爆発、3人が死亡▽浙江(せっこう)省で6日、バスが爆発▽江蘇(こうそ)省、広東省で8日、工場やバスが爆発−−などの事件・事故が相次いだ。
青海(せいかい)省では、8日に男性が焼身自殺したことを受け、9日に1万人以上の学生らが当局に抗議してデモをした。
事態の拡大を懸念し、当局は、相次いで対策を打ち出している模様だ。北京の一部のタクシーは、窓を開けるハンドルが取り除かれた。ある運転手は「窓を開けられてビラなどをまかれたら困るので、大会終了まで外すよう会社から指示された」と語る。治安維持を助けて当局から手当をもらう治安ボランティアは140万人に達するとの報道もある。
英BBC(中国語版)などによると、インターネット検索大手グーグルは9日、この日の朝から中国でのアクセス数が急速に下がったと明らかにした。同社は「提供しているサービスに問題はない」としているが、中国の利用者の間では「同社のメールサービスにアクセスしにくい」との声が出ており、当局が管理を一層強化した可能性もある。