55世代、76世代、86世代、そして94世代?

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2012/12/03


要するに…
・55世代:パーソナルコンピューター黎明期
・76世代:インターネット黎明期
・86世代:モバイル、プラットフォーム、ソーシャル黎明期
・94世代:デジタルファブリケーション黎明期


先日の田中さんとの対談で出てきた印象的な言葉をご紹介。他の金言は別記事でまとめてあります。

田中浩也さんの「デジタルファブリケーション」にまつわる金言をメモ | ihayato.news


「新しい技術ができたときは時間がある人が有利」

田中さんはセッションの最後の方で、特に学生に向けて「新しい技術ができたときは時間がある人が有利。だから今のうちにデジタルファブリケーションに触れておくといい」というお話をなさっていました。

これは歴史的に見ても、個人的な体験としても、とても納得がいく話です。


55世代

有名な話ですが、スティーブ・ジョブズ(1955年2月24日)、ビル・ゲイツ(1955年10月28日)、スティーブ・バルマー(1956年3月24日)、エリック・シュミット(1955年4月27日)などなど、IT革命の立役者たちはの生まれ年は、1955年周辺に集中しています。ちなみに孫正義さんも1957年生まれ。

彼らが二十歳になった1975年近辺は、まさにパーソナルコンピューターの黎明期。時間のありあまる若き日に、ITの端緒に触れることができていた世代です。

1974年(昭和49年)に登場したマイクロプロセッサにより、個人でも所有可能な小型で低価格なコンピュータが実現可能になった。最初のパーソナルコンピュータとされることが多いAltair 8800が1974年(昭和49年)の末に生まれる。

パーソナルコンピュータ – Wikipedia


76世代

少し時代が進んで、次は「76世代」が登場します。日本だと、笠原健治(mixi)、近藤淳也(はてな)、ひろゆき、田中良和(GREE)、猪子寿之(チームラボ)、家入一真(paperboy&co.)といった方々が有名ですね。

彼らが20歳を迎えた1996年周辺は、いわずもがなインターネットの黎明期。この世代の起業家の自伝なんかを読むと、大学時代にネットの魅力に取り憑かれた、みたいな方が多いですよね。

1995年には、NSFNetは民間へ移管され、Windows95の登場で一般個人でのインターネットの利用に加速がついた。なお、Windows95の初期バージョンではインターネット関連の機能は「Microsoft Plus!」による拡張機能とされていたが、OSR2以降は標準搭載されている。

インターネット – Wikipedia


86世代

さて、さらに時代が進んで、僕も当てはまりますが「86世代」なんて言葉もあります。目立った起業家でいうと、リブセンスの村上さん、ウィルゲート小島さんなどが挙げられるでしょうか。

この世代が特に触れているテクノロジーは「モバイルインターネット」「Googleをはじめとするプラットフォーム型エコシステム」「ソーシャルメディア」なんてところでしょうか。

また、僕ら世代は生まれてから現在まで低成長時代が続いているので、これまでの世代とは価値観がだいぶ違うような気がします。「ヒルズ族」的な経済的成功よりは、実直に社会変化やチームの幸せを追い求める人が多い印象。


94世代—デジタルファブリケーション黎明期

まぁ適当といえば適当な括りなんですが、次に来る世代は94年生まれ周辺に固まるのかなぁ、とか思ったりします。94年生まれの人は、ストレートにいくと2013年、つまり来年に大学生になる世代です。

この世代が直面するエマージング・テクノロジーは、なんといっても3Dプリンタをはじめとするデジタルファブリケーションになるでしょう。

大学時代という自由な時間を使って、様々な実験を楽しむ若者がポンポンと出てきそう。国内環境から言っても、Fabのようなコミュニティ型の工場はかなり増えていくはず(来年頭あたりにも、某所にデジタル工作機械を備えた巨大な施設ができるとか…)。


というわけで、今時間を持て余している若い世代は、ぜひデジタルファブリケーションの世界に足を突っ込んでみるのがいいのではないでしょうか。

僕ら世代の多くは、もう本気で手を出せるほどの余裕がありません。今のうちに触っておくと、数年後に上の世代とのスキル・知識格差を享受できると思います。「新しい技術ができたときは時間がある人が有利」なのですから。


関連本。まだ読んでいない方はぜひ。ここで紹介されていることは、間違いなく次の10年のテクノロジートレンドの一つです。