【全国ヘルシーMAP】皮ごと食べられる「広島レモン」
カキやアナゴ、もみじ饅頭などで知られる広島県の意外な名物がレモンだ。実は生産量日本一で、広島レモンのウリは「皮ごと食べられる」こと。輸入ものと違って防カビ剤を使っておらず、栽培時の農薬使用料を地域慣行レベルの半分以下に厳しく指定して育てているため、皮を食べても大丈夫なのだという。
レモンの栄養素といえばビタミンCとクエン酸。ビタミンCは風邪予防、しみを生み出すメラニンの働きを抑える美肌効果といったよく知られた効能だけでなく、皮膚や血管の細胞をつなぐコラーゲンの生成に必要という面もある。ビタミンCをしっかり取らなければ、体が維持できないのだ。
クエン酸は疲労回復、高血圧予防といった効能が知られている。新陳代謝を活発にさせ、老廃物の排出を促す効果があるという。さらに抗酸化作用のあるレモンポリフェノール、殺菌効果やリラックス効果があるシトラールといった栄養素も含んでいる。
レモンは健康的な食べ物ではあるが、食べ方のバリエーションがあまり思いつかない。すぐに頭に浮かぶのは、スライスして紅茶に入れるか、はちみつに漬けるか、フライに搾るか…ぐらいだ。だが、地元・広島県の農業販売戦略課によれば「レモンと鶏肉の煮物やレモンとサーモンのマリネ、レモンライスといった食べ方があります」という。煮物はレモンと鶏肉を煮たもの。マリネは刺し身用のサーモンに、レモンスライスとタマネギスライスを乗せ、一晩寝かせてから食べる。レモンライスは、炊飯器に皮ごと切ったレモンとサフランと米を入れ、一緒に炊いたものだ。最近は東京の飲食店の協力を仰ぎ、「レモン鍋」を開発。こちらも皮ごとスライスしたレモンを鍋に入れ、他の具材と一緒に煮て食べる。
実はレモンのビタミンC、レモンポリフェノール、シトラールといった栄養素は、果肉よりも皮に多く含まれている。レモンの栄養をしっかり吸収するためには、皮ごと食べるのがオススメだ。