イスラエル:代理徴収の関税の送金停止 パレスチナに報復
毎日新聞 2012年12月02日 22時17分(最終更新 12月02日 23時02分)
【エルサレム花岡洋二】イスラエルのシュタイニッツ財務相は2日、パレスチナ自治政府に代わって徴収している関税について、自治政府への送金を停止すると発表した。占領地のヨルダン川西岸と東エルサレムへの新規の入植住宅建設に続く、パレスチナが国連で地位を「格上げ」したことへの報復措置という。
送金停止の結果、自治政府から職員への給料支払いが滞り、パレスチナ経済は大打撃を受ける。自治政府はイスラエルの電気供給会社に多額の借金があり、イスラエル政府は今回の送金停止分を借金返済にあてるという。
イスラエルはヨルダン川西岸とガザの輸入の大半を管理しており、93年のオスロ合意などに基づき関税を代理徴収している。パレスチナが11年10月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)に正式加盟した際も2カ月分の約2億ドル(約165億円)の送金を停止したが後に全額を送金した。