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脳機能学者やめてしまったのか!? ドクター苫米地 

脳機能学者の正体見たりにアクセスが急増!

■脳機能学者の正体見たり-1

 レポートには思わぬ反響があった


当サイトを立ち上げてから1年になります。日々のアクセスもどんどん増え、脳の本で検索すると、GoogleでもYahooでも1位で表示されます。Googleの検索エンジン効果というところでしょうか。

脳・本での検索でも2200万件以上の表示のなかで3番目くらいです。多い日で700ページ以上のアクセスもありメールも寄せられています。メールで目立つのが、脳の本読んでも役立たずの内容に関するもの。

このレポートには、ある脳機能学者のことが取り上げられています。脳機能学者とは苫米地英人氏。かなり辛辣な批判になっています。

 「脳科学者」として知られている人がいます。脳機能学の世界的権威、天才脳機能学者と
 して多くの本を書いています。ベストセラーも出しています。この人、世界が注目する驚
 くべき天才なのに、PubMedで検索しても脳機能学に関する論文がひとつも出て来ない。

 PubMedは世界一の学術文献データベースです。ちなみに上述した久保田氏で検索してみる
 と10件以上の論文がヒットする。共同執筆ではもっとあります。さすがにトップレベルの
 科学者です。

 論文こそが研究者の証であるのに論文がないとはあり得ないことです。自分の名を知らし
 める脳機能研究の英語論文一つないのにどうして世界が注目するのでしょう。

 なのに、「天才」や「世界的」を売り物に高額なセミナーまで開催している。じつは「天
 才」や「世界的」は金儲けのための商売道具なのですね。この人自身、自著やセミナー案
 内でも脳機能学が専門だとか研究してきたとか強調していますが、脳科学分野での研究実
 績はまったくありません。脳機能学会など見当たらないし、脳機能学という研究・学問分
 野や領域、科目は調べてもほとんどありません。


メールにはいろいろな感想が綴られています。賛同する人もいれば批判する人もいる。なかにはきちんと調べたのか、などと書かれていることもあります。調べたから載せたのに! と呟きながら私は返信を書いていますが、実際にPubMedで調べたらいいと思います。

1通くらいならまだしも、同じような返信をその都度気を使いながら書くのは、正直言ってしんどいです。レポート以外の、紹介・書評やレポートの方はためになった、などと書かれてあるとついていねいに書いてしまいます。若い人が多いようです。

苫米地ファンって多いのですね。ブログを見ると、「天才脳機能学者」とか「Dr.苫米地」などと出ていて、似たような紹介記事やコメントが多く載っています。この方、本をたくさん出していますが、そのプロフィールには必ず脳機能学者と紹介されている。専門は脳機能の研究だと出ています。

苫米地さんは、脳機能学とか脳機能科学という使い分けをしていますが、同じですね。脳機能とは、思考や記憶、学習、認知や言語などの高次脳機能を含めた、脳のさまざまな働き、その機能のこと。それらの研究が脳機能研究です。

いまでは、脳機能学者といえば苫米地さん、苫米地さんといえば脳機能学者と、広くその名が知られています。苫米地博士の最新理論を学ぶ方法などというメールマガジンもありました。脳を知りたければ脳機能学を学ばなければ、と思っている人さえいます。

だからでしょうか。私のレポートの方が間違っていると思っている人もいるようです。勘違いしているじゃないかなんて。この方スゴイ経歴です。苫米地さんくらい、その輝かしい経歴を長々と載せている人はいないでしょうね。プロフィールを読んだだけで、この人のずば抜けた才能がわかるようになっている。

その天才苫米地博士に対して、なんていうことを言うのか? 上記の私の文章を読んで、そんなハズはないと感じている人も多いハズ。

日本で一番アタマのいい人。そう信じている人も多いと思います。そういう私も、じつはスゴイ人だと思っていました。それなのになぜ、そんなことを書いたのか? ハイ、順を追って説明しましょう。私が調べた事実、気が付いたこと。いくつかの矛盾や疑問、ウソではないかと思われる部分などを。

今回のレポートでは、ノーベル賞・ハーバード大医学部・論文というキーワードからその正体に迫っていきます。

脳機能学が、現在主流のブレイン・サイエンスだと思っている若い人たち。けっこういるんですね。正しい脳の本をきちんと読んでいないからでしょうか。気になります。そのような人たちにぜひ読んでいただきたいと思います。いままで見えなかった部分が徐々に明らかにされていきます。

読めば、苫米地ファンの方もナルホド! と思われるでしょう。私にメールを出す前に、このレポートをきちんと読んでくださいね。それではご一緒に検証していきましょうか。長い文章になりますが、できるだけわかりやすく書きましたので理解していただけると思います。くだけた感じの文章になっています。


 この方のこと、スゴイ学者だと思っていた



私の場合、苫米地さんの本は4、5年ほど前から目にするようになったと記憶しています。本の宣伝が新聞にもよく載っていました。見た感じはいかにも自己啓発系の本で(私は自己啓発の本にはまったく興味がない)、書店で目に付いても手にとって見たこともないです。変わった感じの「脳科学者」もいるのだなあ、なんて思っていたくらいで、まったく関心ありませんでした。

インターネットで調べものしていたら、苫米地さんのことが紹介されているWebページがありました。以前ハーバード大学医学部へ准教授として招聘を受けたという話が載っていました。長年の脳機能の研究成果が認められたのでしょう。そのときは事情があって苫米地さんの方で断ったそうです。いくつかのブログや自著でも紹介されており、苫米地さんの名を知らしめる有名な話です。

いやあスゴイ人だなあ、あのハーバード大学医学部から准教授のオファーを受ける苫米地さんって! そのときは本当にそう思いました。

世界の医学教育の最高峰、世界一の医学部です。ノーベル生理学医学賞受賞者を何人も出しています。また医師の鎌田實さんとの対談でも、アメリカのいろいろな病院で基礎研究をやってきたと語っています。脳機能学者だから脳の基礎研究を続けていたのでしょうか。

急にこの人への興味がわいてきて、調べたら、ドクター苫米地のブログを見つけました。洗脳について書かれており、こんな文章が載っています。「はっきり言って日本は遅れています」の下の方です。

 私の場合などは、研究分野である機能脳科学(functional brain science)で共同研
 究を始めていたアメリカの研究者達の誰かが次回あたりは、ノーベル賞でもとるのでは、
 などとボストンで話をしていた矢先、帰国してみると、一部の学者から、「そんな学問は
 ない」とやられましたから、この研究レベルのギャップを日々痛感する世界にいることも
 事実です。


次回のノーベル賞候補ではないかと噂されている研究者たちと共に、非常にレベルの高い脳機能の共同研究に携わっていた? どこの大学なのか書かれていませんが、これはハーバード大学での共同研究ですね。

共同研究自体が、ノーベル賞の対象になり得るような内容だったのか、それとも、共同研究者たち自身が受賞対象にふさわしい研究実績のある研究者だったのか。ここは二つの意味にもとれますが、研究者の方ですね。世界でもトップクラスの研究者たちとの共同研究。苫米地さん自身もトップクラスの研究者にちがいない。そう感じました。

ネット動画超天才、Dr.苫米地のスピリチュアルのウラという対談があります。「苫米地さんの研究は、ノーベル賞もらって当然と思っている?」と問われ、苫米地さんは、「彼らが理解できればね」と答えています。彼らとは、ノーベル賞の審査員たちのことで、自分の研究を理解できれば可能である、という意味ですね。動画のタイトルには超天才と出ています。

天才を超える天才。スゴイですね。ダ・ヴィンチもアインシュタインさえも、この人の脳にはかなわないのでしょうか。天才すぎる人の研究とはどのようなものなのか。

「ウフツフツフ、超一流の科学者たちでさえ、オレの研究は理解できないだろうね」。そんなつぶやきが聞こえてきそうです。(動画を見て、マッドサイエンティストとしての、苫米地さんの次々ととび出す自慢話や発言を楽しんでいる人も多いと思います。私もそうですが)

ブログ検索してみても、「世界が注目する驚くべき天才」などと出ています。日本には超天才のものスゴイ科学者がいた?

当然のことながら、NatureやScienceなどという超一流科学誌にもこの人の論文が載っているに違いない。苫米地さんの、一見すると胡散臭そうな風貌も、天才にありがちな強烈な個性だと私には映りました。変わっているようにも見えるけど、決して妥協などせずに自分のやりたいことだけを押し進めていく天才タイプ。

アメリカから日本に帰ってきて、自己啓発の本など書いているのが気になりますが、本を書きながらトップレベルの研究を続けているのかもしれない。と、そのときは思いました。

一昨年の夏のある日のことです。着信メールをチェックしていて1通のメールを開きました。ダイレクトメールですが、このメールが苫米地博士への見方をガラッと変えてしまいます。

                                     2011.02.21

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