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専門家“これまでにない事故”
12月2日 20時31分

地盤工学に詳しい専門家は、今回の事故の原因について、天井板を支える部材が劣化したか、山の重みでトンネル自体が変形して崩落した可能性の2とおりが考えられるとしたうえで、「これまでにないタイプの崩落事故で、改めて点検を急ぐ必要がある」と指摘しています。

トンネルの掘削など地盤工学に詳しい防災科学技術研究所の谷和夫研究員が映像を分析した結果、天井板が両端を壁に残して道路の真ん中付近にV字のように落ちていることから、事故の原因は、天井板をつり下げている部材が劣化して壊れたか、トンネルそのものが変形して天井板が外れたかの2とおりが考えられるということです。
谷研究員によりますと、トンネルは山の重みなど周りにある土の圧力を受けて、例えば横から力がかかった場合は縦に長くなるように変形したり、上から力がかかった場合は横に広がるように変形したりするということです。
谷研究員は、天井板は壁側は落ちていないので、縦長に変形して真ん中に力が集中して天井板が外れた可能性も考えられると指摘しています。
谷研究員は「劣化なのか変形なのか、どちらのメカニズムで天井が落ちたか詳しい状況はまだ分からないが、これまでにないタイプの崩落事故だ」と話しています。そのうえで、「地震もないのに、突然、天井板が落ちるというのはあってはならないことだ。同じような工法のトンネルはほかにもあるので、改めて点検を急ぐ必要がある」と指摘しています。

“天井板のつなぎ目劣化か”

一方、トンネルの構造に詳しい大阪大学の谷本親伯名誉教授は「現場の映像を見るとトンネル上部に取り付けられた『天井板』がVの字になって崩落しているので、天井板のつなぎ目が老朽化や地下水による腐食などによって劣化し、崩落した可能性が考えられる。同様の構造のトンネルはほかにもあるので、つなぎ目を叩いて出る音を聞いたり、目視による点検を急がないといけない」と話していました。

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