天井崩落 ボルト老朽化原因か12月3日 12時15分
2日、山梨県の中央自動車道のトンネルで天井の板が崩れ落ちた事故で、中日本高速道路は3日の会見で、天井板をつり下げていた「つり金具」をトンネル本体の壁に固定するボルトが抜け落ちていたことを明らかにし、「老朽化があったと考えられる」と述べ、ボルトの老朽化が事故につながった可能性が高いという認識を示しました。
山梨県の中央自動車道の笹子トンネルでは2日、コンクリート製の天井の板が崩れ落ち、3台の車が下敷きになり、9人が死亡しました。
中日本高速道路は3日午前9時から名古屋市の本社で3回目の会見を開きました。
この中で会社側は、天井板をつり下げていた「つり金具」をトンネル本体の壁に固定するボルトが抜け落ちていたことを明らかにしました。
このボルトは長さは23センチ、直径は1.6センチですが、どれくらいの規模で抜け落ちていたのかは確認できていないということです。
そのうえで会社側は、昭和52年に天井板の工事を終えて以降、「これまでボルトなどを補修した記録はない。大きな要因として老朽化があったと考えられる」と述べ、ボルトの老朽化が事故につながった可能性が高いという認識を示しました。
さらに、ボルトで固定しているトンネル上部の壁について、これまでの点検では目視にとどめていましたが、この点検方法について、会社側は「高い位置にあっても金づちでたたいて音を調べる点検をやるべきだったことが反省点だ。点検方法に誤りがあったことも視野に入れている」と述べました。
このほか、去年起きた東日本大震災について「大震災で外的な圧力が加わった可能性も考えられる」と述べました。
中日本高速道路は同じ構造になっている「恵那山トンネル」など管内3つのトンネルを対象に午前10時現在、およそ70人態勢で天井板の上に入り、目視ではなく金づちを使ってトンネル本体の壁の部分をたたくなどの緊急点検を行っています。
一方、山梨県警察本部は、管理や点検に問題がなかったか、今後、現場検証を行ったり、関係者から事情を聴いたりして、業務上過失致死傷の疑いで捜査を進める方針です。
[関連リンク] |
|