選挙:陣営困惑…公示・告示後はネット禁止
毎日新聞 2012年12月03日 12時48分(最終更新 12月03日 13時24分)
多くの政治家が活用しているインターネットのホームページ(HP)やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が、4日の衆院選公示から制限される。ひと足早く先月29日に告示された東京都知事選では、告示前に選挙戦でのネット使用禁止を批判する立候補予定者が相次いだ。各陣営とも演説日程などの周知に苦労しており、衆院選でも不満が噴出しそうだ。【竹内良和、福島祥、加藤隆寛、青島顕】
<公職選挙法とはくだらない法律。化石のような法律で選挙を縛る。明日からはHPはおろか、ツイッターもFB(フェイスブック)もダメ>
<お金持ちしか立候補できないじゃないか。言葉で語ることが許されず、街宣車の連呼がむなしく響く日本の選挙はおかしい!>
11月28日、都知事選告示を翌日に控えた複数の立候補予定者が、SNSのひとつであるツイッターで不満をつぶやいた。告示後はHPなどの更新やSNSでの書き込みができなくなるためだ。
HPやツイッターで集会日程などを広めてきた別の候補者の陣営も「すごいハンディ」と悲鳴を上げる。
公職選挙法は選挙期間中、資金力のある候補者が有利にならないよう、枚数や様式が決められた法定ビラやポスター以外の「文書図画」の頒布や掲示を禁じている。候補者がHPやツイッターなどで政策を訴えるのも文書頒布の一種とみなされ、告示・公示後は更新ができない。
若者の政治参加を求める「ワンボイスキャンペーン」発起人の原田謙介さん(26)は今春、全国会議員に解禁の賛否を問うアンケートをした。「反対」は2人だけだったが、回答率は12・5%と低調で、原田さんは「賛成してくれる人にも『今やらなくても』と言われた」と嘆く。
ネット選挙に詳しい東洋大の松原聡教授(経済政策)は「インターネットはビラや政見放送と同じか、それ以上の影響力があるコミュニケーション手段。候補者からすれば費用も節約できる。ネット禁止は時代にそぐわない」と指摘している。