Tシャツ姿の小太りの男の子が秘書を連れてテレビでしゃべっていた。まるで珍獣を見るような目線で見ていた当時の僕は、「なんだ、こいつ」と思った。
彼は僕の友人で、なおかつ僕に給料を払う特殊組織「FREEex」のメンバー。つまり僕の部下でもある。
そもそもの出会いから書こう。
最初に堀江貴文について「考えた」のは、例の想定内とかそういう言葉が世間で流行ったときだ。Tシャツ姿の小太りの男の子が秘書を連れてテレビでしゃべっていた。まるで珍獣を見るような目線で見ていた当時の僕は、「なんだ、こいつ」と思った。
たぶんフツーの日本人は、みんな同様の感想だったと思う。
「なんだ、こいつ」
そして「面白れーな」と思った。
まずね、Tシャツがダサい。
勘違いしないで欲しいんだけど、「Tシャツ姿がダサい」と言ってるんじゃない。「金があるんだからアルマーニ着ろよ」とか、そういう話じゃないんだ。
既存の経済界エスタブリッシュメントに対してのポジショニング&スーツなんか動きにくい、という理由でTシャツ姿なのは実に結構。でも、そのTシャツがやけに高級なのはいかん。
僕がニュース画面で見たホリエモンは、ファッションブランド、それもハイブランドのTシャツ着てた。
「ああ、ダサい・・・」と思っちゃったんだよね。
「貧乏だからTシャツ着てるんじゃないんだ。金はあるけどスタイルとしてTシャツ着てるんだよ」というメッセージ。ここまでは100%おっけー。
でもその先の「金がある証拠に、ほらブランドもののTシャツだぜ」
ここ、ダメ! ここ、ダサい!!
ここは意地でもライブドア(当時)デザイン班が渾身のパワーで作ったオリジナルTシャツであるべき。それも一点物の、全身を採寸して作ったフルオーダーTシャツ。そしたら当時の体型のホリエモンでも絶対に似合うのに。
または、貧乏時代から一貫して着てるTシャツで通すのも、スタイルがあって良し。facebookのザッカーバーグはこのタイプね。
「あ~、こいつ、金を稼ぐ才能はあるのに、金を使う才能はまだ未開発だわ~」
・・・ということを思ってたんだ。それが僕のホリエモン第一印象だった。
印象が変わったのは、野球チームを買うとかテレビ局を買うとか、そういう話がテレビを賑わせた頃。なんで買うのか、その必然性はよくわかんない。「買えそうだから買う」が一番大きい理由じゃなかったのかな?と今になったら思うけど、当時は理由なんかよくわからなかった。
逆にビックリしたのは
「へ~、テレビ局とか買えるんだ。いや、もちろん買収はできるだろうけど、国家やエスタブリッシュメント関係者以外に手渡したりするんだ」
ということ。
だから買収がダメになったときには、かなり残念だった。口惜しいよなぁ、と人ごとながらに思ったよ。
ホリエモン、堀江貴文氏に将来、会うことになるとは夢にも思わなかった時代の、話でした。