トンネル崩落:中日本高速、検査不備認める
毎日新聞 2012年12月03日 13時16分(最終更新 12月03日 13時20分)
山梨県大月市の中央自動車道・笹子(ささご)トンネルの崩落事故で中日本高速道路の吉川良一保全・サービス事業本部長らは3日午前、名古屋市の本社で記者会見を開いた。トンネル最上部の内壁とつり金具の結合部については特殊なハンマーでたたいて確認する点検をしていなかったことについて、吉川本部長は「最上部でもやるべきだったと反省している」と検査の不備を認めた。
同社は民営化後の06年4月に点検のマニュアル「保全点検要領」を策定。天井板の点検について「目視による確認をするなどの配慮が必要」と定めているだけで、打音検査の必要性については明文化していない。
このため、約5年置きに行っている定期検査では、作業員の手が届かないトンネル上部は打音ではなく双眼鏡などを用いた目視だけで点検していたという。【沢田勇】