学園祭を全面禁酒にする大学が増えている。後を絶たない飲酒事故を受けた措置で、学生の自主性に任せているだけでは取り返しのつかない事故が起きかねないという危機感がある。
鹿児島大学の郡元キャンパスで、今月15〜19日にあった大学祭。飲酒による大けががあったことから、市内を練り歩く恒例のみこしパレードでの飲酒が15年ほど前から禁じられた。2007年からは、期間中のキャンパスでの飲酒も完全に禁止された。桜ケ丘キャンパスの桜ケ丘祭(今年は今月24、25日に開催)も同様だという。
期間中、教職員らが夜にキャンパスを巡回し、飲酒していないかどうかを確認している。大学側は、違反があれば、模擬店の出店を中止させるなどペナルティーを科すことも検討するという。さらに、今月20日からは、飲酒を伴う懇親会をキャンパス内で開く場合、未成年者を加えてはいけない、というルールを作った。
学生生活課の作田憲一課外活動係長は「過去には救急車が来たり、物品を壊したりということがあったが、問題はなくなった。飲酒を容認することは、よほどのことがない限りない」と話す。
祭りの期間中、学生たちはキャンパス外の居酒屋などで飲んでいるようだ。
鹿児島大以外でも禁酒は広がっている。今月24、25日に九大祭があった九州大は、会場が福岡市西区の伊都キャンパスに移った翌年の2010年から、酒の持ち込み、販売、飲酒をすべて禁じた。
23〜25日に東京大教養学部(東京都目黒区)であった駒場祭でも63回目の今回初めて、酒の販売、飲酒、持ち込みのすべてが禁止された。東大では7月、男子学生がサークル仲間と飲酒後に急性アルコール中毒で死亡する事故が起きた。