秋田の物産豆知識

「バター餅」のルーツは?

 最近、話題沸騰の北秋田市の「バター餅」。
 「第1回BM(バター餅)-1グランプリ」で話題となり、続いて有名テレビ番組で紹介されたことで、生産が追いつかないほどの人気になっています。この「バター餅」は、餅にバター、卵黄、砂糖などを練り込んで作られ、柔らかな食感を楽しむために焼かずに食べるのが通常です。古くはお茶請けとして食べられていたようで、各種情報によると25年以上も前から作り続けている人がいますが、いつごろから作られるようになったかはわからないことが多く、伝統料理や地域食の書物にも記載がありません。そのルーツは謎に包まれています。

 その手がかりになるかわかりませんが、北秋田市から遠く離れた南国のハワイに「バターモチ」が存在しています。ハワイの「バターモチ」は、パーティーなどの最後に出てくる家庭料理で、観光客がほとんど食べることのない地元の定番スイーツです。ハワイの「バターモチ」は、もち粉にココナッツミルク、砂糖、練乳、バター、卵、ベーキングパウダーを加えて混ぜ、オーブンで焼いて作ります。

 餅にバター、卵という基本は、北秋田市の「バター餅」と同じですが、作り方が全く異なります。ハワイの「バターモチ」は材料を混ぜてから焼き上げますが、北秋田市の「バター餅」はついた餅に材料を練り込んで仕上げます。作り方が大きく異なることから考えて、ハワイと北秋田市の“バターもち”は、直接的な関わりは無かったと思われます。

 ハワイの「バターモチ」が、北秋田市の「バター餅」のルーツであるとは言えませんが、“餅+バター+卵”というレシピは、国や文化を越え、どこかで繫がっていたのかもしれません。
                               (S-サイエンティスト)