■甘利明・自民党政調会長
原発がいま、1基を除いて止まっている。このため、電力を供給するために、天然ガスを買っています。この金額が年ベースで3兆1千億円。つまり、毎年3兆1千億円、国の富が流出している状況です。ですから、安全を確認した原発は動かした方が、国民利益にかなうわけですね。
再稼働せずにやっていくためにはですね、もっともっと天然ガスを輸入して、どんどん国富を流出させて、貿易赤字を真っ赤っかにさせていけば、できるかもしれません。そうしたら、国がもちませんですよね。で、これは必ず国民負担にはね返ってきますから。
安全なものを再稼働すればいいんですよ。しかも、その安全は国際基準にのっとっているもの。しかも、日本の特殊性を考えて、耐震性は上乗せしているわけですから。世界一厳しい基準になるはずですよ。
一方で、日本の意思と関係なく、世界は原発を推進していくんです。例えば、お隣の中国は15基が稼働しています。2020年までには75基にすると発表しています。当面、取水が楽な臨海部に設置すると。つまり、東シナ海に全部それが並ぶわけです。何かあったら黄砂と一緒にぜんぶ日本に来ます。日本がやめようと、無関係に来るわけです。
日本はこの事故の経験を通じて、世界の原発をより安全にする責務があると思うんですね。そのために、技術は失ってはいけない。(NHKの番組で)