コラム3(ワールドデストラクション)
 確か発売直後だったか何か暇つぶしのゲームを買いに店で目に付いて雑誌で見た記憶がありなにげに購入し、クリアした。それからちょっと経つが今回はセガのDS用RPG「ワールド・デストラクション」。

 はじめに言っておくと自分は映画でもゲームでもそれがメジャーで一般向けであればあるほど自分が満足いく(期待する)内容でないことは覚悟の上楽しむ事にする。予定調和は百も承知でそんな期待しない中で少しでもそれを裏切れる部分があればよしとする。客観的に見て「普通の作品にしては」やるじゃんと言った感じであれば良いと・・・。

 それを踏まえた上でせっかく期待せずにはじめたのに「ひょっとしてこれは!!?」と期待をさせる伏線をちらつかせておいて見事に裏切ってくれました。充分客観的な目で展開を先読みしたつもりだったのに「わざとやっているんだろう。」というくらい救いようのないオチ。表現的な問題か撲滅などとソフトな言葉を使ってはいるが世界を破滅させると言う目的が珍しく期待してしまったのか。しょせん一般作かそれも口だけだった。

(以下ネタバレ含む)

 いろいろあるがストーリー的に大きくがっかりしたのが特に二つある。

 ひとつは撲滅委員会の正体。タイミングよくビラがまかれ主人公達がツッコミを入れるも絶対に黒幕の正体に裏があると怪しみそれがモルテを病院に運び部屋にビラが置かれて居たときに確信に変わった。実際には裏切りは皆無だった。くだらなかった。

 もうひとつはフクロウ師の記憶の罠でモルテだけがトラウマを見なかったとき。自分を知らないキリエ以上にラストでその大どんでん返しがあると直感。モルテが自分だけ見なかったことに対する突っ込みも「余計な事を。」「言わんでも分かるから。」と思っていたが本当に何もないとは。丁度物語がありきたりなRPGへと失速をはじめていたころだったからな。

 自分にしてみりゃ高級食材での調理を見せ付けられて生ゴミを出されたような感覚。それからネコ師は最後に本当の黒幕とか言う理由でバトルしろよな。そもそも目の前にいるネコ師を目的変わる前から消そうとしなかったくせに必要もなくゾウ師は戦わせるんだもんなぁ。好きな女のために世界を消してやると決めてラストは業火に包まれながらみんな仲良くさようならって言うのは甘すぎたかね?これでも充分譲歩した予想だったんだが。主人公ではないがシャドウハーツ3作目のキラーとかかっこよかったじゃん。

 次システム面。エンカウント多くてだるい。戦闘テンポ悪くてだるい。一回でも攻撃ミスったり敵の先制になるだけで地獄。戦闘中セリフ言い終るまでスキップしないしセリフそのもの間が多くてだるい。モーションにいちいちだるい間がある。敵も味方も必殺技がグダグダでだるい。たいした演出でもないのにとっておきと言わんばかりに長いしもちろんスキップできない。それ以前にドットがしょぼい。つーかドットでハードウェア拡大使うなよ。行動順番が行動後にいきなりい入れ替わったり・・・行動前に予測ぐらい表示しろよ。とにかく戦闘では終始「だぁりぃー!!」を連呼してました。

 キャラはまあ(客観的に)悪くないと思うし会話イベントもそうウザくはなかったがせっかく面白いのに余計な突っ込み(主としてアガン)のせいで引く事が多い。作り手側としてはそれでもっと面白くしているつもりだろうが。

 12獣貴師もそうだが四天皇とか八部衆みたいなボス構成は好き。あくまでただの強いモンスターでなく会話が通じてストーリー的に行動がからみ内輪もめや裏切り、友好的なやつもいたりなど上手く使えば面白くできる。でも12匹もいながら単調だったな。サメ師のようにイベントで死ぬのとかはいいんだけど。上で書いたようにワニ師の正体はあれならやらないほうがよかったよ。期待を裏切られたラスト(ラスボス)なんかいつのまにか思いっきり「あれ?これ何のゲームだっけ?」といった感じだったな。

 結果的に総合評価では買って損したまでは行かないけど(いいところもあるし)ずっと期待しないままプレイしていればもっとよかった。あと関係ないが何でこの手の大手メーカー製RPGはオープニングアニメや歌があるんだろうね。そりゃ無いよりあるほうがいいんだろうけどゲームと関係ないじゃん(ゲーム中にも使われてるんなら分かる。)。その分内容をどうにかしろって言うものが多い気がする(まあ作るのは別のところだが予算的にとかさ・・・。)。

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