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死ぬほどの恋ができない、2つの理由

誠 Biz.ID 11月30日(金)11時52分配信

死ぬほどの恋ができない、2つの理由
『20代にしておきたい17のこと』(だいわ文庫)

20代にしておきたい17のこと:
 いま、あなたには大好きな人がいますか? その人と一緒にいられたら死んでもいいというぐらい、1人の人を好きになれるかどうか。心をオープンにして情熱的に生きられるかどうか。これこそ、20代にしかできないことだといってもいいかもしれません。

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●どんな恋をしてきたか

 いま、あなたには、大好きな人がいますか?
 人間が一生懸命になるのは、誰かのことを本当に愛しているときです。

 例えばそれは好きな人のためにチョコレートを作ってあげるとか、料理を作ってあげるとかということから始まって、子どものために何かしてあげようとか、親孝行してあげようというときに、人は自然に動けるのです。

 誰かのことを愛する、恋するというのは、人間のモチベーションの中でもっとも高いものの1つではないでしょうか。誰かのことを好きになって夢中になっている人と、誰のことも好きにならず、好かれてもいない人とを比べると、楽しさとか躍動感が全然違うでしょう。

 恋愛は自分1人ではできない。相手がいてこそ成り立つものです。だから、相手に受け入れられるかどうか確証がないときに、その人のことを好きになるというのはリスクでもあります。同じように好きになってもらえるか分からないからです。

 でも、そのリスクが気にならないぐらい相手のことが好きになれるかどうか。その人と一緒にいられたら死んでもいいというぐらい、1人の人を好きになれるかどうか。これこそ、20代にしかできないことだと言ってもいいかもしれません。まだ結婚まで考えなくてもいい……相手のことが好きだということだけでいける年代が20代なのです。

 だからそのときに、将来どうなるかは関係ない、ただ相手に向かって突っ走るという体験を持つこと。それはあとになって、とても幸せなことだったと気づくでしょう。

●心をオープンにして情熱的に生きる

 私が20代のときに、60代、70代の人に「これまでの人生でいちばん後悔していることは何ですか」ということを聞いてまわったことがありました。

 そうしてもっとも多かった答えが、「死ぬほどの恋をしなかったこと」だったのです。もしかしたら、40代に聞いても同じかもしれません。

 ロマンスの映画や小説があれだけ売れるというのは、それだけ素敵な恋をしている人が少ないということなのでしょう。

 では、なぜ死ぬほどの恋ができないのか。それには2つ理由があると思います。

 1つは自分の心がオープンでないこと。

 心がオープンになっていなければ、どんなに素敵な人に出会ってもときめくことはありません。死ぬほどの恋をするのがいいというのは、自分のハートをオープンにできるからです。

 そういう体験を持てた人は、たとえその恋がかなわなくても、またいつか、何か別のことに情熱的になれます。ライフワークを生きる、よい人間関係を築くうえでも、どれだけ自分をオープンにできるかが大切になってきます。1度でも情熱の扉が開いた人というのは、その他のことでも情熱の扉が開く可能性があるのです。

 けれども恋愛で100%本気になれない人というのは、他でも本気になれないのです。

 人を好きになるというのはとても怖いことです。なぜなら、大好きな相手に受け入れてもらえるかどうか分からない。拒まれれば、死にたくなるほど傷つくこともあるでしょう。相手に受け入れられるかどうかを一旦脇に置いておいて、その人のことを好きなのかどうかをまず感じてみましょう。

 まず自分から好きになれるかどうか、自分がすごくときめくような誰かの周辺にいられるかどうか。これはその人とつき合っているかどうかは別の話で、その人の周辺に、一緒にいたいという感覚を持てることが大事だと思うのです。

●年を重ねるほど、恋愛の磁石は弱くなっていく

 死ぬほどの恋ができない理由は、もう1つあります。30代、40代になると、自分の好き嫌いが分かってきます。そうすると、自分にとって圏外の人には冷めてしまうのです。

 歳を重ねれば重ねるほど、新しいことへの感受性が鈍くなっていくということを書きましたが、恋愛の分野こそ、それがもっとも顕著に表れるといえます。30代、40代……そこまでいかなくても、すでに20代で恋愛の磁石は弱っていくのです。だから、死ぬほどの恋ができないのです。

 20代という年代は、捨てるものが少ない、失うものが少ない。でも、30代、40代、50代になってくると、自分のライフスタイルも固まるし、これがいい悪い、好き嫌いというのがはっきりしてきます。

 20代は自分のこともよく分からないから、相手に合わせたり、または相手と一緒に2人のルールをつくることができるのです。相手が多少がさつでも、整理が下手でも、収入が低くても、ちょっと傲慢でも、何か惹かれ合うものを感じ取ることができれば、案外うまくいくものです。

 30代になってくると、恋愛からすぐに結婚という話にもなりやすい。そうなると2人だけの問題でなく、お互いの家ということも絡んできます。恋愛を純粋に楽しめなくなってしまうのです。

 だから、どうなってもいいから相手のことが好きだという「前のめりな体験」を20代にしておくといいんじゃないかなと思います。

 例えばトップセールスマンの人というのはモテます。仕事ができる人はモテるのです。
 それだけ生命力エネルギーがあるということですが、エネルギッシュな人というのは、人を惹きつけます。それは恋愛でも仕事でも一緒なので、だから恋愛体質になるということは大事なことだと思うのです。

 誰かのことを一瞬にして好きになる感性がないと、好きになってももらえません。だから、「情熱を感じる」回路を弱めないことです。自分が本当に心からワクワクすることをやり続けないと、だんだんとその回路が鈍ってきます。

 20代を、自分のハートの赴くままに生きるのか、しなければならないことにがんじがらめになって生きるのか。

 自分のハートに赴くままに生きる20代と、何かやらなければならないことにまみれていく20代とでは、どれだけ違っていくのかということです。

 心がワクワクするという感覚も、いま感じているように10年後も感じられるかというと、その保証はありません。むしろ年齢がいくにつれて、何かワクワクするものに出会っても、「これは前に経験したあれだな」というデジャブ(既視感)で判断してしまう。だから、そのぶん心の動き方というのは弱くなっていってしまうのです。

 それだけ経験が増えたということでもあるので、ある意味でしかたがないことかもしれませんが、20代のうちにそれをしておくことが、磁石の力を弱らせない秘訣だと私は思います。

●愛したい人に出会えない理由

 死ぬほどの恋をしなさいといっても、でも、自分のまわりにはいい人がいないんですという答えが返ってきそうです。

 いい人がいないという人は、たぶんたくさんの人数に会っていないからでしょう。サンプルが少ないためにいい人に出会えていないだけで、自分の交際範囲を拡げるとどんどん可能性は広がります。

 また、いい人と出会うために20代に通用する方法として、「キャンセル待ち」というのもありだと思います。いいなと思う人に、すでにつき合っている人がいたとしても、その2人が結婚するかどうかの確率は、20代であればそれほど高くありません。

 いい男、いい女というのは、たいていもう誰か相手がいるものです。逆にいえば、この5年ずっとフリーでいる人よりは、誰かとつき合っていて最近別れたという人のほうが、よりいい恋愛対象になる可能性が大です。

 相手がその恋愛に悩んでいるときに相談に乗るなどして、さりげなくキャンセル待ちの列に並んでおくのです。そして、死ぬほどに愛せる人がいないというときでも、恋愛から遠ざからないように心がけましょう。

 仕事ばかりしている、家族と一緒のほうが楽しいというようになってしまうと、恋愛する隙がなくなります。たとえ、つき合っている人がいなくても、「本当に好きだ」というエネルギーのエンジンを燃やす練習をしておきましょう。

●パートナーのイメージを持つ

 将来のパートナーのイメージを持っておくことも大切です。自分のパートナーには、どういう人がいいのか。

 「こういう男性がいい」「こういう女性がいい」というイメージがないと、出会う人がみんなよく見えたり、逆に、みんな違うと思ったりということがあります。

 いちばん避けたいのは、「ちょっと違うんだけどなあ」と思いながらも結婚してしまい、あとで「どうして、こんなやつと結婚してしまったのか」と後悔することです。ちなみに、驚くほど多くの人がそういう結婚をしています。

 愛せる人に出会うには、行動範囲を拡げることです。これは、ライフワークでも同じことで、要はマーケティングなんです。

 例えば、自分が理想とする相手なら、どこでごはんを食べるだろう? どこに遊びにいくだろう? どういう人たちと一緒にいるだろう? ということを考えて、そういった人が集まっていそうなところに行けばいいのです。

 自分が好きになるような女性は、料理を学んだり、ワインの会や美術鑑賞会に出ているだろうなと思ったら、料理の教室や美術館主催のイベントに行ってみたり、あるいはお菓子作りの会に行ってみるのです。そういうふうにすると、料理が好きだとか、料理に興味のある女性に出会えるはずです。

 男性に理知的なものを求める人は、読書会や、誰か作家の講演会などに行くのもいいかもしれません。知的好奇心旺盛な男性は、そういうところにいるはずなのです。
 スポーツが好きな人がよければ、山登りのサークルに入ってみる、テニスのスクールやサークルに入るのもいいでしょう。

 そうしているうちに、こんどは、そんな自分の理想の相手にふさわしい自分になりたいと思うようになります。

 恋をするというのは、すべてのモチベーションの源になります。自分がモテたい、こういう人に愛されるようになりたいと思う気持ちが、モチベーションにもなっていくのです。

 「死ぬほどの恋」は、いまはまだ架空でもいいのです。きっとこういう人が私を好きになってくれるだろう、こういう将来が待っているだろうと思って、そのための準備をしておけば、恋は自然についてくるのではないでしょうか。

●一緒にゼロから築いていける人を選ぶと、人生は楽しくなる

 極端な話をすれば、たいていの男女は仕事が忙しすぎて、半径10メートル以内にいた独身の彼女彼氏とつき合っているのです。

 それも「縁があった」ということかもしれませんが、つき合っていくうちに「こんなはずじゃなかったのに」ということもあります。

 そうならないために、自分はどういうタイプの人と一緒にいると楽しいのか、うれしいのかということを明確にしておきましょう。

 一緒にいて、将来に対してワクワクできる相手、面白い、楽しい気持ちがわいてくる相手。そういう人を選ぶことがいちばん大事なのではないかと思います。そこには、「これがないとダメ」というような条件は必要ありません。

 相手の年収とか容姿はあまり関係ないでしょう。やはりそれは飽きるものだし、変わるものだからです。結婚して「夫が20キロ太った、だまされた」という友人がいますが、それでも幸せそうです。

 外見や条件を重視するより、自分が進みたい方向性、人生のノリが一緒の人を選んだほうがいいと私は思います。なぜなら、いま年収200万円の人と結婚しても、2人で力を合わせたら、2000万円稼ぐことも可能だし、そのほうが楽しいものです。

 人生は長いのですから、一緒にゼロからつくっていけばいいくらいの気持ちがちょうどいいのではないでしょうか。(次回は「人生が変わる本と出合う」について)

[本田健,Business Media 誠]

最終更新:11月30日(金)11時52分

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