NHKスペシャル「生激論2010 にっぽん大転換!? 」 メモ&感想
2010年1月1日(金) 午後9時00分~10時47分
総合テレビ
生激論2010 にっぽん大転換!?
戦後初めて本格的な政権交代が起こった日本。2010年は、まさにこの国の将来を占う重要な年になる。私たちの生活も、経済も、そして世界の中でのこの国の存在も、大きな変革を迫られる。「この国はどこに向かい、どんな国づくりをすべきなのか」。2010年最初のNHKスペシャルは鳩山政権のキーパーソンと有識者や経済人などの論客による大激論である。
討論のテーマは生活・経済・外交。“国民生活を再建するため”の鳩山政権初の予算案によって私たちの生活はどう変わるのか。“コンクリートから人”へのお金の使い方の変革は、疲弊した日本経済にさらなる悪影響を与えるとも懸念されているが、政治は、製造業や地方からの悲鳴に対して再生への処方箋を示すことができるのか。そして、鳩山政権は「米国との対等な関係」「アジア外交の強化」など掲げているが、どんな世界戦略で様々な課題を乗り越えようとしているのか。また、世界に日本の存在感を示すことができるのか。
政権発足から100日の“ハネムーン期間”は年末に終わりを告げ、2010年、”新生日本”は本格的に動き出すことになる。番組は大転換の年の日本の行方を展望するNHKの巻頭言。
●キャスター
三宅民夫アナウンサー
小林千恵アナウンサー
<スタジオゲスト>
● 未定 (政治家)
●東国原英夫(宮崎県知事)
●塩川正十郎(元財務大臣)
●永守重信(日本電産社長)
●金子勝(慶応義塾大学教授)
●川本裕子(早稲田大学大学院教授)
●安藤忠雄(建築家)
●マエキタミヤコ(コピーライター)
(番組HPより)
(以下、メモ)
未定だった政治家ゲストは菅直人副総理。
菅直人
・成長戦略ができて、今年は先手先手で行ける
◇
・日本のGDPは中国に抜かれ世界第3位
・2050年、日本のGDPは世界第10位
◇
討論① “にっぽんの未来”にとって鳩山政権は何点?
菅直人 80点
・主に公共事業で景気を刺激することが続いていた
・大幅にカットした、これまでは絶対にできなかったこと、これは100点
・マニフェスト通りにできなかったので20点マイナス
安藤忠雄 30点
・ずいぶん期待したが、沖縄の問題でなかなか決められない
・亀井氏や福島氏が言いたい放題、総理のリーダーシップがなかった
金子勝 55点
・及第点、大学でいうとC
・マニフェストで官僚組織を変えると言って変えてないから当たり前に膨らんだ予算が出てくる
・年金の一元化、環境税、再生エネルギーの固定価格の買取制度などはほとんど行われてない
・政権発足していきなりの予算編成で、どたばたの中でコンクリートから人へと何とかカッコつけてはいる
・多くの国民は民主党にあまり期待してないと思う、自民党が自壊しただけで
川本裕子 55点
・ぎりぎり試験を通ったイメージ
・莫大な財政赤字、企業に親切でない政策、安全保障で不安を国民が持ってる
・首脳同士が話ができない
マエキタミヤコ 67点
・期待している
・リーダーシップも大事だが国民との対話、政治家を頼り過ぎない
・事業仕分けで透明性を出したのは良かった
・本当はもっと高い点数だった、もっと表現をして欲しかった、情報発信が元日の新聞になかった
塩川正十郎 40点
・本当は20点ぐらいだったが、40点にしたのは透明性だけ
・外交はめちゃめちゃ
・予算は一過性のもので持続性があるのか
永守重信 50+10=60点
・29日までは50点、30日に成長戦略が発表された(内容にホラがあるが)ので10点加えた
・鳩山総理の決断力やリーダーシップには失望している
東国原知事 65点
・高く付けすぎた、支持率より上
・地方の目線で評価した、暫定税率の維持、直轄負担金など地方は助かった
・景気の問題がいまひとつ前進していない
・公共事業は宮崎にはマイナス、期待をこめて60点
◇
・宮崎県のある農家、建設業者の取材VTR
・予算配分の考え方 子ども手当て、農家の個別所得補償
◇
討論② 予算の多くを「人」に直接給付 賛成?反対か?
東国原知事 賛成(限度がある)
・財源を考えると限度がある
・事務的負担が複雑
・なんでもかんでもお金を配る、バラマキが倫理観のモラルハザードの問題
・それが消費に回るか疑問
・所得制限を設けるとかはある程度必要ではないか
マエキタミヤコ 賛成
・考え方の転換は素晴らしい、既成概念から脱却することは1番必要
川本裕子 賛成
・人の育成を疎かにしてきたので、人に対して厚く配分するのは賛成
・サービスの担い手が多くならないと直接補助のメリットであるサービスを消費者が選べるチャンスがない
・セットで供給者側の規制を緩めるとかルールを変えることが必要
安藤忠雄 賛成?
・子供に直接支給はバラマキにならないか、よく考える必要がある
・建設業者は長い間頑張ってきたが、550万人の人が切り捨てになる感じがする
・所得制限をした方がいいのではないか
・みんなは意外に喜んでいない、政府はそういう声も聞いて欲しい
永守重信 消極的賛成
・過去の予算配分から見ればマシだが、バラマキ的発想が強い
・企業でも、借金して払ってるから、そのうち業績悪化してしまう、倒産してしまう
・選挙目当てのような予算の気もする
菅直人 賛成
・本来ならもっと前から手当てをしなければならなかった
・非常に遅れたが、子供手当ては認めていただけると思う
・農業も直接的な補償は出ていなかった、安定的に収入を得られるという個別補償制度は世界でもある
・個別補償でより安定的な農業にしていけると思う
塩川正十郎 平均を取ること
・選挙目当て、持続性がない
・経済の成長性を考えないで公共事業が悪いと言っている、企業の育成、産業界の振興がない
菅直人
・持続性のある予算にはなっていない
・私たちも緊縮財政も考えたが、税収が落ちたこの段階では景気刺激的な姿勢は維持すべきだ
東国原知事
・個別所得補償は基本的には正しいと思う
・野菜や果樹、畜産、林業、漁業はどうするのか、財政の問題があるが、そこまでしないと平等でない
金子勝
「外国で考えた時に、東国原さんが言うように、1兆円だって少ないんです。50ヘクタールでやっている欧州でさえだいたい3分の2くらいは所得補償なんです。2000万3000万は当たり前なんです。そんな財政的なゆとりがないわけですよね。そうすると、民主党はもともと、安心安全、環境基準を強烈にして、外国からの参入を防ぎながら、同時に独自に産業化、地域の面として流通や加工も広げていって、産業として農業を成り立たせようとするビジョンがある。ところが、これはお金だけの話になっているから、ビジョン全体がどう結びついているかが見えないんです。ビジョン全体がどう結びついていくかが見えない。子ども手当てもそうで、現金で配ってちゃ駄目で、現物給付としての育児とか産科・小児科がないと、女性が子供を産む負担は軽くならないんですよ。教育も無償化しなきゃいけないんですけど。そういうところの体系的なビジョンのここに来ているんですよという説明がないんですよ」
三宅アナ
・バラマキになるかならないかは、経済が回っていくか、経済成長に繋がるか
・鳩山政権は一昨日、新成長戦略の方針を発表した
◇
経済の成長戦略
・公共事業による経済成長 第一の道
・企業の生産性向上 第ニの道
公共事業によって経済成長を目指すやり方。規制緩和などによって企業の生産性を向上させることによって成長を目指す方法。鳩山内閣はこの2つの道をそれぞれ第一の道、第二の道と名付けていますが、これが巨額の財政赤字や格差拡大を生み出す原因になったとして今回、第三の道という考え方を示しました。
第三の道 新たな需要の創造
・環境、エネルギー 電力の買取制度 約50兆円の新規市場
・医療、介護 革新的医療・介護技術など 約45兆円の新規市場
・アジア アジア全体の所得倍増させ、それを日本の成長につなげる
・GDP(名目) 473兆円(209年度)→650兆円(2020年度)
◇
討論③ 鳩山政権の新成長戦略 賛成?反対?
菅直人 大賛成
「第一の道と第ニの道が間違っているのではない、時代に合うか合わないか」
「本州四国の橋を3本造った頃から、雇用は地方に出た、お金は出た、しかし投資効果はほとんどありませんでした。で、借金は溜まりました。時代に合わなくなった第一の道は間違い。第ニの道はその後、小泉竹中路線というところで、デフレ状態の中でひとつひとつの企業の生産性を上げる、生産性を上げるのはいいんですよ、しかしそれを全部がやった時に、リストラされた人はどこへ行くのか。リストラされた人が失業の状態に、あるいは格差の中で留まったとすれば、日本全体としては成長しない。つまり企業はリストラできても、国は国民をリストラできないわけですよ。今の時代においては、需要をいかにして拡大していくのか。これは単純に財政を使うだけではありません。休暇を分散化させることによって観光を活性化させようとか。若干のお金を使うにしても、これは旧政権もやってますが、エコポイント、エコ住宅で、1兆円が5兆円10兆円の需要を生み出すような、そういう形をとることが今の時代、今の日本にとって重要だということで、あえて大賛成と書かせていただきました」
マエキタミヤコ 賛成 環境経済◎
・エコシフトしていくのはとてもいいが、新成長戦略という名前が分かりにくい
・直接人へというのはちょっと違うと思う、新しい産業を興していく
・自然資本を生かした経済に行くんだとはっきり言って欲しい
東国原知事 賛成(具体策、ロードマップが見えない)
・イギリスのブレア政権がやってるから斬新ではない
・今回の政策を見ると、自民党政権の延長でしかない、総花的
・内需を拡大するのはいいが具体的に何をするのか、投資はどうするのか、税制はどうするのか、先行きが不透明
・方向性は賛成
永守重信 反対、企業が主役となっていない
・必ずしも中身には反対ではない
・成長戦略をやるためには企業の力を借りないと不可能
・法人税は世界的にも高いし、細菌は労働強化の政策で企業のためになっていない
・GDPの半分は企業の付加価値で稼いでいるのに企業の意見が入っていない
・バッシングが激しいが大企業や金持ちが1番稼いでいる
・大企業や金持ちを叩いて成長できるのか
塩川正十郎 反対、具体策がない
・マスコミの論説委員の意見を集めてきた感じ
・もっと具体的なことを書いてもらわないと、これは評論家の文章
菅直人
・この10年ほどで16本ほどの前政権での成長戦略があった、全部精査したが1本も達成できていない
・なぜ達成できなかったのか、つまりは縦割りの役所と族議員で従来の配分を変えられない
・過去の政権にだぶっているが、やれるかやれないか
・民主党は強固な族議員はいないし、縦割りは壊すから、私はできると言っている
・永守さんは企業に厳しいと言うが、企業が1番必要なのは需要、需要があれば企業は強い
・需要こそが企業の成長を導くから、エコポイントなど需要を通して企業の頑張ってもらう
永守重信
・グローバルで戦っている、今のような条件であれば海外に出てしまう懸念を持っている
・需要をますます減らしてしまう政策になっているのでは
・法人税が40%と高過ぎる
菅直人
・その法人税はもともと自民党政権からのじゃないですか
・今になって上げたわけじゃなくて今までの継続
金子勝
・法人税が高過ぎるというのは誤解がある、社会保障を合わせればヨーロッパより軽い
・民主党が弱いのは産業政策
・なぜ反対なのかというと、マニフェストをやってない、官僚の寄せ集め
・再生エネルギーの全エネルギーの固定価格買取、地球温暖化対策で環境税、ほとんど出てこない
・グリーン化と書いてあるが小さい、買取制度は全てを買い取らないといけない、今は家庭の余剰電力だけ
◇
日本の人口の変化
2010年
・お年寄り(65歳以上) 22%
・働き手(15~64歳) 64%
2050年
・お年寄り(65歳以上) 40%
・働き手(15~64歳) 52%
働き手の減少社会は…
・国のGDP 低下
・国の借金 増大
・社会保障費の負担 大幅増
社会保障負担額
・年間77万円→112万円(年収500万円の人)
・1.5倍
◇
塩川正十郎
・第三の道は賛成、みんながそう思ってるから政権交代したんでしょ
・空想をするなら論説委員
川本裕子
・社会全体で子育てをするのは最大の成長戦略
・社会保障などに不安があると消費が進まないので、人に安全網というのは非常にいいこと
・誰がお金を稼ぐのかというと企業、企業にもっと規制緩和しないと
・誰が富を生み出すのか、企業が税金を納めないと
金子勝
・あらゆる
・1人当たりのGDPが落ちた、産業力も落ちた
・踏襲しているだけで
・根本的な制度的な改革がないので、いくら手当てを増やしても消費に結びつかない
塩川正十郎
・手当てが需要に振り替わっていくか分からない
東国原知事
・2~3%経済成長するという、実行できる具体的な政策を見せてくれ
金子勝
・官民一体になって市場を作り出して規模のメリットで
・科学技術のイノベーションが必要なのに具体的な策が出てこないのが不満
塩川正十郎
・企業を悪と見ているんですよ
金子勝
・産業を一緒に引っ張っていく強い政策が必要
マエキタミヤコ
・企業だけじゃなくて、お金がダイナミックに社会をいろいろ回っていくと考えた方がいい
塩川正十郎
・具体的にどうするんですか
マエキタミヤコ
・モニタリングが足りない
永守重信
・人口が減って資源もない中で、内需だけでは
・外需で戦おうと思ったら企業が勝てる土俵を作らないと
・日本の企業が十分に戦える土俵に立っていると思ってますか
菅直人
・アジアとの関係は外需ですよ
・ゼネコンは国内では仕事が少ないが、インドなどでは潜在的には需要がある
・ベトナムの新幹線、ブラジルも、日本の技術は政府が応援すれば可能性がある
安藤忠雄
・ベトナムの新幹線はいいと思う
・雇用は日本では増えない
・向こうで大企業が仕事を取っていくが、働くのは現地の人
菅直人
・長期的には人口が減るから労働力が減っていく
・女性や高齢者をもっと働けるようにしようとか、労働人口を維持しようと書いてある
・外国人を入れるかは書いてない、いろいろな問題がある、ドイツの例もあるので
・アジアの成長とともに日本も成長していくという考え方が大きな柱
川本裕子
・実行力が問題
・第4の道に行かないか心配、社会主義的な道に行かないか
・規制改革もきちんとやって欲しい
菅直人
・橋本政権の省庁再編、情報と通信、情報は通産省、通信は郵政省、当然一緒になると思ったら、族議員が動いて郵政省は自治省と一緒になった
・いまだに情報は経産省、通信は郵政省
・これは過去の失敗の象徴的な例
東国原知事東
・小さな問題かもしれないが小さな問題が大切
・内閣府の発表、30代女性の50%が結婚しなくてもいい、子供を産まなくてもいい
・宮崎は70%以上が結婚したい、子供をを生みたい
・地方で子育てをして人口を維持するような具体的な政策が見えてこない
三宅アナ
・需要が企業の力になり、社会を動かしていく力になっていくか
・こうすれば日本が良くなるというアイデアを書いてください
◇
討論④ 日本の未来のための成長戦略は
マエキタミヤコ 手分けのアート、ワークシェアでスローライフ
・少子化の話は女性のデリケートな問題、愛し合う時間が必要
・時間が必要で成長ということで思いつくのは長時間労働、もっと見つめて考えて欲しい
・それにはワークシェア、オランダでは30年前からやっている
安藤忠雄 日本海、海洋牧場
・日本海で日本のタンパク源をいっぱい取っているが漁獲量が減っている
・ロシア、北朝鮮、韓国、中国がタンパク源に可能性を懸けている、日本が立ち上がったらいい
・海洋牧場で漁業を変える、瀬戸内海も海洋牧場に、淡路島を農業特区に
菅直人 坂の上の雲をめざす
・とにかく日本でベンチャーが育たない
・技術とお金とマネージメント、だいたいマネージメントで失敗している
・ベンチャーが育つ国にしないと元気になったことにならない
永守重信 ベンチャー企業をたくさん作った大学に補助金
・京都では出てきたが、この15年は出ていない
・ベンチャーが出てこない国は衰退する、限界がある
・大学生が一流大学を出て大企業に入ろうとする、これを変えないといけない
金子勝 供給基地
「衰退している北海道、東北、あるいは九州、四国といった地域をを再生エネルギーと食料生産の一大基地にすると。それをスマートグリッドで大都市に結び付けていくというような、民主党が日本版グリーンニューディールを本気でやるならば、そのくらいの大きなエネルギー転換を起こしていくと。当然、エコ家電とかエコカーとか、世界で起きていることはそういうことですから。サハラ砂漠に太陽光電池が並び、北海やバルト海で風力発電がばーっと並ぶ時代ですから。世界の流れに遅れないようにしないといけない。その時に日本型スマートグリッドなんて馬鹿なことは言わない方がいいと。GEとグーグルが組んでオープンソースでやっているそういうインフラですから。日本の中でそういう技術がなければ出せないんですね。水だとか新幹線とかは出せても、次世代のこういうエネルギー転換が1番イノベーションを生み出しやすいところで、戦略的な行動を取って欲しい」
三宅アナ
・思い切ったことをやろうというのが共通の考え方
塩川正十郎 自己責任を尊重する国
・日本人の自己責任が希薄になってきた
・責任を取りたがらないから、社会や政治に行き詰まりが出てきた
川本裕子 少子化対策、フランスに続け
東国原知事 地方分権(グローバル、ローカル)
◇
鳩山政権の新成長戦略
第三の道 新たな需要の創出
東アジア共同体構想
・EUが構想の原型
・貿易や金融、環境面で協力
世界の目にはどう映っているのでしょうか。
中国、ヨーロッパ、アメリカ、3人の日本研究家に聞きました。
カレル・ヴァン・ウォルフレンさん アムステルダム大学名誉教授
「日本はアメリカに助けてもらい経済大国になりました。しかし、そうした時代は終わりました。すっかり状況は変わったのです。太平洋ばかり向くのではなく、これからは視線を180度変えユーラシア大陸に向けてください。東アジアと欧州は陸路で結ばれている上に大陸には天然資源もたくさん眠っています。貿易や経済で互いに大きな利益をあげられるのです」
王新生さん 北京大学教授
「ご存知のように中国には貧富の差や地域格差があります。経済発展し、生活水準を向上させないといけません。東アジア共同体ができれば、人もモノも移動自由になります。日中韓と東南アジアの間で人材も活発に交流するでしょう。日本は外国人労働者を得られ、中国は日本から技術者を得られる。相互に移民を受け入れることでお互いが得をするのです」
ケント・カルダーさん ライシャワー東アジア研究所・所長
「東アジア共同体が日中に加え、インドやオーストラリアなど多くの大国を含む組織ならアメリカは反対しません。しかし、一国が圧倒的な力を持つのは問題があると考えるでしょう。何も中国を入れるなとか封じ込めろとは言ってません。一国が支配しない、バランスの良い共同体が望ましいのです」
急速に台頭する中国。このままでは日本が中国に圧倒されてしまうのではないか、カルダーさんは今こそ経済面でも安全保障面でも日米関係が大切になると主張します。
ケント・カルダーさん ライシャワー東アジア研究所・所長
「結局のところ中国と日本では国の大きさが違います。中国の人口は日本の10倍ですよ。強大な国力を持つ中国に対して日米関係強化でバランスをとる。そうすることでアジア太平洋地域の安定を保てるのです」
◇
討論⑤ “世界の中のニッポン”私たちの選択は アメリカ重視?アジア重視?
三宅アナ
・分かりやすく話をしていくために選択肢を出した
塩川正十郎 日米関係を重視のうえアジアを考える
・アメリカを軽く見るようなことを考えては駄目
・かつて日英同盟で日本が孤立していったことを考えると孤立してはいかん
・日米を重視してアジアとの関係を緊密にする
金子勝 アジア重視→等距離
「これから成長力があるのは東アジアですので、ドルが非常に不安定化している中で、実質的に通貨防衛の枠組みができつつある状況を考えるとアジア重視になると。しかし、これまでのアメリカとの軍事的な関係を考えると、極端な政策を現実に取ることは難しいと。だけど、基本は東アジアを逃してしまうとこの国は生き残れないということは確か」
菅直人 両方を重視
・日米関係は安全保障と経済の面で重要、特に安全保障で
・文化と経済はアジア、経済のウェイトが高まりつつある
・違いを認識した中で、アジアは文化を共通基盤にしながら経済で関係を作っていく
永守重信 どちらとも言えない
マエキタミヤコ アジア(EU) 今まで偏っていたのでバランスをとる
◇
対米・対中貿易額の見通し
・対中貿易は2020年になるとアメリカの3倍になるという予測
◇
安藤忠雄 東アジア+アメリカ
・アジアの人の顔は光っている、アジアの経済、元気を馬鹿にできない
・東アジア構想はいいが、アジアの人は日本に興味がある、日本人の心が開いていない
・日本人の心を開いていかないといけない
東国原知事 ウェイトはアメリカに置きどちらも重視
・菅さんと同じじゃないかなと思っている
・安全保障はアメリカ無くしては考えられない、ドラスティックな変更は無理
・アジアの成長を取り込めなければ無理、金子さんのおっしゃった通り
◇
2004年に拡大したEU
・ドイツでは産業の空洞化、労働力の安い国に工場移転
・他国の労働者が高い賃金を求めドイツに流入
・ドイツの失業率 10%(2004年)→13%(2005年)
◇
塩川正十郎
・いろんな会議をやっているが国債会議は同じようなことばかりやっている
・APECならAPECで網羅しているんだから、日本がリーダーシップを取ろうとやったらどうか
三宅アナ
・産業の空洞化や失業率などの問題が出ていますが
川本裕子
・2ウェイで考えていくことが大事、交流を進めていった方がいい
永守重信
・我が社はアジアでは出てない国はないというくらい出ている
・東アジア共同体は我々としては自由に進出できるからいい
・アメリカやアジアという選択ではなく還流して繋がっている
・アジア、アジアと言い過ぎるとアメリカがへそを曲げる
塩川正十郎
・EUとよく比べるが、そうはならない
・EUはキリスト教中心としたブロック、過密な状態
・アジアは違う、非常に余裕のある地理的状況、無理してヨーロッパ並みに持っていく必要はない
三宅アナ
・新成長戦略では、人、モノ、金の流れを2倍にしていくという構想が謳われている
東国原知事
・労働力の空洞化もそうですが、これは大変なことになる、特に農林水産関係は
・インフラをどう整備するか、これをクリアしないと
永守重信
・活性化すると思う
塩川正十郎
・理屈ばかり言ってちっとも進んでない
菅直人
・坂の上の雲と書いたのは、若者の消極性
・外国に留学したいという人が減っているし、優秀な人が外に行きたがらない
・日本全体が、若者の意識が収縮している
東国原知事
・夢を持てるような政治や社会ではない
川本裕子
・若者にだけ野心を持て、外に向かっていけと言っても無理
菅直人
・それは卵と鶏の関係でどちらとも言えない
・原始的な元気を取り戻さないと中国やインドに負けていく
マエキタミヤコ
・教育は多様性、国益ではなく世界益
・グローバルコモンズ、地球の資源は限られている
・どうやってみんなで力を合わせて世界益を実現するか
金子勝
「例えば、地球温暖化を阻止するために、みんながCO2削減のために産業をいっぺんに変えましょうと、いっせいに更新投資をすれば、80年前に戦争に行った道を避けて世界同時不況を抜けられますよという、そういう語りを、どうしても人と生きていくことと関わると必要なんですよ。その時に、中国の関係で実は、戦争の反省みたいな問題を甘く見ちゃいけない。教育でずっと植民地化の歴史を教えてるわけですから。当然のこと相互理解していかなきゃいけない。EUではフランス・ドイツの間で時間がかかったわけですよ。我々もそれを努力しなきゃいけない。もう一方で、菅さんがいみじくも言ったように、つまり、我々はどこか低いものとして見て市場だと思っているけども、彼らは猛烈なライバルでもあるんです。2000億ドルの科学技術投資をしているし、有人宇宙飛行もやろうとしてるし、再生可能エネルギーは日本のようなたるい政策じゃなくて、いっせいに内陸部に広げてますから。そうすると、我々はライバルと協調しながら、一緒に競争しながら、そこで勝っていくというような、強い政策を出して欲しいんですよ」
東国原知事
・子ども手当てや高校無償化は若者に夢や希望を与えるのか
・あの借金は子供が大きくなったらいずれ払わなければいけない
金子勝
「僕が民主党の新成長戦略に不満があるのは、年金や健康保険の一元化ということを言っていたんですよ。最低限正社員も非正規社員も等しく扱いましょうとかいう条件ですよ。あるいは、母子家庭のように、非常に貧困に陥った子供を育てられないような状況を無くしましょうと。最低限を揃えるだけではなくて、雇用も同時に作っていかないといけない。明らかに市場任せで失敗してきたわけだから、しっかりした産業戦略で、世界の中でエネルギー転換でもう一度産業構造を転換してこの不況を乗り切ろうとしているわけだから、そこで先頭に立つような気分、CO2の25%削減はいいけど、具体的な政策でもっとドラスティックな…」
川本裕子
・若者がリスクを取れない事情がある
・若者が消極的だからと菅さんにおっしゃって欲しくない
三宅アナ
・結局、この国のありように話が戻ってきた
・この国をどうするかというビジョンが問われている
菅直人
「1番最初に言えばよかったんですけど、今度の政権は革命だと思ってます。また、革命でなければ駄目だと思っている。つまりは、明治と昭和20年に続く革命でないといけないんです。つまり、今までの構造が完全に行き詰っているわけです、いろんな意味で。それをまず壊さないといけない。私たちが官僚主導から政治主導へと言ったのは、そのひとつの柱が、これまでの体制を維持した柱が今の日本の官僚組織、それから政治組織にある。ですから、民主党がパーフェクトだって思ってません。今までのパターンを変える力があると私は思ってますから。それが本格的に始まるのが今年からだ、今日からだと思ってます」
金子勝
・菅さんにマニフェストとインデックス2009を読んで欲しい、非常にいい政策が書いてあるが実行していない
安藤忠雄
・日本の国をどうするんだという声が聞こえてこない
・日本全体に元気がないのに若者に元気が出たらおかしいじゃないですか
・3万人を超える人が自殺をしている、10年で30万人、ひとつの大きな都市が消えている
・政治がはっきりした方向を示さないと困る、具体的な話を
菅直人
「ひとつだけ具体的なことを言いますと、今朝NHKの隣のオリンピックセンターに行ってきました。去年は日々や公園での派遣村だったんです。それを今年は少なくともオリンピックセンターを借りて、湯浅さんにも協力していただいて、800人くらいの方が今、すぐ近くに泊まっておられます。もちろん一時的ですよ、3日までですから。4日以降も何とかしなきゃならない。政権が変わることで少なくとも公園ではないところで年末年始が過ごせる、その後に繋げていこうと。金子さんはやってないやってないと言われますが、私たちはそういう基本のところはきちんと押さえながら、同時に、まさに環境エネルギーを軸にした、あるいは医療や介護を軸にしたイノベーション、これを我々はグリーンイノベーションとライフイノベーションという名前をつけているわけです。そういう形で、さっき世界益とも言われましたけど、世界中にその技術を持っていくことによって、日本だけじゃありませんよ、13億トンのCO2削減を実現しようというのが入っている。13億トンは日本の現在出しているCO2の総量ですから、それに匹敵するものを世界の中で削減していこうと」
金子勝
「これは官僚の寄せ集め、マニフェストに書いてあることと違いますよ」
菅直人
「そんなことありません」
東国原知事
・個人的には菅さんが総理大臣になるべきだと思っている
・期待外れだったと国民の半分以上は思っている、内閣支持率も半分以下になった
・夢や希望を与えてくれると期待をしていた、3ヶ月待ったが何もない
菅直人
「あまり政治の議論をするべきではないですが、あえて言えば、今民主党の中で1番評価されているのは、民主党はあんな若い人もいたの、こんな若い人もいたのと、大臣や副大臣や政務官がこんなにいたのということなんです。それはチームなんです。チームとしてどう動くかなんです。誰がトップをやったって100%の人はいません。しかし私は、この政権交代は、新しいチームが前面に出てきたわけですから。そういう意味で、100日経ちましたけれど、いよいよこれからが本番と国民の皆様には見てもらいたいと思います」
金子勝
「マニフェストを作ったのは40代前後の若い議員ですから、そういう人たちがやったことをちゃんとやって欲しいんですよ」
◇
討論⑥ 私たちが心豊かに暮らすには
三宅アナ
・日本人への提言を書いてください
塩川正十郎 責任感、積極性
・信頼される政治にならないといけない、自民党もだらしないところがある
・民主党政権になってからトップの人がみんな汚れている
川本裕子 人を勇気づける
・日本は豊かだし安全だし、人を褒めることが大事
・鷹を育てていく、若者を勇気づけ勇気づけられ
マエキタミヤコ 人間らしく生きてるかい?と尋ねあおう。直接幸せになろう。命のリアリティ。
・経済は経世済民だから、何が幸せなの?という会話を
・政治家だけに頼らない、政治のブランディングを
安藤忠雄 価値観を変える
・政府に頼らない、お金に頼らない、自分で責任を持って家族を養っていく
・日本は人に頼りすぎたと思う、これからは自分でしっかり生きていく
金子勝 公共資本主義
永守重信 頑張れば報われる国(社会)
菅直人 覚悟・志
東国原知事 価値変革
(以上)
ゲストの人選はどうにかならなかったのでしょうか。
NHKは極端な人ばかり集めましたね。
塩川氏なんて何のために呼んだのでしょうか。
いまだにバカの一つ覚えみたいに自己責任の連呼をしていて、トップが汚れていると民主党批判。それもいいですが、全部まずは自民党に言えという話です。川本裕子氏も新自由主義の申し子みたいな人でしたね。企業、供給サイドのことしか頭にないようでした。誰がお金を稼いでいるのか、と言っていましたが、労働者が消費してくれないと企業は稼げないんですけどね。今まで大企業を優遇してきて消費が増えたことがありましたか、と。マエキタミヤコさんも言っていることはけっこう賛同できましたが、全体的に発言がふわっとしていて、一般の人はピンと来なかったのではないでしょうか。もっと日本全体を見据えた、政策に詳しい人の意見を聞きたいんですよ。そんな中で金子勝氏の発言は注目していたので全文書き起こしたりしました。次世代のエネルギー転換が1番イノベーションを生み出しやすいという主張には同意します。CO2の25%削減が予定通りに実現できるかは別にしても、そこに向かっていかないと日本に新たな産業は育ちませんし、世界で生き残っていけないので、もっと具体的なビジョン、政策を打ち出して欲しいです。介護や農業だけでは景気はよくなりませんし、世界で戦えません。菅直人氏は思っていたよりちゃんとした認識はしていると思いましたね。国家戦略室が機能するか注目したいと思います。
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生激論2010 にっぽん大転換!?
戦後初めて本格的な政権交代が起こった日本。2010年は、まさにこの国の将来を占う重要な年になる。私たちの生活も、経済も、そして世界の中でのこの国の存在も、大きな変革を迫られる。「この国はどこに向かい、どんな国づくりをすべきなのか」。2010年最初のNHKスペシャルは鳩山政権のキーパーソンと有識者や経済人などの論客による大激論である。
討論のテーマは生活・経済・外交。“国民生活を再建するため”の鳩山政権初の予算案によって私たちの生活はどう変わるのか。“コンクリートから人”へのお金の使い方の変革は、疲弊した日本経済にさらなる悪影響を与えるとも懸念されているが、政治は、製造業や地方からの悲鳴に対して再生への処方箋を示すことができるのか。そして、鳩山政権は「米国との対等な関係」「アジア外交の強化」など掲げているが、どんな世界戦略で様々な課題を乗り越えようとしているのか。また、世界に日本の存在感を示すことができるのか。
政権発足から100日の“ハネムーン期間”は年末に終わりを告げ、2010年、”新生日本”は本格的に動き出すことになる。番組は大転換の年の日本の行方を展望するNHKの巻頭言。
●キャスター
三宅民夫アナウンサー
小林千恵アナウンサー
<スタジオゲスト>
● 未定 (政治家)
●東国原英夫(宮崎県知事)
●塩川正十郎(元財務大臣)
●永守重信(日本電産社長)
●金子勝(慶応義塾大学教授)
●川本裕子(早稲田大学大学院教授)
●安藤忠雄(建築家)
●マエキタミヤコ(コピーライター)
(番組HPより)
(以下、メモ)
未定だった政治家ゲストは菅直人副総理。
菅直人
・成長戦略ができて、今年は先手先手で行ける
◇
・日本のGDPは中国に抜かれ世界第3位
・2050年、日本のGDPは世界第10位
◇
討論① “にっぽんの未来”にとって鳩山政権は何点?
菅直人 80点
・主に公共事業で景気を刺激することが続いていた
・大幅にカットした、これまでは絶対にできなかったこと、これは100点
・マニフェスト通りにできなかったので20点マイナス
安藤忠雄 30点
・ずいぶん期待したが、沖縄の問題でなかなか決められない
・亀井氏や福島氏が言いたい放題、総理のリーダーシップがなかった
金子勝 55点
・及第点、大学でいうとC
・マニフェストで官僚組織を変えると言って変えてないから当たり前に膨らんだ予算が出てくる
・年金の一元化、環境税、再生エネルギーの固定価格の買取制度などはほとんど行われてない
・政権発足していきなりの予算編成で、どたばたの中でコンクリートから人へと何とかカッコつけてはいる
・多くの国民は民主党にあまり期待してないと思う、自民党が自壊しただけで
川本裕子 55点
・ぎりぎり試験を通ったイメージ
・莫大な財政赤字、企業に親切でない政策、安全保障で不安を国民が持ってる
・首脳同士が話ができない
マエキタミヤコ 67点
・期待している
・リーダーシップも大事だが国民との対話、政治家を頼り過ぎない
・事業仕分けで透明性を出したのは良かった
・本当はもっと高い点数だった、もっと表現をして欲しかった、情報発信が元日の新聞になかった
塩川正十郎 40点
・本当は20点ぐらいだったが、40点にしたのは透明性だけ
・外交はめちゃめちゃ
・予算は一過性のもので持続性があるのか
永守重信 50+10=60点
・29日までは50点、30日に成長戦略が発表された(内容にホラがあるが)ので10点加えた
・鳩山総理の決断力やリーダーシップには失望している
東国原知事 65点
・高く付けすぎた、支持率より上
・地方の目線で評価した、暫定税率の維持、直轄負担金など地方は助かった
・景気の問題がいまひとつ前進していない
・公共事業は宮崎にはマイナス、期待をこめて60点
◇
・宮崎県のある農家、建設業者の取材VTR
・予算配分の考え方 子ども手当て、農家の個別所得補償
◇
討論② 予算の多くを「人」に直接給付 賛成?反対か?
東国原知事 賛成(限度がある)
・財源を考えると限度がある
・事務的負担が複雑
・なんでもかんでもお金を配る、バラマキが倫理観のモラルハザードの問題
・それが消費に回るか疑問
・所得制限を設けるとかはある程度必要ではないか
マエキタミヤコ 賛成
・考え方の転換は素晴らしい、既成概念から脱却することは1番必要
川本裕子 賛成
・人の育成を疎かにしてきたので、人に対して厚く配分するのは賛成
・サービスの担い手が多くならないと直接補助のメリットであるサービスを消費者が選べるチャンスがない
・セットで供給者側の規制を緩めるとかルールを変えることが必要
安藤忠雄 賛成?
・子供に直接支給はバラマキにならないか、よく考える必要がある
・建設業者は長い間頑張ってきたが、550万人の人が切り捨てになる感じがする
・所得制限をした方がいいのではないか
・みんなは意外に喜んでいない、政府はそういう声も聞いて欲しい
永守重信 消極的賛成
・過去の予算配分から見ればマシだが、バラマキ的発想が強い
・企業でも、借金して払ってるから、そのうち業績悪化してしまう、倒産してしまう
・選挙目当てのような予算の気もする
菅直人 賛成
・本来ならもっと前から手当てをしなければならなかった
・非常に遅れたが、子供手当ては認めていただけると思う
・農業も直接的な補償は出ていなかった、安定的に収入を得られるという個別補償制度は世界でもある
・個別補償でより安定的な農業にしていけると思う
塩川正十郎 平均を取ること
・選挙目当て、持続性がない
・経済の成長性を考えないで公共事業が悪いと言っている、企業の育成、産業界の振興がない
菅直人
・持続性のある予算にはなっていない
・私たちも緊縮財政も考えたが、税収が落ちたこの段階では景気刺激的な姿勢は維持すべきだ
東国原知事
・個別所得補償は基本的には正しいと思う
・野菜や果樹、畜産、林業、漁業はどうするのか、財政の問題があるが、そこまでしないと平等でない
金子勝
「外国で考えた時に、東国原さんが言うように、1兆円だって少ないんです。50ヘクタールでやっている欧州でさえだいたい3分の2くらいは所得補償なんです。2000万3000万は当たり前なんです。そんな財政的なゆとりがないわけですよね。そうすると、民主党はもともと、安心安全、環境基準を強烈にして、外国からの参入を防ぎながら、同時に独自に産業化、地域の面として流通や加工も広げていって、産業として農業を成り立たせようとするビジョンがある。ところが、これはお金だけの話になっているから、ビジョン全体がどう結びついているかが見えないんです。ビジョン全体がどう結びついていくかが見えない。子ども手当てもそうで、現金で配ってちゃ駄目で、現物給付としての育児とか産科・小児科がないと、女性が子供を産む負担は軽くならないんですよ。教育も無償化しなきゃいけないんですけど。そういうところの体系的なビジョンのここに来ているんですよという説明がないんですよ」
三宅アナ
・バラマキになるかならないかは、経済が回っていくか、経済成長に繋がるか
・鳩山政権は一昨日、新成長戦略の方針を発表した
◇
経済の成長戦略
・公共事業による経済成長 第一の道
・企業の生産性向上 第ニの道
公共事業によって経済成長を目指すやり方。規制緩和などによって企業の生産性を向上させることによって成長を目指す方法。鳩山内閣はこの2つの道をそれぞれ第一の道、第二の道と名付けていますが、これが巨額の財政赤字や格差拡大を生み出す原因になったとして今回、第三の道という考え方を示しました。
第三の道 新たな需要の創造
・環境、エネルギー 電力の買取制度 約50兆円の新規市場
・医療、介護 革新的医療・介護技術など 約45兆円の新規市場
・アジア アジア全体の所得倍増させ、それを日本の成長につなげる
・GDP(名目) 473兆円(209年度)→650兆円(2020年度)
◇
討論③ 鳩山政権の新成長戦略 賛成?反対?
菅直人 大賛成
「第一の道と第ニの道が間違っているのではない、時代に合うか合わないか」
「本州四国の橋を3本造った頃から、雇用は地方に出た、お金は出た、しかし投資効果はほとんどありませんでした。で、借金は溜まりました。時代に合わなくなった第一の道は間違い。第ニの道はその後、小泉竹中路線というところで、デフレ状態の中でひとつひとつの企業の生産性を上げる、生産性を上げるのはいいんですよ、しかしそれを全部がやった時に、リストラされた人はどこへ行くのか。リストラされた人が失業の状態に、あるいは格差の中で留まったとすれば、日本全体としては成長しない。つまり企業はリストラできても、国は国民をリストラできないわけですよ。今の時代においては、需要をいかにして拡大していくのか。これは単純に財政を使うだけではありません。休暇を分散化させることによって観光を活性化させようとか。若干のお金を使うにしても、これは旧政権もやってますが、エコポイント、エコ住宅で、1兆円が5兆円10兆円の需要を生み出すような、そういう形をとることが今の時代、今の日本にとって重要だということで、あえて大賛成と書かせていただきました」
マエキタミヤコ 賛成 環境経済◎
・エコシフトしていくのはとてもいいが、新成長戦略という名前が分かりにくい
・直接人へというのはちょっと違うと思う、新しい産業を興していく
・自然資本を生かした経済に行くんだとはっきり言って欲しい
東国原知事 賛成(具体策、ロードマップが見えない)
・イギリスのブレア政権がやってるから斬新ではない
・今回の政策を見ると、自民党政権の延長でしかない、総花的
・内需を拡大するのはいいが具体的に何をするのか、投資はどうするのか、税制はどうするのか、先行きが不透明
・方向性は賛成
永守重信 反対、企業が主役となっていない
・必ずしも中身には反対ではない
・成長戦略をやるためには企業の力を借りないと不可能
・法人税は世界的にも高いし、細菌は労働強化の政策で企業のためになっていない
・GDPの半分は企業の付加価値で稼いでいるのに企業の意見が入っていない
・バッシングが激しいが大企業や金持ちが1番稼いでいる
・大企業や金持ちを叩いて成長できるのか
塩川正十郎 反対、具体策がない
・マスコミの論説委員の意見を集めてきた感じ
・もっと具体的なことを書いてもらわないと、これは評論家の文章
菅直人
・この10年ほどで16本ほどの前政権での成長戦略があった、全部精査したが1本も達成できていない
・なぜ達成できなかったのか、つまりは縦割りの役所と族議員で従来の配分を変えられない
・過去の政権にだぶっているが、やれるかやれないか
・民主党は強固な族議員はいないし、縦割りは壊すから、私はできると言っている
・永守さんは企業に厳しいと言うが、企業が1番必要なのは需要、需要があれば企業は強い
・需要こそが企業の成長を導くから、エコポイントなど需要を通して企業の頑張ってもらう
永守重信
・グローバルで戦っている、今のような条件であれば海外に出てしまう懸念を持っている
・需要をますます減らしてしまう政策になっているのでは
・法人税が40%と高過ぎる
菅直人
・その法人税はもともと自民党政権からのじゃないですか
・今になって上げたわけじゃなくて今までの継続
金子勝
・法人税が高過ぎるというのは誤解がある、社会保障を合わせればヨーロッパより軽い
・民主党が弱いのは産業政策
・なぜ反対なのかというと、マニフェストをやってない、官僚の寄せ集め
・再生エネルギーの全エネルギーの固定価格買取、地球温暖化対策で環境税、ほとんど出てこない
・グリーン化と書いてあるが小さい、買取制度は全てを買い取らないといけない、今は家庭の余剰電力だけ
◇
日本の人口の変化
2010年
・お年寄り(65歳以上) 22%
・働き手(15~64歳) 64%
2050年
・お年寄り(65歳以上) 40%
・働き手(15~64歳) 52%
働き手の減少社会は…
・国のGDP 低下
・国の借金 増大
・社会保障費の負担 大幅増
社会保障負担額
・年間77万円→112万円(年収500万円の人)
・1.5倍
◇
塩川正十郎
・第三の道は賛成、みんながそう思ってるから政権交代したんでしょ
・空想をするなら論説委員
川本裕子
・社会全体で子育てをするのは最大の成長戦略
・社会保障などに不安があると消費が進まないので、人に安全網というのは非常にいいこと
・誰がお金を稼ぐのかというと企業、企業にもっと規制緩和しないと
・誰が富を生み出すのか、企業が税金を納めないと
金子勝
・あらゆる
・1人当たりのGDPが落ちた、産業力も落ちた
・踏襲しているだけで
・根本的な制度的な改革がないので、いくら手当てを増やしても消費に結びつかない
塩川正十郎
・手当てが需要に振り替わっていくか分からない
東国原知事
・2~3%経済成長するという、実行できる具体的な政策を見せてくれ
金子勝
・官民一体になって市場を作り出して規模のメリットで
・科学技術のイノベーションが必要なのに具体的な策が出てこないのが不満
塩川正十郎
・企業を悪と見ているんですよ
金子勝
・産業を一緒に引っ張っていく強い政策が必要
マエキタミヤコ
・企業だけじゃなくて、お金がダイナミックに社会をいろいろ回っていくと考えた方がいい
塩川正十郎
・具体的にどうするんですか
マエキタミヤコ
・モニタリングが足りない
永守重信
・人口が減って資源もない中で、内需だけでは
・外需で戦おうと思ったら企業が勝てる土俵を作らないと
・日本の企業が十分に戦える土俵に立っていると思ってますか
菅直人
・アジアとの関係は外需ですよ
・ゼネコンは国内では仕事が少ないが、インドなどでは潜在的には需要がある
・ベトナムの新幹線、ブラジルも、日本の技術は政府が応援すれば可能性がある
安藤忠雄
・ベトナムの新幹線はいいと思う
・雇用は日本では増えない
・向こうで大企業が仕事を取っていくが、働くのは現地の人
菅直人
・長期的には人口が減るから労働力が減っていく
・女性や高齢者をもっと働けるようにしようとか、労働人口を維持しようと書いてある
・外国人を入れるかは書いてない、いろいろな問題がある、ドイツの例もあるので
・アジアの成長とともに日本も成長していくという考え方が大きな柱
川本裕子
・実行力が問題
・第4の道に行かないか心配、社会主義的な道に行かないか
・規制改革もきちんとやって欲しい
菅直人
・橋本政権の省庁再編、情報と通信、情報は通産省、通信は郵政省、当然一緒になると思ったら、族議員が動いて郵政省は自治省と一緒になった
・いまだに情報は経産省、通信は郵政省
・これは過去の失敗の象徴的な例
東国原知事東
・小さな問題かもしれないが小さな問題が大切
・内閣府の発表、30代女性の50%が結婚しなくてもいい、子供を産まなくてもいい
・宮崎は70%以上が結婚したい、子供をを生みたい
・地方で子育てをして人口を維持するような具体的な政策が見えてこない
三宅アナ
・需要が企業の力になり、社会を動かしていく力になっていくか
・こうすれば日本が良くなるというアイデアを書いてください
◇
討論④ 日本の未来のための成長戦略は
マエキタミヤコ 手分けのアート、ワークシェアでスローライフ
・少子化の話は女性のデリケートな問題、愛し合う時間が必要
・時間が必要で成長ということで思いつくのは長時間労働、もっと見つめて考えて欲しい
・それにはワークシェア、オランダでは30年前からやっている
安藤忠雄 日本海、海洋牧場
・日本海で日本のタンパク源をいっぱい取っているが漁獲量が減っている
・ロシア、北朝鮮、韓国、中国がタンパク源に可能性を懸けている、日本が立ち上がったらいい
・海洋牧場で漁業を変える、瀬戸内海も海洋牧場に、淡路島を農業特区に
菅直人 坂の上の雲をめざす
・とにかく日本でベンチャーが育たない
・技術とお金とマネージメント、だいたいマネージメントで失敗している
・ベンチャーが育つ国にしないと元気になったことにならない
永守重信 ベンチャー企業をたくさん作った大学に補助金
・京都では出てきたが、この15年は出ていない
・ベンチャーが出てこない国は衰退する、限界がある
・大学生が一流大学を出て大企業に入ろうとする、これを変えないといけない
金子勝 供給基地
「衰退している北海道、東北、あるいは九州、四国といった地域をを再生エネルギーと食料生産の一大基地にすると。それをスマートグリッドで大都市に結び付けていくというような、民主党が日本版グリーンニューディールを本気でやるならば、そのくらいの大きなエネルギー転換を起こしていくと。当然、エコ家電とかエコカーとか、世界で起きていることはそういうことですから。サハラ砂漠に太陽光電池が並び、北海やバルト海で風力発電がばーっと並ぶ時代ですから。世界の流れに遅れないようにしないといけない。その時に日本型スマートグリッドなんて馬鹿なことは言わない方がいいと。GEとグーグルが組んでオープンソースでやっているそういうインフラですから。日本の中でそういう技術がなければ出せないんですね。水だとか新幹線とかは出せても、次世代のこういうエネルギー転換が1番イノベーションを生み出しやすいところで、戦略的な行動を取って欲しい」
三宅アナ
・思い切ったことをやろうというのが共通の考え方
塩川正十郎 自己責任を尊重する国
・日本人の自己責任が希薄になってきた
・責任を取りたがらないから、社会や政治に行き詰まりが出てきた
川本裕子 少子化対策、フランスに続け
東国原知事 地方分権(グローバル、ローカル)
◇
鳩山政権の新成長戦略
第三の道 新たな需要の創出
東アジア共同体構想
・EUが構想の原型
・貿易や金融、環境面で協力
世界の目にはどう映っているのでしょうか。
中国、ヨーロッパ、アメリカ、3人の日本研究家に聞きました。
カレル・ヴァン・ウォルフレンさん アムステルダム大学名誉教授
「日本はアメリカに助けてもらい経済大国になりました。しかし、そうした時代は終わりました。すっかり状況は変わったのです。太平洋ばかり向くのではなく、これからは視線を180度変えユーラシア大陸に向けてください。東アジアと欧州は陸路で結ばれている上に大陸には天然資源もたくさん眠っています。貿易や経済で互いに大きな利益をあげられるのです」
王新生さん 北京大学教授
「ご存知のように中国には貧富の差や地域格差があります。経済発展し、生活水準を向上させないといけません。東アジア共同体ができれば、人もモノも移動自由になります。日中韓と東南アジアの間で人材も活発に交流するでしょう。日本は外国人労働者を得られ、中国は日本から技術者を得られる。相互に移民を受け入れることでお互いが得をするのです」
ケント・カルダーさん ライシャワー東アジア研究所・所長
「東アジア共同体が日中に加え、インドやオーストラリアなど多くの大国を含む組織ならアメリカは反対しません。しかし、一国が圧倒的な力を持つのは問題があると考えるでしょう。何も中国を入れるなとか封じ込めろとは言ってません。一国が支配しない、バランスの良い共同体が望ましいのです」
急速に台頭する中国。このままでは日本が中国に圧倒されてしまうのではないか、カルダーさんは今こそ経済面でも安全保障面でも日米関係が大切になると主張します。
ケント・カルダーさん ライシャワー東アジア研究所・所長
「結局のところ中国と日本では国の大きさが違います。中国の人口は日本の10倍ですよ。強大な国力を持つ中国に対して日米関係強化でバランスをとる。そうすることでアジア太平洋地域の安定を保てるのです」
◇
討論⑤ “世界の中のニッポン”私たちの選択は アメリカ重視?アジア重視?
三宅アナ
・分かりやすく話をしていくために選択肢を出した
塩川正十郎 日米関係を重視のうえアジアを考える
・アメリカを軽く見るようなことを考えては駄目
・かつて日英同盟で日本が孤立していったことを考えると孤立してはいかん
・日米を重視してアジアとの関係を緊密にする
金子勝 アジア重視→等距離
「これから成長力があるのは東アジアですので、ドルが非常に不安定化している中で、実質的に通貨防衛の枠組みができつつある状況を考えるとアジア重視になると。しかし、これまでのアメリカとの軍事的な関係を考えると、極端な政策を現実に取ることは難しいと。だけど、基本は東アジアを逃してしまうとこの国は生き残れないということは確か」
菅直人 両方を重視
・日米関係は安全保障と経済の面で重要、特に安全保障で
・文化と経済はアジア、経済のウェイトが高まりつつある
・違いを認識した中で、アジアは文化を共通基盤にしながら経済で関係を作っていく
永守重信 どちらとも言えない
マエキタミヤコ アジア(EU) 今まで偏っていたのでバランスをとる
◇
対米・対中貿易額の見通し
・対中貿易は2020年になるとアメリカの3倍になるという予測
◇
安藤忠雄 東アジア+アメリカ
・アジアの人の顔は光っている、アジアの経済、元気を馬鹿にできない
・東アジア構想はいいが、アジアの人は日本に興味がある、日本人の心が開いていない
・日本人の心を開いていかないといけない
東国原知事 ウェイトはアメリカに置きどちらも重視
・菅さんと同じじゃないかなと思っている
・安全保障はアメリカ無くしては考えられない、ドラスティックな変更は無理
・アジアの成長を取り込めなければ無理、金子さんのおっしゃった通り
◇
2004年に拡大したEU
・ドイツでは産業の空洞化、労働力の安い国に工場移転
・他国の労働者が高い賃金を求めドイツに流入
・ドイツの失業率 10%(2004年)→13%(2005年)
◇
塩川正十郎
・いろんな会議をやっているが国債会議は同じようなことばかりやっている
・APECならAPECで網羅しているんだから、日本がリーダーシップを取ろうとやったらどうか
三宅アナ
・産業の空洞化や失業率などの問題が出ていますが
川本裕子
・2ウェイで考えていくことが大事、交流を進めていった方がいい
永守重信
・我が社はアジアでは出てない国はないというくらい出ている
・東アジア共同体は我々としては自由に進出できるからいい
・アメリカやアジアという選択ではなく還流して繋がっている
・アジア、アジアと言い過ぎるとアメリカがへそを曲げる
塩川正十郎
・EUとよく比べるが、そうはならない
・EUはキリスト教中心としたブロック、過密な状態
・アジアは違う、非常に余裕のある地理的状況、無理してヨーロッパ並みに持っていく必要はない
三宅アナ
・新成長戦略では、人、モノ、金の流れを2倍にしていくという構想が謳われている
東国原知事
・労働力の空洞化もそうですが、これは大変なことになる、特に農林水産関係は
・インフラをどう整備するか、これをクリアしないと
永守重信
・活性化すると思う
塩川正十郎
・理屈ばかり言ってちっとも進んでない
菅直人
・坂の上の雲と書いたのは、若者の消極性
・外国に留学したいという人が減っているし、優秀な人が外に行きたがらない
・日本全体が、若者の意識が収縮している
東国原知事
・夢を持てるような政治や社会ではない
川本裕子
・若者にだけ野心を持て、外に向かっていけと言っても無理
菅直人
・それは卵と鶏の関係でどちらとも言えない
・原始的な元気を取り戻さないと中国やインドに負けていく
マエキタミヤコ
・教育は多様性、国益ではなく世界益
・グローバルコモンズ、地球の資源は限られている
・どうやってみんなで力を合わせて世界益を実現するか
金子勝
「例えば、地球温暖化を阻止するために、みんながCO2削減のために産業をいっぺんに変えましょうと、いっせいに更新投資をすれば、80年前に戦争に行った道を避けて世界同時不況を抜けられますよという、そういう語りを、どうしても人と生きていくことと関わると必要なんですよ。その時に、中国の関係で実は、戦争の反省みたいな問題を甘く見ちゃいけない。教育でずっと植民地化の歴史を教えてるわけですから。当然のこと相互理解していかなきゃいけない。EUではフランス・ドイツの間で時間がかかったわけですよ。我々もそれを努力しなきゃいけない。もう一方で、菅さんがいみじくも言ったように、つまり、我々はどこか低いものとして見て市場だと思っているけども、彼らは猛烈なライバルでもあるんです。2000億ドルの科学技術投資をしているし、有人宇宙飛行もやろうとしてるし、再生可能エネルギーは日本のようなたるい政策じゃなくて、いっせいに内陸部に広げてますから。そうすると、我々はライバルと協調しながら、一緒に競争しながら、そこで勝っていくというような、強い政策を出して欲しいんですよ」
東国原知事
・子ども手当てや高校無償化は若者に夢や希望を与えるのか
・あの借金は子供が大きくなったらいずれ払わなければいけない
金子勝
「僕が民主党の新成長戦略に不満があるのは、年金や健康保険の一元化ということを言っていたんですよ。最低限正社員も非正規社員も等しく扱いましょうとかいう条件ですよ。あるいは、母子家庭のように、非常に貧困に陥った子供を育てられないような状況を無くしましょうと。最低限を揃えるだけではなくて、雇用も同時に作っていかないといけない。明らかに市場任せで失敗してきたわけだから、しっかりした産業戦略で、世界の中でエネルギー転換でもう一度産業構造を転換してこの不況を乗り切ろうとしているわけだから、そこで先頭に立つような気分、CO2の25%削減はいいけど、具体的な政策でもっとドラスティックな…」
川本裕子
・若者がリスクを取れない事情がある
・若者が消極的だからと菅さんにおっしゃって欲しくない
三宅アナ
・結局、この国のありように話が戻ってきた
・この国をどうするかというビジョンが問われている
菅直人
「1番最初に言えばよかったんですけど、今度の政権は革命だと思ってます。また、革命でなければ駄目だと思っている。つまりは、明治と昭和20年に続く革命でないといけないんです。つまり、今までの構造が完全に行き詰っているわけです、いろんな意味で。それをまず壊さないといけない。私たちが官僚主導から政治主導へと言ったのは、そのひとつの柱が、これまでの体制を維持した柱が今の日本の官僚組織、それから政治組織にある。ですから、民主党がパーフェクトだって思ってません。今までのパターンを変える力があると私は思ってますから。それが本格的に始まるのが今年からだ、今日からだと思ってます」
金子勝
・菅さんにマニフェストとインデックス2009を読んで欲しい、非常にいい政策が書いてあるが実行していない
安藤忠雄
・日本の国をどうするんだという声が聞こえてこない
・日本全体に元気がないのに若者に元気が出たらおかしいじゃないですか
・3万人を超える人が自殺をしている、10年で30万人、ひとつの大きな都市が消えている
・政治がはっきりした方向を示さないと困る、具体的な話を
菅直人
「ひとつだけ具体的なことを言いますと、今朝NHKの隣のオリンピックセンターに行ってきました。去年は日々や公園での派遣村だったんです。それを今年は少なくともオリンピックセンターを借りて、湯浅さんにも協力していただいて、800人くらいの方が今、すぐ近くに泊まっておられます。もちろん一時的ですよ、3日までですから。4日以降も何とかしなきゃならない。政権が変わることで少なくとも公園ではないところで年末年始が過ごせる、その後に繋げていこうと。金子さんはやってないやってないと言われますが、私たちはそういう基本のところはきちんと押さえながら、同時に、まさに環境エネルギーを軸にした、あるいは医療や介護を軸にしたイノベーション、これを我々はグリーンイノベーションとライフイノベーションという名前をつけているわけです。そういう形で、さっき世界益とも言われましたけど、世界中にその技術を持っていくことによって、日本だけじゃありませんよ、13億トンのCO2削減を実現しようというのが入っている。13億トンは日本の現在出しているCO2の総量ですから、それに匹敵するものを世界の中で削減していこうと」
金子勝
「これは官僚の寄せ集め、マニフェストに書いてあることと違いますよ」
菅直人
「そんなことありません」
東国原知事
・個人的には菅さんが総理大臣になるべきだと思っている
・期待外れだったと国民の半分以上は思っている、内閣支持率も半分以下になった
・夢や希望を与えてくれると期待をしていた、3ヶ月待ったが何もない
菅直人
「あまり政治の議論をするべきではないですが、あえて言えば、今民主党の中で1番評価されているのは、民主党はあんな若い人もいたの、こんな若い人もいたのと、大臣や副大臣や政務官がこんなにいたのということなんです。それはチームなんです。チームとしてどう動くかなんです。誰がトップをやったって100%の人はいません。しかし私は、この政権交代は、新しいチームが前面に出てきたわけですから。そういう意味で、100日経ちましたけれど、いよいよこれからが本番と国民の皆様には見てもらいたいと思います」
金子勝
「マニフェストを作ったのは40代前後の若い議員ですから、そういう人たちがやったことをちゃんとやって欲しいんですよ」
◇
討論⑥ 私たちが心豊かに暮らすには
三宅アナ
・日本人への提言を書いてください
塩川正十郎 責任感、積極性
・信頼される政治にならないといけない、自民党もだらしないところがある
・民主党政権になってからトップの人がみんな汚れている
川本裕子 人を勇気づける
・日本は豊かだし安全だし、人を褒めることが大事
・鷹を育てていく、若者を勇気づけ勇気づけられ
マエキタミヤコ 人間らしく生きてるかい?と尋ねあおう。直接幸せになろう。命のリアリティ。
・経済は経世済民だから、何が幸せなの?という会話を
・政治家だけに頼らない、政治のブランディングを
安藤忠雄 価値観を変える
・政府に頼らない、お金に頼らない、自分で責任を持って家族を養っていく
・日本は人に頼りすぎたと思う、これからは自分でしっかり生きていく
金子勝 公共資本主義
永守重信 頑張れば報われる国(社会)
菅直人 覚悟・志
東国原知事 価値変革
(以上)
ゲストの人選はどうにかならなかったのでしょうか。
NHKは極端な人ばかり集めましたね。
塩川氏なんて何のために呼んだのでしょうか。
いまだにバカの一つ覚えみたいに自己責任の連呼をしていて、トップが汚れていると民主党批判。それもいいですが、全部まずは自民党に言えという話です。川本裕子氏も新自由主義の申し子みたいな人でしたね。企業、供給サイドのことしか頭にないようでした。誰がお金を稼いでいるのか、と言っていましたが、労働者が消費してくれないと企業は稼げないんですけどね。今まで大企業を優遇してきて消費が増えたことがありましたか、と。マエキタミヤコさんも言っていることはけっこう賛同できましたが、全体的に発言がふわっとしていて、一般の人はピンと来なかったのではないでしょうか。もっと日本全体を見据えた、政策に詳しい人の意見を聞きたいんですよ。そんな中で金子勝氏の発言は注目していたので全文書き起こしたりしました。次世代のエネルギー転換が1番イノベーションを生み出しやすいという主張には同意します。CO2の25%削減が予定通りに実現できるかは別にしても、そこに向かっていかないと日本に新たな産業は育ちませんし、世界で生き残っていけないので、もっと具体的なビジョン、政策を打ち出して欲しいです。介護や農業だけでは景気はよくなりませんし、世界で戦えません。菅直人氏は思っていたよりちゃんとした認識はしていると思いましたね。国家戦略室が機能するか注目したいと思います。
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ニコブログ NHKスペシャル「生激論2010 にっぽん大転換 ...
菅直人 坂の上の雲をめざす・とにかく日本でベンチャーが育たない・技術とお金とマネージメント、だいたいマネージメントで失敗している・ベンチャーが育つ国にしないと元気になったことにならない .......
菅直人財務相就任で注目される民社国政権の「成長戦略」
藤井裕久の財務相辞任、後任に菅直人という閣僚人事は、新春早々の大きな政治のニュースのはずだが、なぜか「リベラル・左派系」のブログの...
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