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政治
【河合雅司の解読・少子高齢時代】日本を襲うインフラの老朽化
ハイスピードで高齢化が進行する日本。しかし、年を重ねるのは人間だけではない。われわれの生活を支える道路や上下水道、市民ホールなどのインフラも急速に老朽化が進んでいく。
多くは高度経済成長期に集中的に整備されたものだ。国土交通省は、20年後の2030(平成42)年度には、水門など河川管理施設の約60%、道路橋や港湾岸壁では約53%が、建設後50年以上になると予想している。
建設後50年以上となれば、維持管理や更新の費用もばかにならない。国交省の試算によると、従来の管理方法を変えなければ2060年度までの50年間に約190兆円が必要となる。それどころか、2037年度には維持管理や更新の費用すらまかなえなくなる可能性があり、更新できないインフラは約30兆円に達するともみている。
一方で、少子高齢化で日本は勤労世代が激減していく。税収増は期待できず、社会保障費は伸び続ける。厳しい財政事情を考えれば安易に国債に頼ることも難しい。インフラに潤沢な予算を割くことはできず、190兆円は老いる日本に、ずしりと重くのしかかるだろう。
だからといって、耐用年数を超えたインフラを放置はできない。懸念はすでに現実化している。昨年6月、京都市で水道管が破損し、隣に埋設されていたガス管に水が流れ込むという事故が起こった。橋などが崩壊すれば、人命にかかわる大惨事ともなる。
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