救急一直線 特別ブログ  Happy保存の法則 *今 君あるために*

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論点 ICUでのカプノグラムとCVP波形の連続観察は不可欠

2012年12月02日 03時09分05秒 |  ひまわり日記
INTENSIVISTSという集中治療医養成ギブスのような雑誌が,2009年に発刊され,この雑誌により日本の集中治療の水準が標準化されました。
これから僕たちも,次世代に急性期医療を語りやすくなりました。

さまざまな専門診療科の皆さんが,患者さんの状態を急性期に増悪させている
この主因に関する解析が,僕の中ではほぼ固まってきています。
これから10年後の主要大学病院では,おそらく急性期は集中治療室管理となると思いますが,
さまざまな専門診療科の先生に急性期医療を解説し,実践し,教育できる集中治療医の育成が必要です。

病気を学んでいても急性期病態に関しての対応が遅い・・知識がない限り,病気は瞬間に増悪し,原病に器質的変化を臓器細胞数減少として残します。
このメカニズムはかなり明確となっており,このため,僕は急性期病態学の統一基盤としての臨床炎症学,臨床再生学を教授し始めています。

このINTENSIVISTSという雑誌の中に,カプノグラムのICUにおける使用にエビデンスはないという記事があります。
何がエビデンスに足りないのかという論議をすることが大切です。
INTENSIVIST vol3 No2 p301-306
ICUにおけるカプノグラムで観察するポイントを教えないといけないと思います。

aEDCO2の観察が大切だと,僕は,まず,教えています。
看護さんにこれを理解して頂くようにしていますが,わかっているものはいないのが現状です。
まず,急にETCO2が下がるときに考えること4つが大切です。
1)血圧低下が影響しているのか? 2)炎症性右心不全の具現化(肺高血圧症の急性増悪の評価),3)DIC発症の進行,4)肺血栓塞栓症の突然発症
また,これは夜だから寐ているというICU施設には不要です。
DICの予測になる,進行のモニタリングとなることを知る医師は世界的に乏しいです。
救命率100%を目指す限りでは,重要項目となります。
急性変化したとして,心エコーをするタイミングを知るために役立ちます。

以上を,肺胞換気ができているかどうかの観察のものとで評価することが大切です。
右心不全とDIC進行,2型肺障害への移行を読むのに役だちます。

僕などは,ベッドサイドでCO2モニタリングがなされていなければ,何を診ているかわからないとしてクレームを付けます。
10年後に皆が育って,こういうモニタリングを不要とできるようにと良いと思います。

そして,同様に,名大のICUでも古き20年の伝統から,ときおりCVP波形がでていません。
CVPはCVP波形を見ることが大切です。
また,解析できて治療に役立てられないから,なくて良いことになるし,エビデンスはありません。

しかし,AFが生じるタイミングを予測することもできますし,AF発症を未然に防ぐこともできます。
炎症強度クリアランス,体温クリアランスとの関連もCVPのa波でダイナミックモニタリングできます。
そのために,僕の当直中は,CVPの波形を詳細に時系列で解析し,未然にICU主治医に炎症管理を指摘しています。

技術を標準化するには,まだまだ時間がかかりますが,モニタリングを皆ができるように,教育することを大切にしています。
ジャンル:
ウェブログ
キーワード
エビデンス クリアランス 肺血栓塞栓症 肺高血圧症 集中治療室
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