2012-12-01 「減る鳥・昆虫…奇形も福島原発周辺で異変」(TBS報道)の衝撃
■[原発]「我々は前例のない調査をしているのだ」〜「減る鳥・昆虫…奇形も福島原発周辺で異変」(TBS報道)の衝撃
最近見たメディア報道でかなり衝撃的で興味深い特集がありましたので、ご紹介いたします。
11月30日の夕方のニュース番組「Nスタ」(TBS/毎日系列)で、「減る鳥・昆虫…奇形も福島原発周辺で異変が放射性物質が影響か」と題する特集が放送されていました。
カリフォルニア大学の教授(生物学)とパリ11大学の教授(生物学)(この二人はチェリノブイリにおいても鳥や昆虫の調査を長年してきたと紹介されてました)、そして日本人研究者が合同で、東京電力福島第1原発の事故による環境への影響を調べている様子をドキュメンタリータッチで放送しています。
研究チームの服装がずいぶん軽装で撮影は夏と思われるのに、鳥やセミの鳴き声がほとんど聞こえてこないシーンや、道端に茂っていた雑草を指して、カリフォルニア大学の教授が「この葉っぱのしおれ方を見てください、これは奇形です、おそらく放射能で遺伝子レベルで破壊されたのでしょう、チェルノブイリでもたくさん見ました」と発言するシーンが印象的でした。
鳥ではつばめやすずめやカラスなど14種ほどを調査、昆虫ではセミやトンボや蜘蛛など7種を調査していました。
昨年から定期的に調査している様子で、調査の中間結果は今後まとめるそうですが、「明らかに鳥は減少している、昆虫も蝶やセミなど3種は減少している、蜘蛛だけは数を増やしているようだ」、教授たちの話ではチェルノブイリでの調査より福島の調査結果のほうが減少のペースが倍ぐらい速い」といっていました。
蜘蛛が殖えているのは「おそらく捕食者(鳥など)が減少した結果ではないか」と推測していました。
チェルノブイリより福島のほうが減少ペースが速いのは「チェルノブイリで調査が開始されたのは事故から5年たってのことだった(それまでは立ち入り禁止だった)のに対し、福島では事故後半年で調査が開始されたのが影響している可能性がある」と説明したうえで「我々は前例のない調査をしているので何が起きているのか現在は何もわかっていないに等しい」と発言を結んでいました。
番組の後半では北海道大学農学研究院の秋元信一教授(昆虫学)が登場します。
秋元教授は東京電力福島第一原発事故で計画的避難区域に指定されている福島県川俣町山木屋地区で、アブラムシの一種「ワタムシ」の生育に異常が出ている事を調査研究していました。
採取した個体の約1割に触覚の一部が欠損したり胴体が二つに割れていたり、口がなかったりするなどの奇形が見られたことを写真付きで番組は報じます。
この割合は通常の190倍以上の比率で、同教授は原発事故による被曝の影響が疑われるとみて、さらに詳しい調査を進めているそうです。
秋元教授は、「遺伝子レベルで突然変異を引き起こすような外的要因があったのは間違いない」と指摘しています。
生物が放射線を浴びると、DNAが傷つき、奇形などの原因となるため、今回の原発事故が影響している可能性があるというのです。
秋元教授は「奇形以外にも、異常行動や寿命が短くなるなどの影響が出ている可能性もある」と述べていました。
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最初に紹介した2人の教授の調査ですが、国際的にも取り上げられているのか少しネットで調査してみましたところ、今年の2月3日付けで英インディペンデント誌で記事になっていました。
Bird numbers plummet around stricken Fukushima plant
記事から二人の教授の名前が正確に確認できます("Timothy Mousseau and Anders Pape Moller")。
また、秋元教授の調査結果ですが、北海道新聞が8月16日付けで記事にしていたようです、こちらのサイトで記事を確認できますので、ご紹介。
福島のワタムシ 1割奇形 ― 北海道新聞8/16朝刊
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放射能汚染地域で、鳥がいなくなり、蝶がいなくなり、そして一部の生物に奇形が見られ始める。
見終わった後、私はしばらく考え込んでしまいました、それくらい重いドキュメントでした。
今回ご紹介した調査は、すべて科学者が科学的手法と解析手順を守って行っている信頼性の高いものです。
いずれの調査もまだ結論は出ていない調査中の段階であることを踏まえながら、これは読者の皆さんにぜひ紹介すべき内容だと考え、エントリーいたしました。
Timothy Mousseauカリフォルニア大学教授の言葉「我々は前例のない調査をしているので何が起きているのか現在は何もわかっていないに等しい」、本当に重い言葉だと思います。
(木走まさみず)
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