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復興の“空白地帯” 事業費認められる
11月30日 20時20分

震災で地盤沈下し冠水が続いている宮城県気仙沼市などで、かさ上げのための国の補助事業が一部の地域でしか認められず、復興のいわば「空白地帯」が生じている問題で、復興庁は、復興交付金で行われる事業の効果を高める関連事業として、かさ上げの事業費を認めました。

かさ上げのための国の補助事業が認められたのは、岩手県宮古市と宮城県気仙沼市、福島県相馬市の、それぞれ一部の地区で、合わせておよそ14億円です。
このうち、気仙沼市の南気仙沼地区では、地盤が1メートルほど沈下し、大潮の時期や雨が降ると冠水し、復興の妨げになっています。かさ上げには多額の費用がかかるため、国土交通省の土地区画整理事業や、水産庁の漁港施設機能強化事業といった復興交付金を活用して、かさ上げ工事を行っていますが、補助事業を実施するための基準を満たしていないとして、一部の地区では事業の適用が認められず、いわば復興の「空白地帯」となっていました。
今回は、こうした地区のうち、ほかの復興交付金事業と一体で行うまちづくり事業であること、具体的な事業所などの立地の見込みがあることなどの要件を満たした地区について、「効果促進事業」として復興交付金が認められました。しかし、今回認められたのは、こうした地区の一部で、今後はいかに効率的な土地の活用方法を提案して国に事業を認めてもらうか、自治体の手腕も問われることになります。
復興庁は、「今回は、基幹事業では手当てされない部分を、効果促進事業が活用できると、考え方を広げて提示した。自治体は効果的な活用方法を示して、今後申請してほしい」と話しています。
いわゆる復興の空白地帯となっていた場所でのかさ上げ事業に復興交付金が認められたことについて、気仙沼市の菅原茂市長は、30日の記者会見で、「今回認められたことは大きな一歩だ。しかし、ほかにも地盤沈下をしている場所はあり、中には冠水が続いているところもある。そういったところが同じようにかさ上げ事業を認めてもらえるか分からない。今後も、こちらから問題を明らかにし、政府が的確に捉えて対応してもらえるよう、引き続き要望していく」と述べました。
また、宮城県の村井知事は、「復興庁には細部まで見ていただいて、事業を認めていただいた。まさにかゆいところに手が届いたと感じる」と述べました。

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