中央道トンネル崩落:現場で焼死体3体を確認
毎日新聞 2012年12月02日 17時05分(最終更新 12月02日 17時48分)
2日午前8時ごろ、山梨県大月市笹子町の中央自動車道・笹子トンネル(全長4455メートル)内で、コンクリート製の天井板が50〜60メートルにわたり崩落し、車3台が巻き込まれた。東山梨消防本部によると、午後4時半ごろ、現場で焼死体3体を確認した。他に少なくとも3台の4人が取り残されている可能性があり、県警や消防が救出作業を急いでいる。管理する中日本高速道路は、天井板を支える器材の劣化により事故が起きた可能性を認めている。
県警や消防によると、車2台が下敷きになったほか、別の1台で火災も発生した。3台はレンタカーのワゴン車、トラック、軽自動車。ワゴン車から自力で脱出した女性(28)は「レンタカーに6人で乗っていた。後の人は分からない」と話したという。焼死体が見つかった車がこの女性の乗っていた車かどうかは未確認。この女性と37歳の女性がやけどを負うなどし、病院に搬送されたが、命に別条はない。
また、午後0時20分ごろには「同僚がトラック内に閉じ込められている」と男性から119番があった。消防によると、男性運転手1人が車内で閉じ込められているとみられ、同僚に「息苦しい」と連絡してきたという。
中日本高速道路八王子支社によると、事故があったのは、大月市側のトンネル出口から1.7キロ入った地点。天井板は奥行き約1.2メートル、幅約5メートル、厚さ約8センチ、重さ約1.2トンで、最大100枚が崩落したとみられる。
天井板はトンネル上部との間にできる隙間(すきま)に空気を通して換気するために設置。トンネル中央の上部に1.2メートル間隔で打ち込まれた金具でつり下げてある。このつり金具と、トンネル上部との隙間を真ん中で仕切るコンクリート製の隔壁が何らかの原因で落下したことにより、天井板がトンネル中央で崩落したとみられ、天井板はV字形に垂れ下がった状態となった。
点検は5年に1回と定められ、今年9〜10月に実施したばかりだが、「異常なし」だったという。
笹子トンネルは1977年開通で、大月市と山梨県甲州市にまたがる。このトンネルの換気方式は「横流換気方式」と呼ばれ、最近は使われていないという。