中央道トンネル崩落:車に複数の焼死体か
毎日新聞 2012年12月02日 15時25分(最終更新 12月02日 15時46分)
2日午前8時ごろ、山梨県大月市笹子町の中央自動車道・笹子トンネル(全長4455メートル)の中で、コンクリート製の天井板が50〜60メートルにわたり崩落する事故があった。県警によると、2台が下敷きになったほか、別の車1台で火災も発生。県警によると、現場に取り残されたレンタカーから複数の焼死体らしきものを確認した。自力で脱出した女性が乗っていたレンタカーには、5人が同乗していたといい、他の2台の運転手を合わせ、少なくとも7人がトンネル内に取り残された可能性があり、県警や消防が救出作業を急いでいる。
この事故で37歳と28歳の女性がやけどを負うなどし、病院に搬送されたが、命に別条はない。28歳の女性は自力で脱出。「レンタカーに6人で乗っていた。後の人は分からない」と話したという。焼死体らしきものが確認されたレンタカーがこの女性の乗っていた車かどうかは分からない。
一方、午後0時20分ごろには「同僚がトラック内に閉じ込められている」と男性から119番があった。東山梨消防本部によると、男性運転手1人が車内で閉じ込められているとみられ、同僚に「息苦しい」と連絡してきたという。
管理するNEXCO中日本によると、事故があったのは、大月市側のトンネル出口から1.7キロ入った地点。天井板は奥行き約1.2メートル、幅約5メートル、厚さ約8センチ、重さ約1.2トンで、最大100枚が崩落したとみられる。天井板は金属の棒でつり下げ、T字金具で留めてある。点検は5年に1回と定められ、今年9〜10月に実施したばかりだが、「異常なし」だったという。
笹子トンネルは1977年開通で、大月市と甲州市にまたがる。天井板の上部に空気を通して入れ替える「横流換気方式」で、最近は使われていない方式という。
目撃者によると、天井板は突然崩れ、V字形に垂れ下がったような状態になった。下敷きになった車付近から出火し、トンネル内部は黒煙が充満したという。火災は鎮火し、県警と消防が救助活動を始めたが、午後1時ごろ、さらに壁が崩れる2次崩落の可能性があり、活動を中断した。補強工事を行う必要があるという。
事故の影響で中央道は上り線は一宮インターチェンジ(IC)から大月ジャンクション(JCT)までの間、下り線は大月JCTから勝沼ICの間で通行止めになっている。