笹子トンネルの謎 完全版〜読者様より反響のお手紙を頂きました(2003-03-01) 笹子トンネルの休日の車線規制に憤った経験のある全ての方に捧げる
 笹子トンネルの謎           当サイト管理人

 中央自動車道に笹子トンネルというドライバー泣かせのトンネルがある。いや、ドライバーだけではない。その家族だってうんざりだ。
 ただでさえ、週末の中央自動車道の混雑は目に余るものがあるというのに、あろうことかこの笹子トンネルというやつは、「トンネル内の渋滞をなくすため」と称して休日はトンネルの手前で車線規制を行うのだ。トンネルの手前で車線を一つに絞り、トンネル内では2車線に戻すため、トンネル手前は大渋滞だが、トンネル内はカールルイスも全力疾走が可能なくらいにすいている。
 私はこれをやられる度に、いつも思うことがある。「なぜ、トンネル内で渋滞すると困るのだろうか」ということである。理由がさっぱりわからないのだ。
 この問いに納得のいく答えを返してくれた人は今まで一人もいない。笹子トンネル以外で、入り口の手前で車線規制を行うトンネルというのは聞いたことがない。なぜ、笹子トンネルだけはトンネルの手前でこんなことをする?ああ、意味がわかんねえ。理由がわかんねえ。
 他のトンネルでもこういうことをしているのなら分かる。トンネル内で渋滞するとまずい理由というのは、何人かの人から意見を頂戴している。わからないのは、この笹子トンネルだけは、ということなのだ。日本全国、トンネルはたくさんあるのだから。この笹子トンネルだけは何が特別なのか?
 笹子トンネルはいつ崩れてもおかしくないくらい老朽化が進んでいるため、もしもの時の被害を最小限に抑えるための処置なのだろうか?こんな風に邪推したくなる。
 どなたか、納得のゆく答えをお聞かせ下さい。このサイトのトップの”管理人に手紙を下さる方はこちらへ”から、メールを下さい。よろしくお願いいたします。

 笹子トンネルの謎について雑感を   ささはら しんたろう

 はじめまして。サイト、楽しく拝見いたしました。 笹子トンネルについて思うところがあったので、僭越ながらご意見を。

 私はトンネル内の渋滞は問題があると思います。理由は、排気ガスの存在です。 一定規模以上のトンネルには強制換気装置が設置されているはずですが、残念 ながらそれら設備の能力は十分とは言えません。トンネルの中は得てして煙た く、気分が悪くなることすらあります。 (私はバイクにも乗るので、トンネル内の環境の悪さにいつも辟易しています。車で走っているときはさほど気にならないのですが)

 車の排気ガスには、一酸化炭素などの有毒ガスが含まれています。トンネル内 で渋滞が発生し、さまざまな要因が重なって有毒ガスの濃度が高くなると、大 惨事になる恐れがあります。 それでなくても、喘息患者など、排気ガスに弱い体質の方というのは存在しま す。彼らがトンネル内で具合が悪くなったり、発作を起こしたりしても、十分 な対処ができず、手遅れになることだってあり得ます。

 他にも・・・そうですね、トンネル崩落はさすがにないと思いますが^-^; 火災が発生することも考えられます。熱の逃げ場も十分ではないでしょうし、 全てのドライバーが火災や災害について十分な知識を持っているわけではあり ません。トンネル内の災害というものはいつでも恐ろしいものですから、防災 の観点からも望ましい処置と言えるでしょう。 ひょっとして、車線規制は片側だけだったりしますか? 反対側の車線が通常 どおりの運行であれば、そちらで事故が発生し火災に至るケースも想定できま す。高速道路ですから、ちょっとした事故が大災害に発展する危険性は憂慮さ れるべきでしょう。

 ですが・・・確かに、他のトンネルでこのような措置が取られているのを見た ことは一度もありません。やはり火災説は却下。排ガス説を支持します。 トンネル内部にカーブがあったり、トンネル自体が山形の構造になっていたり、 何らかの理由で十分な換気装置が設置できないのであれば、笹子トンネルだけ 特別に扱われていても止むを得ないかと思われます。

 この件に関しては、私は専門家ではありませんので、排ガス説を裏付けるに十 分な知識をご提供することはできません。車の排ガスは自殺にも使えるほどの 毒性がありますので、おそらく的外れな意見ではないと信じておりますが。

 私は中央道を走ったことがないので、笹子トンネルのひどい有様を経験したこ とはないのですが、想像してみると・・・かなり腹立たしいですね、確かに^-^

 またトンネル内を走行する機会がおありでしたら、ぜひとも換気装置を入念に 観察してみてください。できれば窓を全開にして、排ガスの様子なども探って いただけると・・・いや、嬉しくはないのですが。

排ガス説が謎解きの手助けになることを期待しております。謎が解明されたら、 ぜひサイトで発表してくださいませ。

 そして、この後、ささはらさんと2度ほどメールをやり取りしたのであるが、なんと、ささはらさんが日本道路公団の公式見解を発見してくださった。以下にそれを転載する。

Q.04: 笹子トンネルの休日規制はなぜ行われるの?

A トンネル内での車の流れをスムーズにし安全に走ってもらうためだよ。

 中央自動車道東京方面の中野トンネル付近は上り坂のうえ、特に休日など勝沼方面と河口湖方面からの車が集中すると、ここを先頭に自然渋滞が発生しているんだ。渋滞がひどくなると最後尾が笹子トンネル内にまで及ぶ可能性があり、約4.8kmもある笹子トンネル内で万が一事故が起こると重大事故に発展する危険があったり、車がトンネル内で長時間とまると心理的な不安や、酸素欠乏など体にも悪影響をおよぼしかねないんだ。  そこで笹子トンネル内がスムーズに流れるよう、西口を規制しているんだよ。上野原IC〜大月IC間の6車線化工事が完成すれば、中野トンネル付近での渋滞は解消します。それまで皆様のご理解とご協力をお願いいたします。  日本道路公団公式見解

  謎は全て解けた           当サイト管理人

 おいおい、道路公団のサイトに公式見解があることなんて、少し調べれば分かることだろ。そんな労を読者の方に取らせてどういうことよ。いや、面目ない。そこで、私はこの笹子トンネルの謎について、自分でもう少し調べてみようと思い立った。そして、20年以上前に起きた、日本交通史に末永く残るであろう大事件を発見した。日本坂トンネルの惨事である。

 日本坂トンネル事故 1979/07/11

 東名高速道路で最長の日本坂トンネル(静岡県焼津市)下り線でトラック、乗用車7台が玉突き衝突し炎上した。さらに、トンネル内の放置したトラック、乗用車、東名ハイウエーバスなど173台が次々に炎上、65時間も燃え続けて7人が死亡する大惨事が起きた。
 最高水準といわれた防災設備、スプリンクラーなどは高熱と猛煙の前には全く無力で、高速道路の安全性、とくにトンネル内での事故に対応する施設が必要であることが指摘された。
 事故発生から1週間後に1車線を使ってやっと仮開通、60日後に正常に戻った。この間、長距離トラックなどはう回を余儀なくされ、物資流通の大動脈はマヒ。被害額は約60億円にのぼった。
  ここにこの事故の詳細が書かれています。〈車を運転する方、是非御一読を)

 そう、思い出した。自分はこの事故が起きた当時はまだ6歳。しかし、この事故のことは微かではあるが覚えている。なぜなら、私の一家は夏になると父の実家に行くのだが、この年はその往復にものすごい時間がかかった。両親が日本坂トンネルがどうのこうのと話していたような気がする。
 この事故を教訓とし、トンネル内での事故を防ぐために笹子トンネルの車線規制は行なわれているのであろう。    
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