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【大リーグ】

岩隈がポスティング制度見直しを支持 「大リーグに行きやすい環境づくりを」と訴える

2012年12月2日 紙面から

野球教室で、子どもたちに投球フォームを指導するマリナーズの岩隈(右)=1日、神宮球場

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 マリナーズと再契約を結んだ岩隈久志投手(31)が1日、大リーグへの移籍手段の一つ、ポスティングシステム(入札制度)について見直しの必要性を説いた。自身も楽天時代の2010年オフに同システムを行使したが、独占交渉権を得たアスレチックスとの交渉が決裂。1年後に海外FA権を得てマリナーズに入団した経緯がある。大リーグ機構の要請を受けて日本野球機構(NPB)もルール変更を検討していることが判明。新制度が来季オフに導入される可能性もある。岩隈はこの日、元パイレーツの桑田真澄氏(44)とともに東京都内で野球教室に参加した。

 “被害者”は語る−。現行のポスティングシステムに改正の動きがあることを受け、岩隈は即座に反応した。

 「見直した方がいいと思います。決裂したら、それで終わりじゃないですか。(大リーグに)行きやすい環境にした方がいい」。強い口調ではなかったものの、やんわりと見直し論を支持した。

 この制度は最高金額を応札したメジャー球団に独占交渉権が与えられ、これまでも当時西武の松坂大輔投手がレッドソックスに、当時日本ハムのダルビッシュ有投手がレンジャーズに高額な落札金で移籍した。

 その一方で移籍に失敗したのが岩隈と、西武からFAとなった中島裕之内野手だ。岩隈は楽天時代の2010年オフに制度を行使。アスレチックスが独占交渉権を獲得したが、条件面で折り合わず、契約が成立しないまま交渉期限を迎えた。中島は昨年オフ、同交渉権を得たヤンキースとの交渉が決裂した。

 岩隈は翌年のオフに海外FAでメジャー移籍を果たしたものの、貴重な1年間を棒に振った。「ナカジ(中島)にしても、僕にしても結局、そうなったじゃないですか。本当はFAになれる期間を短くする方がいいんですけどね」と本音も交えて制度の不備を指摘した。

 ポスティングの規定には賛否がある。代理人を務める団野村氏も岩隈の交渉が不調に終わった際に「選手側に選択権があってもいい。高い値をつけた上位3球団と交渉できるようにした方がいいのではないか」と持論を展開したほど。落札金は日本プロ野球の所属球団に支払われ、選手にまったく還元されないとの指摘もある。

 見方によっては「球界の悪法」ともいわれかねないポスティング。岩隈らに続く新たな犠牲者をつくるまいと、ようやく改革のメスが入った。 (鶴田真也)

 

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