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安倍氏“懐刀”井上義行氏 自民倒してはい上がる

乱選ルポ 神奈川17区

JR小田原駅東口で“恒例”の街頭演説を行うみんなの党・井上義行氏
JR小田原駅東口で“恒例”の街頭演説を行うみんなの党・井上義行氏
Photo By スポニチ

 日本維新の党との合流を見送り、独自路線で戦うことになった「みんなの党」は神奈川17区=小田原市、秦野市など=に井上義行氏(49)を擁立した。同氏はノンキャリア官僚ながら、自民党の安倍晋三総裁が首相時に首相秘書官を務めた異色人物。9月に安倍氏が総裁に返り咲いたことから一転、対決することになった。敵大将の手の内を知り尽くした“懐刀”に、自民党陣営側は警戒感を示している。

 JR小田原駅前で黄色い上着を羽織り、拡声器を肩に掛けて演説を行う井上氏。09年夏の衆院選で落選した翌日から、台風の日も40度の熱を出した日も休むことなく続けてきた朝夕の日課だ。「最初の半年は“選挙もないのに何やってるの”っていう感じ。反応が少しずつ返ってくるようになったのは、2年目ぐらいから」と笑顔で話す。

 井上氏は旧国鉄の機関士から旧総理府(現内閣府)に転出。小泉純一郎内閣時代、ノンキャリア官僚から安倍晋三官房副長官の事務担当秘書官を経て、安倍首相誕生後は首相秘書官に。その異色の経歴から、良くも悪くも話題になった。永田町を飛び出し、前回の総選挙では出身地から無所属で出馬。投票総数の約15%しか獲得できずに落選したが、みんなの党・渡辺喜美代表からのラブコールを受け、10年夏に支部長となった。

 他候補とのキャリアの違いをアピールする街頭演説では「私が安倍さんの首相秘書官の時には…」「小泉首相の時には…」との言葉が目立つため、他陣営からは「隠れ自民党」といった陰口が飛ぶ。取材にも「もう一度、美しい国をつくるという方向性は一緒。今でも電話したりします」。さらに、自民党批判を繰り返す渡辺代表をよそに「安倍さんと渡辺さんの関係はいい」と暴露した。

 みんなの党は県内に江田憲司幹事長(8区)、浅尾慶一郎政調会長(4区)といった強力な前職を配しており、党関係者は「17区は党勢拡大のために逃せない重点区。組織プラスどぶ板で浮動票獲得を目指す」と力を込める。

 当選6回の安倍氏から選挙のアドバイスはなく、井上氏は「安倍さんの持論は“政治家ははい上がってこい”ですから」。その言葉をはげみに、きょうも駅に立ち続ける。

[ 2012年12月2日 06:00 ]

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