2012-11-10
犯罪行為であるという意識が希薄になる空間について
|はるかぜちゃんがTwitter上で殺害予告を受けて警察に通報したことが話題になっていたが、私も最近、殺人と自殺の予告をTwitter上で受けたところだったので、個人的にタイムリーだなぁと思いながら見ていた。
私の場合は、最初のほうは何と書かれていたのか忘れたが、最後に「私は殺してから死にます。後悔しないように。」みたいな文で締めくくられているTweetを、全く見ず知らずのアカウントから、いきなり送られた。その人のアカウントページには、それ以外の書き込みがなかったので、明らかに捨てアカだった。
以下、それを受けての私のつぶやきと、相手の反応。
2012-10-01 10:49:21 via web
@YuhkaUno: “殺人・爆破・自殺予告など 緊急に対応が必要な情報は警察に110番通報 願います”って書いてあるな。/インターネット・ホットラインセンターURL
2012-10-01 11:05:34 via web
須賀秀文 @Sky555Renge
@YuhkaUno そうか、こんなことになるのか。 すみません。 私には、死ぬことも殺すこともできない。 身体が不自由だから。 頭が良いなあと思い、送っただけ。 正論が怖い。 お許しください。
http://megalodon.jp/2012-1001-1202-41/https://twitter.com:443/Sky555Renge
@YuhkaUno: いきなり殺人・自殺予告しといて、何が「頭が良いなあと思い、送っただけ。 」だよ。見ず知らずの他人に甘えて手間かけさせる前に、自殺相談ダイヤルにでも電話してろよ。URL/相談窓口|自殺対策 - 内閣府URL
2012-10-01 12:58:16 via web
私は、このような「予告」を受け取ることは、全く初めてだったため、わざわざネット犯罪や警察のホームページなどを検索して調べて、「こういうのは、通報しても良いのだろうか。でもネット上のホームページにそう書いてあるんだから、通報しても良いんだろう。でも、通報したところで、まともに受け取ってもらえるのかなぁ。110番通報すんのって初めてなんだけど」などとぐるぐる悩み、時間と精神を消耗させたのだ。体験してみないとわからないものだけれど、こういう「予告」をされるというのは、けっこう精神が削られるものだ。そもそも、110番通報するとか警察に届け出るということ自体が、けっこうハードルが高いものなのだ。
この一件でわかったことは、こういった「予告」をする側というのは、どうやら、「まさか本当に、警察に通報されることはないだろう」と思ってやっているらしい、ということだった。私が自分のアカウントページ上で通報する旨をつぶやいだだけでも、この反応だったのだから。そして、こういう「予告」をされることによって、こちらがどれだけ時間と手間を掛けさせられ、精神を消耗されるかということを、全く考えていない、というよりも、そういう発想や想像力すらない、ということだった。
これは、いじめ加害者の心理状態に似ていると思う。いじめ加害者は、自分たちがやっている暴行、恐喝、窃盗等の行為が、まさか警察に訴えられるとは思っていない。彼らも、一般社会においては、そういうことは犯罪であるとわかっているのかもしれないが、学校という空間においては、自分たちがやっている行為が犯罪であるという認識が希薄になってしまう。
おそらく、ネットという空間でも、この意識が希薄になってしまう傾向があるのではないだろうか。
【学校が人を怪物にさせる】大津いじめ自殺事件についての内藤朝雄さんのコメント - Togetter
@naitoasao: 【法は解除キー】法執行機関が目の前に迫ってきたり、「警察を呼ぶ」「告訴する」「あなたの行為は刑法○○条に触れている」といった法の言葉が発せられたりするだけで、現実感覚は聖なる集団生活のモードから、市民社会のモードへと、瞬時に切り替わるURL
2012-07-05 02:05:44 via web
@naitoasao: 集団にふけることが生活のすべてとなる教育共同体(学校)では、何を言われようと残酷ないじめを繰り返すモンスターたちが、市民社会の論理に貫かれた「普通の場所」では、おとなしい小市民に変わる。あたかも催眠術にかかった人がある解除キーで醒めるようにURL
2012-07-05 02:10:58 via web
@naitoasao: 【学校の集団生活で怪物になった生徒たち(教員たち)への解除キー】ちょうど催眠術にかかった人が、ある「解除キー」となる言葉で一気に醒めるように、法には、人を市民社会に連れ戻す「解除キー」としての強力な効果がある。だから、学校は法をひどく嫌う。URL
2012-07-05 02:16:56 via web
@naitoasao: 【学校での暴力はすぐに警察に】路上で誰かが誰かを殴るのを目撃したら警察に通報するのが当然だが、学校の「友だち」や「先生」の暴行傷害を学校の頭越しに警察に通報すれば、学校と地域社会で非難されるのは加害者ではなく被害者や目撃者の方となりがちだ。URL
2012-07-05 02:32:15 via web
学校と一般社会を「違う」ものにしてしまい、一般社会では許されないこと、警察に通報されて当然のことを、学校で許してしまうと、教員や生徒たちなど、学校の「内部」にいる者たちは、一般社会では普通に考えて犯罪行為であるものを、犯罪行為だと思わなくなる。「学校内でのことは、学校内で、学校の文脈によって処理されるべき」という洗脳が完了しており、被害者は、外部に訴えかけるという発想すらできなくなる。そういう環境の中では、いじめ加害者が「ここでは、やっても何も言われないんだ」と思ってしまい、増徴し、いじめをエスカレートさせてしまう。
「学校内でのことは、学校内で処理されるべきであり、警察などの外部に訴え出てはならない」という洗脳は、いじめ加害者が被害者に対して行う代表的な洗脳「先生にチクってはいけない」と同じだ。もちろんこれは、いじめ加害者にとって都合が悪くなる行動を制限しようとするからである。つまり、「学校内でのことは、学校内で処理されるべき」という洗脳も、学校側にとって都合が悪くなる行動を制限しようとしているからだ。おそらく、一般社会のルールと学校内でのルールを「違う」ものにしておきたい人ほど、学校という空間において、内藤朝雄氏の言うところの「怪物」になる傾向があるのではないだろうか。
同じことは、ネットにおいても言えると思う。ネットという空間のルールを一般社会とは「違う」ものにしておきたい人ほど、ネット上において「怪物」になる傾向があるのではないだろうか。学校でのいじめにおいても、ネット上の「予告」についても、被害者が警察に訴え出るということに動揺を示し、「そんなことぐらいで通報するなんて」「出来心でやっただけじゃないか。通報したらかわいそうだ」などと言う人ほど、「怪物」の心性により近いのだと思う。
ここでは「怪物」になって良いんだと(無根拠に)思っていた場所で、通報されるという現実を目の当たりにすると、自分たちの何かが脅かされるような気がするのかもしれない。「ここは、俺たちが『怪物』になっても良い場所だったはずなのに、お前が通報なんかするせいで!俺たちの『怪物になる権利(そんな権利は最初からないのだが)』を奪いやがって!」という意識が働くのかもしれない。また、その空間ではそれが「普通」のことになっており、他の人もやっていたから何となく自分もやっていて、特に罪悪感も感じず犯罪行為だと意識もせずにいた自分の感覚に対して、通報というのは「行き過ぎた重い罰」のように感じてしまい、「何もそこまでしなくても」と思ってしまうのかもしれない。
学校やネットだけでなく、ありとあらゆる「空間」は、人を「怪物」化させる危険性を内包している。労働基準法より「空気」や「慣習」のほうが幅を利かせている企業や、虐待やDVが起こっている家庭などもそうだ。虐待やDVの加害者は、わかりやすく虐待をしそうな人ばかりではなく、家庭の外では「おとなしい小市民」であるケースも多々ある。
これらの加害者に共通しているのは、被害を訴え出られると、「こんなことぐらいで、そこまで責められるなんて、酷い」という被害者意識を持つことだ。単に今まで自分の行為を見過ごして貰っていただけなのだが、彼らには「見過ごして貰っていた」という自覚がなく、その状況がデフォルトだと勘違いしているのだ。だから、被害者に対して、「こんなことぐらいで、そこまで大騒ぎするなんて」と思う。
そして、決まって、終始自分の都合ばかりを主張して、被害者に自分を理解してくれるよう求め、被害者が自分の行為によってどれほど消耗したかについては、全く理解しようとしない。なので、「自分にはそこまで悪気はなかったのだ(だから、あなたをいじめたことは、しょうがなかったんだ)」ということばかりを、一生懸命説明しようとする。だが、当然のことながら、相手がどれほど被害を被ったのかについて理解しようとしない限り、被害者が加害者の態度に納得することはない。そして加害者は、「こんなに謝っているのに、許してくれないなんて」「被害者だからってつけ上がりやがって」と、ますます被害者意識を抱く。
今回の件でもうひとつ思ったことは、「芸能人」や「子供」といった、ある種「特殊」な要素を持っていない人でも、特に有名人でなくとも、ネット上でいきなりこの手の「予告」をされる可能性は、常にあるということだ。これは前々から思っていたことではあったけれど、今回のことで実感として理解した感じだ。
同人などをやっていた人ならわかる人も多いと思うけれど、特に一般的に有名人でなくとも、狭いコミュニティの中で、ちょっと名の知れた人になってしまうということはよくある。これはネット普及以前にもあったことではあるけれど、ネットが普及してからは、尚更そういうことが増えていると思う。あるいは、ネットの普及によって、そういった被害が可視化されただけかもしれないが。いずれにせよ、いきなり全く知らない人間に、自分の日常に踏み込まれるというのは、誰にでもあり得ることなのだ。「同人 合宿所」で検索してみると、Twitter普及以前のその手の話を沢山読むことができる。
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- 22 http://search.yahoo.co.jp/search?p=自分の幸せ+見せつける&ei=UTF-8&pstart=1&fr=slv1-tbtop&b=21
Sinner 2012/11/11 16:19 加害を加えても大丈夫だという見えない安心感があるとき、加害行為を行うことが多いのかもしれないですね。
それが反撃されて脅かされそうになったとき、なんとか理由をつけて自分を守ろうとする。
通報をほのめかしたあとの反応も自分を小さく見せることで逃げようとするのがみえて呆れてしまいました。
そして被害を受けた側のことは最初から最後まで頭の中にないという。
謝罪 2012/11/15 23:34 申し訳ございません。心より謝罪申し上げます。
なぜ、あのような書き込みをしたのか、覚えておりません。気の迷いから、クスリに手を出してしまいました。
どのような経緯で、そちらのtwitterに辿り着いたのか、思い出せません。ただ、何かの書き込みを読んで感銘を受け、この方なら理解してくれるというような、大変ご迷惑なことですが、そんな思いがあったのは事実です。
この度、須賀秀文で検索した所、この日記の書き込みを見つけました。許していただけるとは思いませんが、
どうか謝罪させて下さい。
774 2012/11/18 01:47 クスリに手を出したとか書いちゃってるのだから、病院か警察に行かれてはいかがでしょうか。
謝罪 2012/11/18 18:56 クスリとは、向精神薬の大量服用です。
病院には行っております。
インターネットの使用をやめます。
携帯解約します。治療に専念します。
本当に、申し訳ございませんでした。